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六話 習得と終結

 応用魔法は基礎魔法のようには簡単ではなく、卒業するまでの四年間を全て費やしてしまった……

 しかし時間を戻せる俺には充分すぎるくらいだ。


「珀人……待ったか?」


「いや、今来たところだよ」


「そうか……それは良かった」


 俺はあの後、風天に好かれてしまい、気が付けば家にお邪魔していた……無かったことになる訳だから、人とはあまり親しくならないようにしようとしていたのだか……一つ屋根の下、家族が居るとはいえ、俺と涼乃の関係が深まってしまうのは仕方のないことだった……


「きゅ、急に買い物に誘ってしまい、すまなかった」


「ん?デートじゃなかったのか?」


「で、で、デート……そう思ってくれていたのか……」


「違うのか?」


「そ、そうとも言うかもしれないな」


 女子と買い物=デート……間違ってはないな。


 俺と涼乃は推薦で魔法学院への入学が決まったため、二人で出掛ける事にした……涼乃と会うのこれが()()になる訳だから、楽しんで貰わないと……無かったことになるとしても……


「折角だ、学校で必要な物も揃えてしまおうか」


「そうだな」


 俺が使うことはないが……


 その日一日を二人で楽しんだ……俺の中には既に涼乃に対しての特別な感情があった……しかしこれは忘れなければいけない感情だ。


「たまにはこういうのも悪くないな?」


「そうだな……」


「ん?どうした?もしかして……つまらなかったのか?」


「え、いやそんな事はないよ、涼乃と居るだけでも楽しいよ」


 しまった……少し顔に出てしまっていたのかもしれない。


「そ、そうか……なら良いんだが……」


 決行はその日の夜、皆が寝た後でいいか……


 今では当たり前になってしまった風間家での食事……これも最後か……

 そしていつものように部屋で寝る……

 とても充実した毎日だった……手放すのが惜しいくらいに……そろそろ皆が寝た頃だろう……


 コンコン


「誰?」


 こんな時間に誰だ?


「私だ……入ってもいいか?」


「涼乃……開いてるから、入ってきて」


 なんで涼乃が……今までこんなことなかったのに


「夜遅くにすまん……なんだか嫌な予感がして……」


「嫌な予感?なんかあったのか?」


「なんだかお前が何処かに行ってしまうような気がしてならないんだ」


 涼乃は感が鋭く、俺の嘘は今まで通用しなかった……


「そんなに心配なら一緒に寝るか?なんて……」


「良いのか?」


 マジですか……


「お、俺は涼乃が良いならそれで……」


「ではそうさせて貰う」


 え……本気か?上段のつもりで言ったんだけど……


「えと……じゃあ俺は地面で寝るから……俺のベッドを使ってくれ」


「そ、それじゃあ別々に寝るのと変わらんだろ」


「わ、分かったよ……じゃあ涼乃は壁側でいいか?落ちたら危ないし」


「分かった」


 そのまま一緒のベッドで寝た……手は出さない……絶対に一線だけは越えてはいけない気がする……


 一時間位経っただろうか、そろそろ涼乃も寝た頃だろう……なんで俺は涼乃が寝るまで待っていたんだろうか……結局はなくなってしまう事実なのに……やはり今の幸せを手放すのが怖いのかもしれない……


 いや……決めたことだそろそろ……


「はく……と…」


「!?」

 不意に涼乃に抱きつかれる……

 まだ起きていたのか?


「どこ……にも……行かないでくれ……」


「涼乃……」


 俺は……くっ……タイムリープ


 目の前は真っ白になり、そこには何もない空間だけがあった……


「あの場所か……」


「戻ってきましたね、なるほど……そうやって彼女の隣立てるよう力を手に入れて行くわけですか」


「お前はあのときの神様か?というか見てたのか……」


「そうです……でも貴方みたいな人初めてです……色々な選択肢を試してやり直す訳じゃなく、自分が強くなるために使うなんて」


「折角貰った力だ……最大限生かさないとって思ってね」


「でも最後にミスでもしたら終わりですよ?」


「その時はその時だ……そうしないように頑張るしかない」


「時間はどうしますか?」


「最初と同じて頼む」


「分かりました、数分の誤差はあると思いますが気にしないで頂ければありがたいです」


「それは大丈夫だ」


「では頑張って下さい……」


 前と同じく目の前が真っ白になると、同じ感覚と感じながら気がつくと実家にいた。


 次は……闇属性か……まだまだ道は長いな……


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