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ダンジョン(前編)

「見つけたっ!」


掃討作戦を開始して二月近く、ようやく森の中にダンジョンの入り口を見つけました。一見何気ない洞穴のようですが、魔素に注目したところ大量の魔素が勢いよく噴出していたのです。


「ここがそのダンジョンですか」

「そのようね。こうやってみるとただの洞穴だけど、確かに魔素は噴出しているわ」

「ここは森のどのあたりなのですか」

「このあたりよ」

森の地図で見つけた穴に場所を刺しました。入口からかなり離れたところで、冒険者の足でも5日はかかるでしょう。

「……こんなところに。どうしますか。冒険者を向かわせるのですか」

「冒険者は無理ね。今の森で野営なんかしたら、それこそ全滅よ。それに多分近づけないと思うの。あれだけの魔素を浴びたら死んでしまう可能性もあるからね。放っておけば収まるって事らしいんだけど、それじゃぁいつになるかわかんないんで、前に話したようにドラゴンを使うわ」

「姫様のドラゴンですね」

「私のって訳じゃないんだけど。その前に中を調べてからだけどね」

「いよいよ終盤ですね」

「そうね。もう一息、皆さん大変だとは思いますけど、お願いしますね」


間引きはまだ終わっていませんが、優先順位が変わりました。ダンジョンの探索です。久しぶりに全開のマルチさんでの迷宮探索です。


『かなり広いわね』

マルチマップは私の意識マルチさんのいるところのマップは展開できます。どこまででもという訳にはいきませんが、ダンジョンのワンフロアぐらいなら問題ありません。

迷路のような通路に大小の部屋、隠し部屋もあるみたいです。下に降りる階段を探します。

『これは骨が折れそうね』

マップを頼りにマルチさんによるローラー作戦です。外程ではないにしても魔物も結構います。外ではほとんど見なかったスライム系がいます。

『後で回収したいわね、スラ研の為にも』

どうやらこのフロアには罠の類はないようです。探索を続けると、階段が見つかりました、4つも。そのうち1つは上に上がる階段、つまり地上に戻る階段でした。他のは降りる階段です。

『厄介なダンジョンね』


今日の所は一時中断です。対策メンバーと情報の共有です。

「一応最初のフロアだけ調査したわ。その内容を話すわね。まず広さなんだけど、かなり広いの。慣れたパーティーでもフロア全部の探索となると4~5日かかるんじゃないかな」

「1階だけでですか?」

「そう、最初の階だけで。とにかく道が入り組んでいて袋小路も多いし、見通しが聞かないから警戒も大変なの。それにそこそこの数の魔物もいるから。この階は大したものはいないようだったけど。で、問題になりそうなのが、階段が沢山あるって事。降りる階段が3つ、上る階段が2つあったわ」

「別の入り口があったって事ですか?」

「そういう事ね。別の所に出たから。降りる階段はまだ調べていないわ」

「だとするとこのダンジョン、ヘンネルベリの中でも最難関級、いやこの大陸においてもそうなるかも知れませんね」

「ギルドとしてはこのダンジョンどうしたいの?」

「沈静化が出来れば冒険者に開放していただきたいと思いますが」

「森の開発はしばらくは無理よ」

「そこが問題ですね。何せダンジョンまでの往復だけで10日、さらに第1階層だけでも探索に時間がかかるとなると、今の冒険者では難しいですね」

「とりあえず沈静化させてから考えましょう。あとダンジョン内の魔素ですけど、思った通りかなり濃いです」

「その魔素の濃いところが上位種を生み出す鍵なんだろうな」

「明日以降続きの探索を行いますので」

「ところでダンジョンの中はどんな感じなのですか?」

「どんな感じかと言いますと?」

「床や天井、壁の感じや、明るさとか」

「綺麗ですよ。つるつるという訳じゃないですけど、床は山道ぐらいの感じです。壁や天井は崩れてくる感じはありませんでしたし、ぼんやりですけど周りは見えました。これについては魔素の影響があるかも知れませんけど。あと、罠はこの階にはないようです。フロアボスみたいのもここにはいないようでした。安全地帯については分かりません」

「この状況で安全地帯は期待できませんから」

「入るだけで命の危険があるというのに、安全もへったくりもないわな。ミルランディア様、引き続きよろしくお願いします」



その後10日ぐらいかかってようやくダンジョンの全貌が分かりました。全部で18階層。2階から先にはフロアボスと思わしき魔物がいました。面倒だったのが、ただ下に降りるだけではだめで、一度上ってから降りるところなどがいくつもあったところです。冒険者殺しですね。基本ダンジョンは下に降りればいいと思っていますから。下に降りる階段がトラップと言う所もありました。降りたらモンスターハウスみたいな。


「エルフィ、ちょっといいかな」

「何?ミーア」

「エルフィって魔素を正常化することってできる?」

「多分できると思うわ。私たち竜は魔素をいかようにも使うからね。でもあんまり多いと大変かな。でも何で?」

「北の森でね、魔素が溢れ出すダンジョンが見つかったのよ。そのままにしておけないから何とかしたいんだけど、エルフィにお願いできないかなって」

「いいわよ」


エルフィにダンジョンの様子を話したところ、とてもじゃないけど一人じゃ無理って言われちゃいました。

応援を呼ばないとダメって事ね




読者の皆様へ、


今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。


多くの作品がある中、この作品は河原の石のようなものです。

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