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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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53.「それでそのまま?」

 事務局から色々と連絡事項や通達があり、それに対して出席者から質問が出て服部さん達が応える。

 不思議な事に教授たちの質問に対応しているのは、事務局の人たちの中では服部さん達厨二病(NPC)の3人だけだった。

 みんな下っ端なのにどうして?

「事務局の中での職位は低いのですが、彼らは矢代興業の所属ですからね。

 元からの事務局の方達から我々の対応を押しつけられているようです」

 比和さんがこっそり教えてくれた。

 確かにオリエンテーションの時も服部さんたちしかいなかったな。

 でもそれって虐めなのでは。

「いいの?」

「今のところ矢代興業(うえ)からの指示は来てませんね。

 おそらく様子見(査定)しているんだと思いますが」

 怖っ!

 宝神の事務局をリストラするつもりなのかもしれない。

 というよりは間違いなくそうだ。

 そうかそれでか。

 信楽さんが事務次長なのに参加してないってことは、自分がいない間事務局の人たちに好きにやらせて様子を見ようとしているんだろうな。

 大人の世界を垣間見てしまった。

(あの嬢ちゃんはマジで冷……しっかりしてるな。

 まあ経営者というものはそのくらいでないとやってられないのは判るが)

 無聊椰東湖(オッサン)、冷酷と言いかけて訂正したよね。

 僕もそう思う。

 言えないけど(泣)。

 確かに会社を経営するってことは、社員の人たちの人生を預かるわけだからね。

 これは上級公務員や政治家でも一緒だと思うけど、生半可な気持ちじゃ出来ないと思う。

(そうだな。

 サラリーマンは上司の言う通りにしてれば責任はかかってこないが、一番上だったり権力を握ってたりしたらその重みを誰かに押しつけようがない。

 もっとも)

 無聊椰東湖(オッサン)が溜息をついた。

(俺の知る限りだけど、経営者でそんな覚悟がある人って滅多にいなかったけどな。

 サラリーマン経営者ばかりで)

 それはそうかも。

 大企業だったら大抵は雇われだろうし、たまに創業者の一族だったりしても好き勝手出来るわけじゃないみたいだから。

 いや好き勝手やったらどっちみち駄目だけど(笑)。

 そうすると黒岩くんたちや信楽さんって本物の経営者だってことだね。

 矢代興業が発展するわけだ。

「矢代社長。

 何かございませんか」

 いきなり呼びかけられて硬直する。

 でも僕は外見上、動じてないはずだ。

 実は親父に叩き込まれた事がある。

 素直に反応するな、ということで。

 学生時代ならともかく社会に出たら人は皆女優(違)なんだそうだ。

 僕には演技なんか出来ないと反論したら親父は「簡単だ。とりあえず何もするな」と教えてくれた。

 呼びかけられても無視。

 驚くような事があっても無反応。

 そして(おもむろ)に頷く。

 これだけで何事にも動じないという評判を維持出来ると。

 だから僕は少し上を向いてから頷いた。

「特にありません」

 みんなのほっとしたような反応が返ってくる。

 何か言われないかと怖がっていたような?

 ご免、聞いてなかった(泣)。

 まあいいや。

「さすがです。

 ダイチ様」

 隣の比和さんが囁いてくれて、今になって汗が出て来た。

 大丈夫だったよね?

「では各講座からの現状報告に移らせて頂きます」

 司会を押しつけられたらしい服部さんが言った。

 なるほど。

 教授会だもんね。

 つまりここは情報交換の場であると同時にお互いの状況把握および対処検討の場でもあるわけだ。

 各講座は完全に独立しているわけじゃない。

 学生が横断的に所属しているかもしれないし、ある講座の課題が別の講座に被る場合もある。

 そういう事を定期的に話し合う場所なんだろう。

 しかも今日は第一回。

 皆さんさぞかし言いたいことがあると。

 それでか!

 予定表(スケジュール)ではこの教授会だけで午前中いっぱいとってあったんだよ。

 単なる報告会じゃなくて、かなり話がもつれたり議論になったりすることも想定していると見た。

 昼までに終わるかなと心配していると加原くんが立ち上がった。

 元王国技師長で錬金術師、矢代興業技術部フェローにして宝神の准教授だったっけ。

 でも加原くんの講座って教授がいなくて、トップが加原くんなんだよね。

「仮称総合科学講座の加原です。

 所属学生全員にオリエンテーション終了。

 目標管理シート提出待ちですが、概ね大丈夫と見ています」

 加原くんはてきぱきと話した。

 何だ、ちゃんと准教授(マネージャー)出来てるじゃない。

 何せ加原くんは元錬金術師だけあって技術馬鹿というか、管理とかに時間を割きたくなくて部長職を蹴ったくらいだ。

 講座の管理なんか一番嫌がりそうなのに。

「……ということで詳細は専任講師の葉山が説明する。

 任せた」

 そう言って口を噤んでしまう加原くん。

 やっぱし(笑)。

 指名されたらしい人が苦笑いしながら立ち上がる。

 多分、最初の挨拶だけはやってくれと部下の人たちに拝み倒されたんだろうね。

 そうか。

 准教授なのもそれか!

 小声で比和さんに聞いてみたら肯定された。

「加原殿は教授なんかやりたくないと。

 いえ、最初は講座を持つこと自体を拒否されたと聞いています。

 研究だけやっていたいと主張したそうですが、組織的に学生を使うためには講師側に回れと黒岩様に命令されたとのことで」

「やっぱり?」

「それでも教授だと管理職みたいだから嫌だと言って准教授に。

 もっとも誰も加原殿の上司になりたがらなかったためにそのまま講座の主宰になってしまったということでした」

 何とも馬鹿馬鹿しい話だね。

 まあ、別に教授じゃないと講座を主宰出来ないわけじゃないし。

 准教授だって「准」な教授なんだから、やらされることは似たようなものだろう。

「それでそのまま?」

「はい。

 ご本人は誰かに教授を押しつけようと狙っているみたいですが、科学的なことで加原を上回れる者などおりませんので。

 とりあえず今期は専任講師や助教の方々が何とかすると決まったと聞きました」

 さいですか。

 どこの講座も大変だな。

 人の事はどうでもいいけど、心理歴史学講座、何て報告しよう?

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