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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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96.「終業式とかしないの?」

 渡良瀬さんは僕と話しながらも仕事を続けて、みんなの分の朝食を作り置きしてから帰って行った。

 派遣メイドと言ってもお客様自身へのサービスは含まれないそうだ。

 ていうかそういうサービスもあるけどお値段が違ってくる。

 矢代家が契約しているのは家政(ハウスキーピング)の仕事で、つまり掃除洗濯や屋敷の維持管理だ。

 食事を作ったりするのはむしろオプションということで。

 比和さんがやる時は僕の世話を焼きたがるけど、あれはむしろ個人的な事なんだろうね。

 まあいいや。

 食事の後、珈琲を飲みながらテレビを観ていると住民が次々に起きてきた。

 みんな同じようにリビングに顔を出してからシャワーを浴びに行く。

 ちなみにさすがに着替えていてパジャマとかじゃなかった。

 シャワー浴びて戻ってきて朝ご飯を食べるんだけど、全員未成年の女の子なんだよね。

 それを生暖かく見守る未成年男子(僕)。

 何かが間違っていると思う。

「お早うございますぅ」

 最後に起きてきたのは信楽さんだった。

 リビングでは僕たち3人がまったりしていた。

 炎(エン)さんは文字通り伸びているし、静村さんは真剣な表情でスマホを弄っている。

 比和さんはお仕事で東京泊。

 平和な一日の始まりだ。

「お早う」

「うーす」

「お早うございます」

 ちなみに最初の返事が僕だから。

 信楽さんは既にシャワーを浴びてきたらしくて濡れ髪が何か色っぽかった。

「皆さんにぃお知らせがありますぅ」

 なぜかドアの所で立ったまま宣言する信楽さん。

 何かヤバそうだけど、どうしようもないからね。

 受け入れるだけだ。

 ちらっと観ると静村さんはいつものように平穏な雰囲気だけど、炎(エン)さんは何を勘違いしたのかはしゃいでいた。

「何?

 遠足?」

 アンタは子供か!

「違いますぅ。

 近々ぁ、この家に新しいメンバーが加わりますぅ」

 信楽さんがのほほんとした口調で言い切った。

 なるほど。

 それは大変ですね。

 どうせ美少女なんでしょうけど(泣)。

「ああ、あのお話ですか」

「ええっ?

 私聞いてませんよ?」

 静村さんは何か心当たりがあるらしい。

 ちなみに僕も全然聞いてません。

 そういう方面の決定権はまったくないので。

 何が社長だ。

「どんな人?

 宇宙人とか?」

 聞いてみた。

 何となくは予想出来る気はする。

 ロンズデール姉妹(宇宙人)がここに住みたいとか言っていたような気がするからね。

「違いますぅ。

 アデリンさんたちはぁ高級マンションでぇ自由を謳歌してますぅ。

 共同生活なんか興味ないですぅ」

 違うのか。

 だとしたら誰なんだろう。

 未来人たちか?

 矢代興業にとっての重要度は多分僕より高いはずだし。

 そもそもこの家に住んでいる人って厨二病の中でも訳ありばっかだからなあ。

 未だによく判らないんだけど炎(エン)さんや静村さんは人外代表として霊的な結界を構築しているそうだし。

 いやそれは比和さん(フェアリー)だったっけ。

 で、そういう力がない僕や信楽さんは守護対象らしい。

 つまり矢代家(笑)に住んでいるのは守る人と守られる人だけなんだよ。

 全員が厨二病だけど(泣)。

「見てのお楽しみですぅ」

 信楽さんが珍しく楽しそうだった。

 何か仕掛け(サプライズ)てくるらしい。

 別にいいけど。

 信楽さんはそれ以上何も言わずに解散になった。

 その夜に戻って来た比和さんに聞いてみたけど何も知らないという回答だった。

「ひょっとしたら……いえ、考えすぎかと」

 でも何か心当たりはあるらしい。

「仕事関係?」

「違うと思いますが……憶測しない方がいいと思います」

 比和さんが暗い。

 そういう時って大抵、僕が絡んでいるんだよね。

 これ以上聞くのは拙いか。

 宝神に出勤して理事長室で仕事しながら考えてみたけど判らない。

 新メンバーは厨二病患者(同類)である事は間違いないだろう。

 矢代興業の関係者でもあるはずだ。

 だって矢代(あの)家って矢代興業の心臓みたいなものなんだよ。

 僕はともかくとして信楽さんが住んでいる。

 最重要保護対象者だ。

 でも、今さら僕が知っている厨二病患者をあの家に住まわせる必要性って何なんだろう。

 宇宙人でも未来人でもないとしたら超能力者か。

 山城くん(キャプテン・シンゴ)がついに超能力の再現に成功したとか?

 でもあれってむしろ奇術というか詐欺みたいな能力だったし。

 王国や帝国の関係者で新しい能力や才能が必要になったとか。

 渡良瀬さんが住み込みメイドとして来るとか?

 ないだろうな(泣)。

 いくら考えても判らないので悩むのを止めることにした。

 だって信楽さんに聞いたら「秘密ですぅ」とか言うだけなんだよ。

 でもポロッと「矢代社長もぉ知ってる人ですぅ」とか言ったから、無関係の人じゃないことは確かだ。

 まあいいや。

 仕事にも結構慣れてきて、大学の理事会で賛成マシンになったり矢代興業の社長として議案に賛成したりしているうちに夏休み? になった。

 ていうか知らないうちに突入していた。

「終業式とかしないの?」

「大学はぁそんなことしないですぅ。

 そもそもぉ宝神(うち)に夏休みなどという制度はないですぅ」

 何てこった!

 大学って怖い!

 「♪厨二の学校にはぁ夏休みも終業式もない」

 まあ、宝神(うち)は定休日の概念すら曖昧だからね。

 だって普通の大学では主流の「授業」というものがほとんどないんだよ。

 座学は全部通信大学のビデオ講義。

 演習は学外。

 いつ来ても大学構内に学生がほとんどいないという驚異の学校なのだ。

 それどころか教授や講師もあまり学内にいない。

 みんな外で働いていたりして(笑)。

 例外は僕と錬金術師じゃなくてコンピュータ関係の加原くんくらいなものだ。

 ヲタク系講座のシャルさんや宮砂さんも姿を見ないからどっかを飛び回っているんだろうね。

 そういえば夏のコミケが近いか。

 またコスプレするのかなあ。

 いや僕にはもう関係ない。

 7月も後半にかかると大学内にはほとんど人がいなくなってしまった。

 世間的には夏休みなんだよね。

 宝神関係者(みんな)は働いているけど(泣)。

 僕といえばあいかわらず宝神の理事長室に立て籠もっていた。

 だってこの部屋、強力なエアコンがあるのだ。

 まだ7月だというのに外は蒸し暑くてどうしようもない。

 静姫様のおかげで梅雨の雨から逃れることは出来たんだけど湿気は防げなかった。

 実は頼んでみたんだけど断られてしまった。

 龍神にとって湿度が高いのは快適な環境だということで。

 僕は人間なんだけど(泣)。

 そんなある日、信楽さんが言った。

「新住民が来ましたぁ。

 皆さん歓迎をお願いしますぅ」

 すっかり忘れていた!

 でも信楽さんの隣にいる背の高い女の子って。

「Hello.

 Mr.Daichi!」

 パティちゃんなの?

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