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王都ブランドンに到着だ

 半月後。やっとの思いで王都ブランドンに到着した。


「やっと……つきましたね」


 王都の巨大な門を見上げ、サラが感慨深く呟いた。


「ああ、長い道のりだったな」


 半月の間、ただひたすらに歩く毎日。肉体強化系のスキルを持たない俺には過酷な旅だった。サラは獣人らしく余裕っぽかったけどな。

 まぁ、多少体力はついた。それは確かだ。


「これからどうします? まずは宿をとりますか?」


「いや、それよりも魔法学園に行く。実を言うと、入学式は今日なんだ」


「ええっ! なんで仰ってくれなかったんですか! 知ってたらもっと急いだのに!」


「すまんな。俺もさっき知ったんだ。入学のしおりを確認したら今日だった」


「雑すぎますよこの『無職』!」


「やめろ」


 別に罵るのは構わないが、こんなところで『無職』とか言ってると目立っちまう。


「いいからとっとと行くぞ。遅刻したらお前のせいな」


「ええっ! ひどい……」


 とにかく、魔法学園へ向かうことにする。広大な王都の西側にあるようだ。

 学園に到着すると、校門の前には人だかりができていた。ざっと数百人はいる。これ全部今年の新入生かよ。


「すごい人ですね」


「ああ。国中から優秀な人材が集まってるんだろうな」


 本当、なんで俺がこんなところに入学しなくちゃならんのか。恨むぜ、両親。

 そんなことを思っていると、巨大な校門が音を立てて開く。その先には、若い男性が立っていた。


「新入生とその従者の方は、どうぞお入りください。後ほど、クラス分けの試験がありますので、心づもりだけはしておいてくださいね」


 クラス分けの試験だと? そんなの聞いてないぞ。でも入学のしおりに書いてあったような気がする。あんまり読んでないからわかんないな。


「まぁ、なるようになるか。いくぞ、サラ」


「はいっ!」


 男性に案内され、数百人と共に学園の奥に進んでいく。

 国内最高峰の学府だけあって、半端ない規模だ。レンガ造りの大小様々な建物が立ち並び、広大な校庭があり、学生寮も完備である。


 あまり期待していなかったが、こんなところで魔法を学べるというのは、転生者としてはワクワクせずにはいられない。田舎には心惹かれなかったが、ファンタジー風の大都会はやっぱりいいものだな。


「それではこれより、新入生の確認を行います。順番に手続きを行ってください」


 広い講堂に通された俺達は、いくつか設けられたカウンターに並ぶことになった。ここでは新入生の名前、年齢、スキルや職業などを登録するようだ。


 そんなもん事前にやっとけよ。セキュリティガバガバじゃねぇか。

 いや、でもスキルや魔法なんてのがある世界だから、案外そんなもんなのかもな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 続きが気になる。 [気になる点] 学校なんか行かないでどこかでひっそり暮らした方が目立たない人生になるのではないだろうか。
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