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ぷるんとな

「……わかった。とりあえずそっちの要望を聞こう。何が望みだ」


「そだね~。じゃあ、キミを人質として貰おうかな~」


「人質?」


「そ~。なんかキミには~、このアナちゃんと同じ特別なものをかんじるっていうか~。誰だか分からなかったアナちゃんのパパらしいし~」


「そんな子どもの言うことを信じるのか?」


「言ったでしょ~? アナちゃんは特別なんだよ~。この子の示したことで間違いだったことはないんだよ~」


 まじかよ。

 一歳児の言動に一国の軍が左右されるのか。俺には理解できない世界だな。


「そうじゃなくても、貴重な種馬が手に入るのは僥倖さ~」


「だろうな。その条件を呑めば、撤退してくれるのか?」


「ジェルドの女王に二言はないよ~」


 ほんとかよ。

 いろいろわけわからんが、俺が人質になるくらいで丸く収まるなら願ってもないことだ。

 それに、オルタンシアと子どものことも気になる。


 まるで、運命に導かれているようなくらい、因縁と鉢合わせしてるんだよなぁ。

 エストによる運命の干渉はもうないはずだ。

 だからこれは、紛れもない俺自身の運命に他ならない。


 運命は過去の行いによって決まるか。

 言い得て妙だよな。改めて、実感するぜ。


「わかった。そんなのでいいなら、喜んで人質になろう」


「あいわかった~。やったね。じゃ、乗って~」


 そう言って、アルドリーゼは戦車をぽんぽんと叩いた。


「今からか? こっちの連中に今の話を伝えないと。それに馬だって」


「すべてこっちでやるから大丈夫だよ~。よきに計らうから。ほら、早く」


「……強引だな」


 だが、退いてもらう為には仕方ないか。

 サラは俺のことを思い出したんだ。それにルーチェも一緒にいる。俺が一緒にいなくても上手く連携は取れるだろう。

 最悪、ジェルドの軍勢くらいなら俺一人でなんとかなるし。


「はっ!」


 俺はフォルティスをジャンプさせ、そのまま戦車に飛び乗る。


「おおっ!」


 アルドリーゼが驚き、アナちゃんがぱちぱちと拍手する。


「フォルティスは一緒に連れていく。いいな?」


「いいよ~」


 まったく。

 面倒なことになった。


 俺らしいといえば俺らしい人生だな。

 波乱に満ちている。この波乱を乗り越えてこそ、俺の目的も果たせるってもんだ。


「アルドリーゼ。サラ達には、心配するなと伝えてくれ」


「りょ~かい~」


「あと、すぐ戻る。とも」


「伝えるけど~。それができるかどうかはわからないよ~」


「出来ない約束はしないタチなんだよ俺は」


「ふ~ん」


 アルドリーゼはにへらと笑う。

 おっぱいが、ぷるんと揺れた。

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