第25話:試着室で危険な【初体験】。
「ちょっと待てうさこ、私に分かるように説明しろ。それとカーテンを閉めろ」
向こうで奈那とルキヤが見てるから!
奈那は別にいいけどルキヤが何かを期待してワクワクしてるから!
「しっ、失礼しましたおねーさまっ!」
さも当たり前のようにうさこが試着室の内側へ滑り込んできてカーテンを閉める。
「お姉ちゃんこれはどういう事なんですの!? 具体的に分かりやすく説明且つ謝罪を求めます!!」
「謝罪とか言われても……私はほら、ただ仕事してただけだからぁ」
「おねーさまもおねーさまです! なんでこんな店に来てしまったんですの!?」
なんでって言われてもなぁ……。奈那の下着を探しに来ただけで……。
ちょっと待て、だったらなんで私が今こんな事になってるんだっけ。
そうだ、ルキヤが引っ張られていくのを面白がってたら巻き込まれたんだった。
自業自得過ぎて被害者面もできやしねぇ。
「まぁ、いろいろと理由があるんだ、込み入った事情がな……」
「そんなに胸のサイズを気にしてらっしゃったんですの!? そんなの私がいくらでも揉んでさしあげますのにっ!!」
「待て、どうしてそうなる。お前に揉まれても嬉しく……いや、嬉しいとか嬉しくないとかじゃなくてだな。揉んだら大きくなるとかいう発想自体どうかしてる」
「ちなみに先ほど私はたっぷり揉ませてもらったわ。ごめんなさいね」
店員のお姉さんもなんで急にうさこにマウント取り出したんだ話がややこしくなるから黙っててくれよマジで。
「ムキーッ!! お、お、おねーさまの胸を揉むなんて私に対する宣戦布告ですわっ!!」
「いやぁ熱心に仕事してみるもんだねぇ。翔子の悔しがる姿が見れるなんてね。ちなみに翔子の大好きなおねーさまの胸の谷間には小さなホクロが二つあるよ」
「ゆ、ゆるしませんわ……そのホクロの事なら私だって存じ上げておりますけれども!」
さっき試着手伝ってもらったお姉さんはともかくなんでうさこまで私のホクロの位置なんか知ってるんだよ怖い。
「へぇ……そんな所まで見た事あったなんてやるじゃない。でも……私は全部見せてもらったわよ? そしてその綺麗な肌を直接この手で……大事なところまで♪」
「変な言い方するな! 試着手伝ってもらっただけだろ!」
いい加減この店員どうかしてる! 話の流れ的に多分うさこのお姉さんなんだろうけど、なんか変だこの人!
というかそうか、そうだったのかうさこのお姉さんだから変だったのか!
「おねーさまぁ……」
ぎょっとした。
うさこが、泣いてる。
保健室前で見た涙とは比べ物にならない程の悲壮感。
絶望に染まった表情で、凄まじい勢いで涙が溢れていた。
「う、うさこ……? どうした、落ち着けって」
「私は落ち着いてます。とっても冷静です。ただただとてつもなく悲しいんですの……わ、私のおねーさまが……」
なんだこの目の前で恋人寝取られたみたいな反応は……。
「よしよし、なんだかよく分からんが泣くなって」
「……慰めて下さいますの?」
「お、おう。それで泣き止むんだったらな。どうしたらいい? 頭でも撫でてやろうか?」
「いえ、むしろ撫でまわさせて下さい」
……?
「それはどういう……?」
すぽーん!
あっと言う間にうさこは私の下着を剥ぎ取っていた。
「えっ? ちょっ!? お、おまっ何して……」
「おねーさまおねーさまおねーさまおねーさまぁぁぁぁぁっ!!」
うさこが、隣に立ってる自分の姉の事なんてもう完全に無視して私の胸に飛び込んでくる。
私はあまりの事に頭が真っ白になった。
本来なら拒絶する事なんて簡単だったのに、さっきの涙が頭にちらついて反応が遅れてしまった。
その結果。
「うわ、うわわわ……!!」
「うへへへ……これがおねーさまの、うへっうへへへへ……しふく、至福ですわ……!」
こいつ……!
「いい加減にしろーっ!!」
多少加減はしてやったが、うさこの脳天にげんこつを振り下ろしてやった。
「みぎゃっ!! い、痛いっ……! でも、こんなチャンス二度とありませんの!! もうどうなってもいい!!」
「ば、ばかやめろっ!! 変なとこ舐めるなっ!! ぎゃーっ!!」
私の拳を受けて意識が朦朧としながらも離れようとしないその執念はあっぱれと言ってやりたいが、このままでは私の大事な何かが失われてしまう!
「ちょっとお姉さん! 見てないでなんとかして! あんたの妹でしょうが!!」
「我が妹ながら……そこまで……。翔子、貴女には負けたわ。もう好きになさい」
おいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
お姉さんは不敵な笑いを残して試着室から出て行った。
頼むからこの状況で開けるんじゃねぇよ!
一瞬ルキヤがすごい顔でこっち見てたのが見えたぞ!?
って事はあっちにも見えてたって事じゃんマジかよ殺せ! 私を殺せ!
「はぁはぁおねーさま、おねーさまぁぁ……」
「ひぃっ!!」
そうだった。ルキヤにとんでもない所を見られたせいで自暴自棄になってしまったが私はまだ死ぬわけにはいかない。
殺られる前に殺らなければ。
私の肌を舐めまわしていたうさこがついに許されざる場所まで到達してしまったので私は、今度こそ加減せずに思い切りぶん殴った。
こればかりは正当防衛が成立すると思う。
私は悪くない。
そう、私が空手の全国大会優勝者だとしても、この拳を振るうだけの理由がそこには有った。
しかし悲しいかな。
時すでに一瞬遅く、私は何か大事な物を失った。
さらりと出て来た絵菜の経歴。そして本気でぶん殴られたうさこですが、きっと彼女は本望だったでしょう。彼女の冥福を祈って下さい(生きてます)
ちょっと今回は攻めた内容になってしまいましたが全年齢の範疇です(笑)
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次回も出来るだけ早めに更新しますのでよろしくお願いします(n*´ω`*n)





