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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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74.「May we sing?」

 夜になって車が迎えに来たので出掛ける。

 比和さんや信楽さんはもっと早く出ているので僕ひとりだ。

 贅沢な。

 (エン)さんと静村さんが笑顔で見送ってくれた(泣)。

 くそっ。

 何とか巻き込めないものか。

 (よこしま)なことを考えているうちに到着した場所は巨大な日本家屋だった。

 白壁が敷地をぐるっと取り巻いていて、門は瓦屋根付き。

 母屋は神社みたいな重厚な邸宅だ。

 やっぱ末長家って大金持ちなんだろうな。

 しかもこれ、本宅じゃなさそう。

 接待用の家というか、むしろ料亭に近いのではないか。

「ダイチ殿」

 黒岩くんが迎えてくれた。

「関わらないんじゃなかったの?」

「さすがにご挨拶までパスするわけにはいかず。

 本日だけでございます」

 それはそうか。

 矢代興業の専務や常務がせっかく来日してくれた有力提携先(ロンズデール)の経営者にご挨拶もしないって有り得ない。

 もっともロンズデールさんたちとは頻繁にテレビ会議で会っているけどね。

 本当に顔見せだけなんだろう。

 仲居(メイド)さんの案内で控え室に送り込まれるとそこは着替え室だった。

「お召し物を替えて頂きます」

 せっかく一張羅(イージーオーダー)着てきたのに!

 浴衣に着替えさせられる。

「入浴されますか?」

「温泉もあるの?」

「ボイラー炊きですが。

 ご会席後にも入れます」

 だったら後でいいや。

 でもこのノリ、完全に温泉旅館の接待なんじゃないのか。

 矢代興業、何考えてるんだよ!

 接待(サービス)でした(泣)。

 宴会場とやらに行ってみたら大広間にずらっとお膳が並んでいた。

 完全に温泉宴会じゃないか!

 既にロンズデール一家はもちろんロンズデール・グループの他の経営者や専門家(プロ)らしい人たちも席についている。

 大人達は全員、既に顔が紅いんですが。

「矢代社長ぅ。

 こっちですぅ」

 可愛い浴衣姿の信楽さんに呼ばれたので席につく。

 何というか主賓席だった。

 しょうがない。

「これって?」

「日本風のおもてなしですぅ。

 何と言ってもぉアメリカ人にはぁコレが一番ですぅ」

 さいですか。

 信楽さんがそう言うのならそうなんだろうな。

「この料理は?」

「系列企業からぁ板さんをぉ回して貰いましたぁ。

 チェーン展開のぉ一環ですぅ」

 清風館か!

 あの調子の良い柊姉妹(宇宙人)の実家だ。

 矢代興業が買収した温泉旅館から人を回して貰ったと。

 何か凄い規模で動いているみたい。

「ゴールデンウィーク中なのに大丈夫なの?」

「矢代興業でぇ人材育成してますしぃ、格で言えばぁこっちの方が上ですぅ。

 お金に糸目は付けないですぅ」

 それかよ。

 矢代興業は未来人が金のタマゴを産み続けていて無尽蔵の資金があるんだよね。

 板さんたちの給料はもちろん材料なんかお金にものを言わせて最高のモノを揃えたんだろう。

 板さんもそれは張り切るわ。

 いや僕はよく知らないけど。

「これもテストですぅ。

 来年度からはぁ宝神にぃ旅館経営やぁ料理関係の専門講座を作る予定ですぅ」

 もう何も言えません(泣)。

 その日の宴会? は大盛況だった。

 無礼講にこそならなかったけど、矢代興業のもてなしはロンズデールご一家はもちろん他の経営者や専門家(プロ)の人たちにも大受けだった。

 世界的に日本食ブームが来ているという話は聞いていたけど、考えてみたらこういう和式の宴会って海外の人にはなかなか味わう機会ってないからね。

 個人旅行じゃ無理だしツアーの団体客向けのは例えコースに組み込まれていたとしてもショボくなりそう。

 でも矢代興業は違う。

 板さんはもちろん、仲居(メイド)さんもプロだからなあ。

 至れり尽くせりのサービスに皆さん骨抜きにされていた。

 僕は最初に挨拶した後は適当にみんなの相手していたんだけど、中盤で信楽さんに頼まれた。

「そろそろぉ、お子さんたちが退屈してきてますぅ。

 お相手をぉお願いしますぅ」

 確かに。

 宴会だからお酒が出てみんな気持ち良く酔っているんだけど、ロンズデール家の子供達はあまり面白くなさそうだ。

 酒は奥様(マダム)に禁止されているらしい。

 小中学生だから当たり前だけど(笑)。

 僕は黒岩くんたちに接待を任せてロンズデール家の所に行った。

 つまらなそうにしている息子さんたちに話しかける。

「Are you bored soon?」

 息子さんたちは僕を見て慌てて正座……は無理なので立ち上がろうとしてコケた。

 うん、ご免。

 足が痺れてるよね。

「Excuse me, Mr.Yashiro.」

「The food is delicious!」

 いや、お世辞はいいから。

「I'm too bored, so let's run away.」

 わざと崩して言ってやると息子さん達は心配そうに両親(ロンズデール夫婦)を見た。

 御大(マックさん)が苦笑して握り拳に親指を立てる。

「To go!」

 よしよし。

 僕たちは目立たないようにそっと移動して大広間を出た。

 襖を閉めて溜息をつく。

 改めてロンズデールの子供たちを見て再び溜息。

 だってでかいんだよ。

 中学生(ジュニアハイ)の息子さんたちは両方とも180越え。

 一番下の妹さんすら僕と同じくらいだ。

 あの細身で小柄な双子の美少女と同じ血を引いているとは思えない。

 でもまあ、3人とも顔は幼いんだけどね。

 僕は15センチくらい上にある息子さんの顔を見上げながら言った。

「Have you already taken a Onsen?」

「Yes.

 I was embarrassed.」

 ああ、全裸が。

 温泉に来たらまずはお風呂なんだけど駄目か。

 ここは旅館じゃないから卓球台とかはないだろうし。

 どうしよう。

 するといつの間にか僕の後ろに控えていた仲居(メイド)さんが僕に耳打ちしてきた。

「矢代社長。

 通信カラオケならありますが」

 おおっ、それだ!

 子供達に向き直る。

「Have you ever done karaoke?」

「Yes,Yes!

 I love Japanese karaoke!」

「Hearing from my sister, I'm jealous!」

 飛びついて来た(笑)。

 それにしてもロンズデール姉妹が自慢してたって?

 あの二人、アニソン歌っていたからなあ。

 僕は仲居(メイド)さんに言った。

「案内をお願い。

 つまみと飲み物も」

「かしこまりました」

 よし。

「Let's go then.」

 そして僕たちは仲居(メイド)さんに案内されて娯楽室(カラオケルーム)に向かうのだった。

 驚いた事に本格的なカラオケルームがあった。

 スナックみたいな作りだ。

 ソファーが壁際に並んでいて一方の壁に大スクリーンと舞台があるという。

 子供達は歓声を上げて部屋に雪崩れ込んだ。

「May we sing?」

「All you want.」

 リモコンを奪い合うロンズデール家の子供達。

 これで何とかなるか。

 するとロンズデール家の末娘がなぜか僕の隣に座った。

「Thank you very much. Yashiro-san.」

 おお、兄ちゃんたちより出来た娘だ。

 僕と同年代の美少女に見えるけど、この娘はまだ小学生(プライマリー)だったはずだよね。

 いや身長が僕と同じくらいあって結構巨乳だったりして。

「Call me Daichi.

 Be enjoyed it because it came to the corner.」

 適当に返したら小学生の美少女が真面目な表情で聞いてきた。

「Mr.Daichi.

 Are you a fiancee?」

 婚約者なんかいるはずないでしょ!

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