表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

十二話 教室と紹介

「陸導珀人君……前に出てきてください」


 呼ばれた驚きで固まってしまっていた、何故だかは分からないが呼ばれたからには行くしかない。


 俺の姿を目にした新入生達からまた、誰だ?とか知らないな?と言う言葉が聞こえる、無理もないと想うが……


 そのまま生徒会長の前に立つと……


「私は……貴方を待っていたのかもしれませんね……」


 ん?気のせいだよな……今何か言ったような……


「それでは新入生学年代表にはこの代表を示すバッチが渡されます……襟に着ければ大丈夫ですよ」


 渡されて困っていた俺に小さな声で教えてくれる……世話焼きなところは前から変わらないみたいだな……


「それでは皆さん、楽しみ学院生活を送ってください」


 新入生達は体育館を出て自分の教室へと向かう……

 俺も……


「あ、待ってください」


「まだ……なにか?」


「学年代表には親睦を深めて貰うために仕事があるのです」


 仕事だって?聞いてないぞ……そもそも代表について聞いてない……


「十二個のバッチをお渡ししますので各属性の代表生徒に渡してきてください」


「渡し忘れた訳じゃないですよね?」


「も、もちろんです、元々そういう予定でした」


 絶対嘘だ……慣れないことをすると必ずミスをするんだよな。


「分かりました、任せて下さい」


「あ……良かった……じゃなくてお願いしますね」


 ひとクラス三十人、各属性が五人ずつでSからEクラスまである、そこに金持ち内部生、一般生、天才学園生が集まる訳だが、一般生は圧倒的に少ない、差別的な奴らもいて、才能が開花した場合は学園のほうにいく生徒が大半だったりする。

 俺は……Sクラスでした……


「ここか……」


 教室を覗くと既に全員集まっている様だった、生徒会長に引き留められてしまったからな。


「あれ、まだ一人来てないようですね、誰か知っていますか?」


「お、遅れました」


「すでに全員集まっていますよ、何をゆっくりと……陸導君!?」


 氷堂深雪……まさかこの人が担任だとは思わなかった。

 若い人なのにSクラスの担当していると言うことは相当な実力者なのかもしれない。


「生徒会長に引き留められてしまって……」


「そ、そうでしたか、なら仕方ありませんね、席に着いて下さい」


「分かりました」


 俺は、り、だから、窓側の……一番前……なんとも言えない……


「私がこのクラスの担任の氷堂深雪です、私もこのクラスの担任と言うことをついさっき知ったので驚いていますが、お互い仲良くしていきましょう」


 どうりで……さっき俺の事を見て驚いた訳だ。


「それではまず自己紹介からしていきたいと思いますので、赤城さんからお願いします」


 赤城……と言うことは……


「赤城舞、内部生です、今までは属性毎に別れていたので他の属性が使える人とも仲良くしたいと思ってます、宜しくお願いします」


 バチパチパチ


 内部生で赤城……やはり六式の一人か。

 六式とは、苗字に赤、青、緑、黄、白、黒の入った、各属性の名家の中でもお金持ちの集まり、実力がないわけではないが、金の力でここに通っていると行っても過言ではない、しかし、入試に合格できて、なおかつSクラスということは、実力も確かなはずだ。


「次、青山さん」


 青山まで居るとは……今年の学院は実力者が多いのかもしれない。

 そうして次々と自己紹介が終わりそろそろ俺の番が回ってくる。

 やはり各属性の天の子供、そして代表は全員揃っていた。

 さて、どうしたものか。


「陸導珀人、紅華学園から来ました、入学式でも紹介されましたが、学年代表に選ばれましたので、自分でも驚いていますが、皆さんと協力出来たらと思っています、宜しくお願いします」


 バチパチパチ


 こんなところだろう……ん?このクラス三十一人居ないか?

 毎年合格者は百八十人ぴったしだった気がするんだけど……まあ、そういうこともあるか。

 そうして全員の自己紹介が終わった。


「有難うございました、この学院では、年四回のランキング戦があります、それで下のクラスに負けた生徒はそのクラスに下がってもらうので皆さん気を引き締めて学院生活を送ってください、それでは今から学院内で使えるタブレット端末を配ります」


 学院内には基本に電子機器の持ち込みは禁止、その代わりにこのタブレット端末が配られる、登録した生徒との会話やネットでの調べもの、基本的にスマートフォンと何ら代わりはない。

 唯一違うところは……


「今日はこれで終わりですが明日からは授業があります、持ち物は特にどの授業もないと思いますが、どの授業を受けるのかどうか自分で確認しておいてください」


 このタブレット端末で自分の受ける授業を決めることができる、このクラスで集まるのは朝だけで、既に自分で予習している授業は受けなくていいし、年に何回かやる授業もあるので何回受けてもいい。

 基本的に自己責任なのがこの学院の特徴でもある。


 あ、皆が寮に帰る前に、バッチを渡さないと……

 ここからが忙しくなりそうだな……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ