表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/386

41.「小料理屋でも開くの?」

 しばらく室名さんと話しているとチャイムが鳴った。

 室名(メイド)さんが素早く立ってインターホンを確認する。

「保科です。

 同僚(メイド)です」

 そう言いながら(セキュリティ)を解除する室名さん。

 買い出しに行っていたというお仲間か。

 しばらくしてリビングに入ってきたのは大柄なお姉ちゃんだった。

 少なくとも165センチの僕より背が高い。

 身長の割には細身だけど身体の凹凸が激しい。

 胸なんか比和さんに匹敵するかも。

「いやー疲れた……って矢代社長!

 すみません!」

 いや謝らなくてもいいから(笑)。

「室名!

 矢代社長がいらっしゃるのなら居ると」

「誰かがいるいないに関わらず礼儀(マナー)を守るのは基本でしょう」

 室名さんは涼しい顔で受け流すと保科? さんから大きなビニール袋を受け取った。

「これだけ?」

「いや。

 玄関にまだある」

 そのまま引き返す保科さん。

 ドアから出て行く横顔はメリハリが利いていて結構な美貌だった。

 室名さんが可愛い感じの日本の昔のアイドルだとしたら、保科さんの方は韓流だね。

 スタイルが良くてきびきび動くタイプの。

 室名さんも出て行ったかと思ったら二人でビニール袋を持って戻って来た。

「凄い量だね」

 感心して言ったら保科さんが溜息をついた。

「自転車の籠に収まらなくて。

 ハンドルや荷台に縛り付けて運んできました。

 我ながら買いすぎた」

「でもこのくらいは必要よ。

 このお屋敷には矢代社長を含めて5人も住んでいるんだから」

 室名さんの方は淡々と作業を続ける。

 いったんキッチンに運んで食材を分類しているようだ。

 ちょっと気になって見てみたら大量の肉や野菜、お魚なんかもあった。

 後は調味料やお味噌汁の材料とか。

 お漬け物もある。

「小料理屋でも開くの?」

「近いかもしれません。

 とにかく何でも対応出来るようにしたかったので。

 それに食材の購入費は経費無制限で認められています。

 何といっても比和部長が住んでいるんですから」

「もちろん領収書と明細はチェックされるんですけれどね」

 保科さんが手伝いながら言う。

「安物は買わなかったけど特別高価な食材もないはずだよ。

 その辺りは気をつけた」

「うん。

 いいみたい。

 比和部長、そういう所は細かいから」

 なるほど。

 つまりこの学生(メイド)さんたちにとってはこれも実地試験みたいなものなのか。

 比和さんが教授なんだよ。

 さぞかし辛い採点で望むに違いない。

 あの人、僕や高巣さん(王女様)以外には結構厳しいからね。

 ま、ガンバレ。

 僕が見ていると二人のメイドは食材の山を前に悩み始めた。

「どうしたの?」

「それが……比和部長の命令(オーダー)では矢代社長以下の方々の気に入られる料理を作れ、という曖昧なもので」

「どうみても無茶振りですよね?

 比和部長、帝国には厳しいんだ!」

「そんなことはないと思うけど……確かに決めようがないわよね」

 それから二人は顔を見合わせて言った。

「「矢代社長!

 何が食べたいですか?」」

 そうきたか。

(だな。

 この屋敷で一番偉い矢代大地(ガキ)の好みに合わせてしまえばいい)

 姑息だなあ。

 まあしょうがないか。

 でも僕、あまり積極的に食べたいと思う料理ってないんだよね。

 むしろ食べさせたい。

 その同伴でなら美味しく食べられる気がする。

「それ、室名さんたちが料理しないと駄目なの?」

 聞いてみたらあっさり否定された。

「違います。

 私たち(メイド)にもそれぞれ得意技がありますから、例えばご主人様から何々を食べたい、というリクエストがあればそれが得意な同僚を呼んだりするのも許されています」

「許されてるんじゃなくてむしろ勧められてます。

 メイドって個人技じゃなくて組織的なサービス集団ですからね。

 何でも自分でやろうとしたら雑役女中(オールワークス)しか出来ませんから」

 なるほど。

 よし判った。

「じゃあ注文するけど。

 僕は天ぷらうどんが食べたい」

 きょとんとするメイドさんたち。

「……あの、それって緑の○ぬき的な?」

「違うよ。

 お客さんが満足するような本格的な奴。

 うどん県の観光客向けうどん屋で出るみたいな」

 もう一度顔を見合わせて小声で相談を始めるメイドさんたち。

『どうする?

 ていうか天ぷらとかうどんとか得意な人っていた?』

『思いつかない。

 そもそもそれってメイドの料理じゃないし』

『出前でも取る?』

『それだけで講座から除籍になるわよ!』

 うーん。

 悪いことしたかな。

 これ以上虐めるのは可哀想か。

 僕は二人に声をかけた。

「えーと。

 たまたま僕は天ぷらとうどんの作り方を知ってるんだけどね。

 僕の指導で作ってみない?」

 反応は劇的だった。

「「お願いします!!」」

 よしよし。

 さっきちらっと見たけど天ぷら油とか薄力粉まで揃っていたりして。

 つゆなんかはなかったけどスーパーには売ってるはずだし、万一なくても自作したり代用したり出来る。

 一応、僕も秘伝みたいなものは知っているからね。

 前に家で作った時に色々勉強して試したから。

 うどんの方はなぜか戸棚に乾麺が山のように積んであるのが見えた。

 万一の時はこの屋敷に立て籠もるための非常食?

 まあいいや。

「それじゃあ、これから言う材料を調べて。

 なかったら悪いけどスーパーで買ってきて貰えるかな」

「はい!」

「すぐやります!」

 見違えるような機敏な動きで反応するメイドさんたち。

 やっぱ今までは省電力モードだった?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ