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月に代わっておしおきじゃ

 屋敷の地下室にやってきた俺は、薄暗い空間の中、牢の扉を開け、その中にアンを放り込んだ。


「ああっ」


 硬い石床に投げ出され、アンは大袈裟な声をあげる。


「仮にも魔王を名乗る奴がそんな情けない声出すなよ」


 指を鳴らすと、照明が点いた。

 魔法による灯りだ。火がなくてもとても明るい。まるでLEDだな。


 俺は牢屋の中にあった椅子に座る。

 アンは壁に背を預けて、へたり込んでいた。上目遣いで見上げてくる所作は、どう見てもこちらを挑発している。


「どうして公爵家の別荘に地下牢なんかがあるのか気になるか?」


「別に気になりません」


「そうか。そんなに気になるなら教えてやろう。デメテルにおいて、アルバレス公爵家には法の執行が認められている。逮捕権があるってことだ。俺が望めば、捕まえた者の身柄は公爵家が預かることになる。何が言いたいかわかるか?」


「あーしの生殺与奪は、あなたの手にあるということですか」


「話が早くて助かるよ。そこまでわかってるなら、俺の知りたいことを話した方がいいってことも理解できるよな?」


「マーテリア復活の手段は、絶対に言いません」


「このシチュエーションこれで二度目だぞ? もういいだろ」


「いいえ。知ればあなたはマーテリアの復活を阻止しようとするでしょう」


「呆れた奴だ」


 実際、マーテリアが復活することで世界が元に戻るなら、俺はその道を選ぶかもしれない。そちらの方がまだやり直せる気がするし。

 まぁ、そんな弱みは見せないけどな。


「さっきも言ったが、言わないなら酷い目にあうぞ。お前は魔王を名乗って人の命をたくさん奪ったんだ。相応の報いだって受けてもらわにゃならん」


「くどいですよ。あーしは決して口を割りません。二度、魔王を名乗った。誇りを取り戻しているのです」


「わかった」


 俺は椅子を蹴って立ち上がり、アンに詰め寄る。そして、ドレスを力任せに破って剥いでやった。


「ああっ」


 あられもない下着姿になったアンは、ごろんと床を転がる。ちょうど四つん這いになって尻をこちらに向ける体勢になっていた。


「お望み通りくれてやる」


 俺はアンの小ぶりな尻に、思い切り平手打ちをぶちかました。


「ああああああああっっっっ!」


 地下牢に色気づいた嬌声が響き渡った。


「うう……っ」


 俺はアンの漆黒のショーツをずり下ろす。そのクロッチの部分に大きな染みができていた。

 尻を叩かれて発情したのか。否、その前からずっと発情していたのだろう。


 いつから? 

 俺の姿を目にした時からずっとに違いない。

 実は俺も、グランブレイド一行を迎えた時から、そのことに気が付いていた。


 他の全員は誤魔化せていたかもしれないが、俺だけは騙せない。

 俺と会った時から、アンはずっと発情したメスの匂いを撒き散らしていたからだ。

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