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のじゃロリ、覚醒

 石像はゆっくりと拳を振り上げる。その顔は白髪頭に向いていた。 


 まずい。あいつは今動けないのだ。今度こそ殺されちまうぞ。

 流石に目の前で死なれちゃまずい。俺の人生で忘れられないトラウマになるし、目撃者インタビューで目立つことにもなりかねん。


「くそがッ!」


 俺は咄嗟に駆け出す。


「おい神! 俺は信じてるぞ!」


 とにかく奴の気を引く必要があったから、それっぽいこと言ってみる。

 すると、石像の動きがぴたりと止まった。


「お前わしのこと信じとるのか?」


 瞳のない視線が俺を捉える。


「信じてる! 超信じてる!」


「嘘じゃ。わしはそんなの信じんぞ」


 なんだよそれ。


 石像は拳を振り下ろす。


「ひいっ!」


 白髪頭に拳が迫り、その場が爆散した。


 だが。


 紙一重で当たらなかったらしい。白髪頭は吹き飛ばされ、気絶しただけで済んだようだった。俺が石像の気を引いたおかげだろう。そうに違いない。


「危なかったですね」 


「ああ。だからといって何も変わっちゃいないけどな」


 パーティメンバーは俺とサラ以外、全員気を失って戦闘不能だ。俺達二人でこの神型モンスターを倒せるとも思えない。

 アデライト先生も人が悪い。こんなの新入生が戦える相手じゃないぜ。


「まったく。困った若様じゃ」


 俺ははっとする。


 そうだ。まだ気絶していないメンバーがいた。


「ロートスとやら、礼を言うぞ。あんな小僧でも一応は我が家の後継ぎじゃでのう」


 のじゃロリ。


 いや違う。


 彼女は大人の姿になっていた。はだけた着物から覗く白い肩と艶めかしい谷間。健康的な太もも。濡烏の黒髪は腰まで伸び、妖艶な色気を醸し出していた。


 言うなれば、のじゃ美女だ。


「若様は傲慢ちきじゃでな。気を失ってくれて幸いじゃった。これでようやく実力をだせるというものじゃ」


 どういうことだ。これまでは力を隠していたってのか。


「神の名を騙るでくの棒なんぞ、わらわの『恵体剛力』でイチコロよ」


 その瞬間、のじゃ美女は風になった。

 凄まじい勢いで跳躍し、石像の顔面まで到達する。


「おりゃあ!」


 彼女の蹴りが、石像の鼻を蹴り砕く。


「お前、わしを信じとらんのか?」


 だが、石像に痛がる様子はない。両腕を振り回し、反撃を試みる。しかし、のじゃ美女は華麗にそれを回避していた。


「遅くてあくびが出るのう! それ、もう一発じゃ!」


 着地したのじゃ美女は再び跳躍。今度は拳による直突き。凄まじいパンチが石像の顎を削り取った。


「すげぇ」


 俺は素直な感想を口にする。正直あの子がここまで強いとは思ってもみなかった。白髪頭に虐げられる可哀想な従者を演じていただけか。あれじゃ棒で叩かれても痛くもかゆくもないだろうな。

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