第28話:会長が使える【魔法】の力。
「ぱふぱふゆりえっち先生!!」
「うぉぉぉぉぉい!!」
メイド姿のパフィ会長は慌ててルキヤに飛び掛かり、その口を塞いだ。
勢いでバランスを崩してその場でルキヤを押し倒すような体制になる。
「ちょ、ちょっとなんでこの子が私の事知ってるの!? 貴方、もしかして言いふらしてるの!?」
メイド会長はルキヤの口を塞いでその上に跨りながら私を睨みつけてきた。
「いや、私は何も……」
「嘘おっしゃい! 私この子の事知らないし秘密を知ってる時点で……あら、この子……」
や、ヤバい!
パフィ会長は学生全員の顔と名前を憶えてるような人だ。あこを見てルキヤと看破するかもしれない。
「あ、あの、その子はほら、ルキヤの親戚の子で……」
「……なるほど、分かりました」
会長はスッと眼を細くして、立ち上がり服の埃を払う。
……バレた? どっちだ? もしバレたなら今すぐに会長の口封じをしなければ……。
頭の中で物騒な計画を巡らせたところで、彼女は言った。
「どうりで顔が似てると思いました。でしたらあの阿呼辺君がこの子に漏らしたんですね……次に会ったらただではおきません」
「ねーメイドさん。ラブラブパフェーっ!」
突然の絶叫からのドタバタで店内の視線はパフィ会長に集中していた。
奈那の催促で我に返った会長は何事も無かったかのようにメイドモードに入る。
「大変申し訳ありませんでしたーっ♪ ラブラブパフェおひとつですね☆彡 すぐにお持ち致しますのでお待ちくださいませお嬢様♪」
そう言って私とルキヤをキッと睨んで仕事へ戻った。
「こ、怖かったね……」
「誰のせいだと思ってんだよ……普通こんな所であの名前出すか? 馬鹿かお前は……」
「ごめん。つい……でもメイド服すっごく似合ってるね」
確かに会長はすっごく可愛かった。まさかこんな仕事してるとはなぁ……。
リアル女子高生のメイドか……悪くないな。
「絵菜ちゃん、二人は頼まないの?」
奈那に言われて気付いた。会長は奈那の注文しかとってないじゃないか!
仕方ないので違うメイドさんを呼び、先程決めていた萌えきゅんソーダと本日のおすすめってやつを注文した。
「それにしてもさー、二人ともあのメイドさんと知り合いだったの?」
「あ、あぁ……まぁね」
「あの人生徒会長だよ? 見た事ない? げふぅっ!!」
あこが生徒会長の事知ってるのはどう考えてもおかしいだろうが! 私は思わず奈那に見えないようにしてルキヤの脇腹に一発ぶち込んでいた。
「店に入った時会長の姿が見えたからあこに、あの人はうちの会長だ~って言ったんだよ」
「そうなの? 私生徒会長の顔なんて覚えてなかったよー」
うちの学校では知らない人は居ないと思ってたんだけどここに例外がいたらしい。
「奈那って生徒会長の顔見た事ないの?」
「うーん。あるとは思うけどそれって覚えなきゃいけない事かなぁ?」
いや、覚えなきゃいけないって事はないけど普通あれだけ目立ってる生徒会長なら覚えるだろ……なにせあの人は学長の孫娘で、生徒会長選挙にて全学生の票九割を集めるという快挙を成し遂げた完璧超人だから。
まぁ、そんな生徒会長がまさかのぱふぱふゆりえっち先生だったわけだけど……。
「お、お、お待たせ……しました」
もうこの席には来ないかと思ったけど頼んだ物を持ってきたのは会長だった。
「こちらラブラブパフェと、本日のおすすめプリンアラモードパスタ、それと……萌えきゅんソーダです」
本日のおすすめがとんでもない代物だった。
茹でたパスタの上にプリンアラモードがどでんと乗ってる恐ろしい食べ物。
何が恐ろしいって驚いてるのが私だけで、奈那もルキヤも「「すごーい!」」としか言わない。
どういう神経してるんだ。むしろ私が知らんだけでデザート的なパスタは美味いのか?
「ではお嬢様方、ごゆっくり……」
会長がどこかぎくしゃくしながら席を後にしようとした時、奈那が後ろから声をかける。
「あれ? メイドさーん、何か忘れてない?」
「な、なんの事でしょう……?」
会長は顔を引きつらせながらにっこりと笑う。いや、笑えてはいないか。
「この萌えきゅんソーダってもっと美味しくしてくれるんでしょー? 私それ見たいな♪」
「あ、あはは……そう、でしたね……失礼いたしました」
涙を浮かべながら肩を落としつつこちらへ戻ってきた会長が、「では魔法をかけますね……」とぼそぼそ言った。
「メイドさん♪ とびっきり美味しくお願いね?」
「ボクも見るの初めて! 会長! 頑張って♪」
「お、お前ら……覚えてろよ……」
この二人会長を追い込むのが上手すぎる。実の所、私はその魔法の件気付いてたけどスルーしてあげてた。
だけどこうなってはもう止められないよ。
「会長、とびっきりのを頼む」
「もう……どうにでもなれ!」
会長が涙を拭き、にぱーっと満面の笑みに変わる。
プロだ……!
「いっきまっすよー? とびっきり美味しくなる魔法をかけるのでみなさんも手伝ってくださいねっ☆彡 萌え萌えきゅきゅきゅーんっ♪ はい、みなさんご一緒に♪」
「「「「萌え萌えきゅきゅきゅーん♪」」」」
会長渾身の萌え萌えきゅきゅきゅーんによって元より美味しくなったのかどうかは定かではないが、魔法をかけ終わった後顔を真っ赤にして涙を堪えつつ逃げていく会長を見ながらの萌えきゅんソーダはとっても美味しかった。
前回から大分間が空いてしまい申し訳ありません。大目にみてください(´;ω;`)
ぱふぃ虐というジャンルが確率しつつあるこの作品なのでした。
しかしこの小説はいろんな意味でアレなので読者様はついてこれるのか心配になっている自分が居ます(;'∀')
気にしたら負けですよね。
是非感想やブクマなど何かしらの形で応援して下さると嬉しいです(笑)





