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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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39.「噂はホントだったんだ!」

 ロンズデール姉妹と雑談しているうちに判ってきたことがある。

 彼女たちはロンズデール財閥? とはあまり深く関係しないつもりらしい。

 もちろん家族なのでそれなりの影響力を持つんだけど、ロンズデール・グループ内に立場を作るつもりはないそうだ。

「ワタシたちは矢代興業の社員、だから」

「いずれは独立するけど配下企業、にするつもり」

 何なのそれ?

「独立するって宇宙人で?」

「そう。

 矢代コンツェルンのネットワーク担当企業、グループになる」

 ちょっと待って。

 その「矢代コンツェルン」て?

「矢代興業とは関係ないよね?」

 聞いてみたら否定された。

「関係、はあるよ?

 もっとも矢代興業自体、もう単独企業、とは言い難い」

「まだ人材が揃ってないから分社化、してない。

 でも数年、の内に世界に広がる」

 何なのよそれ!

 僕、全然聞いてないんですけど?

「まぁダイチが気にすることはない」

「そう。

 すぐに何かが起きるわけじゃない」

 お気楽なロンズデール姉妹が言ってくれたけど安心出来ない。

 そもそも矢代興業自体が僕の知らないうちに設立されていたみたいなもんだからなあ。

 黒岩くんたちに王国の拠点が欲しいとか相談されて提案しただけなんだよ。

 僕には何の意見もなかった。

 全部親が(泣)。

「ダイチは気にしなくていい」

「全部、あのシガラキがやるから」

 そうなんでしょうね。

 まあいいけど。

 すっかり沈んでしまった僕に構わずロンズデール姉妹はお茶や珈琲を飲みまくり、最後には腹が減ったと言って僕にランチを作らせて食った。

 精神的なダメージであまり複雑なものは作れそうにもなかったので冷蔵庫に入っていた材料で適当にチャーハンを作ったら絶賛された。

「美味しいよダイチ!」

「噂、はホントだったんだ!」

 どんな噂なのやら。

 聞く気力もなかったのでぼやっとしていたら姉妹は「Bye!」とか言って帰っていった。

 もう昼過ぎか。

 ちょっと、朝から立て続けに厨二病患者の相手をし過ぎてダウン寸前だ。

 こんな状態では何も出来ない。

 僕はロンズデール姉妹が食い残したチャーハンに加えて冷凍庫にあった唐揚げをチンして食べた。

 お皿なんかをざっと洗ってから自室に引き上げてベッドに倒れ込む。

 誰が選んだのか知らないけど僕の部屋のカーテンは遮光性に優れていて、きっちり閉めると昼間だというのにほぼ真っ暗になる。

 おかげですぐに寝てしまって目が覚めたらもう夕方だった。

 スマホで時間を確認してからカーテンを開けてベランダに出る。

 空が綺麗だ。

 日本の都会の空気は外国から観ると異常なくらい澄んでいるらしい。

 でも人工の灯りが凄くて星なんかほとんど見えない。

 だけどここは埼玉だからね。

 それもど田舎。

 ひょっとしたら天の川とかも見えるかも。

(確かに都会とは言い難いけど住宅地ではあるからな。

 無理なんじゃないか?)

 僕の厨二病の原因がいつものようにピントの外れたコメントをしてくる。

 どうでもいいでしょ!

 一眠りしてせっかく気持ちが晴れかけたのに思い出してしまった。

 部屋に戻って見回す。

 頑張っただけあって一応は片付いているんだけど。

 実家から持ってきたゲーム機やソフト、アニメDVDやラノベなんかはまだ箱の中に入ったままだ。

 そもそもこの部屋にはテレビがない。

 いや違う。

 タブレットがあるじゃないか!

 早速鞄から取り出してベッドの上で起動してみたらバッテリー切れの警告ランプが点滅していた。

 忘れてたーっ!

 充電器のコードをコンセントに繋ぎ、机の上に設置してタブレットを載せる。

 ついでにスマホの充電もしておく。

 僕のスマホは最新型というか、矢代興業が役員用に用意したものでバッテリー容量が異様に大きいんだよ。

 使いっぱなしでもなかなかバッテリー切れにならないくらいで。

 でもタブレットは大電力を使うんだろうな。

 危ない危ない。

 これがないと大学に行けないどころか下手するとこの屋敷からも閉め出されてしまう。

 さて。

 本当にやることがなくなってしまった。

 普通の大学生なら親元離れて下宿したら開放感でハイになるらしいけど、あいにく僕は一人で過ごすのが平気どころかむしろ落ち着いたりして。

 自宅にいても一人暮らしみたいなものだった。

 たまに下宿(・・)している親が帰ってきて飯を食っていったりするだけで。

 ホント、よくグレなかったものだ。

 誰も居ない家で過ごすのは慣れているどころかむしろ常態なんだから別に寂しくはないんだけど。

 でもよく考えたら今は同居人がいるんだよ。

 全員が未成年の女子で美少女。

 まあ(エン)さんみたいなのもいるけど。

 そんな昔の萌えアニメ的環境で僕は……残念ながら普通に過ごす自信がある(泣)。

 まあいいや。

 もう夕方というよりは夜に近いし、どうせみんなは遅くなるだろうから夕食でも作っておくか。

 そう思ってリビングに入るとソファーでタブレット片手に何かやっていたメイドさんが立ち上がった。

「矢代社長!

 もうよろしいのでしょうか」

 見覚えがないから帝国側の人かな。

 装飾無し(シンプル)でロングスカートのメイド服はあまり似合っていない。

 本人は小柄でふわふわの茶髪、可愛いかんじの美少女だ。

 むしろ秋葉原の路上でビラ配っている方が相応しいような。

「えーと。

 ここで何を?」

「あ、はい!

 矢代ホームサービスの室名(むろな)です!

 本日の夜間シフトを担当させて頂きます!」

 何それ。

 この屋敷ってメイドさんが常駐するの?

 僕はフラフラとソファーに座り込んだ。

「矢代社長?」

「ご免。

 ちょっと寝起きで頭が」

「失礼しました!

 珈琲はいかがでしょうか」

「欲しい」

「すぐに!」

 パタパタと動くメイドさん。

 完全に昔の萌えアニメだよ!

 いや現実(リアル)を否定しても始まらない。

 ここは落ち着こう。

 深呼吸した所に珈琲が届いたので啜る。

 うん、僕が煎れたのより美味しい。

 こんなに美味い珈琲がいつでも出てくるとしたら自分でコーヒーメーカー買う必要ってないよね。

 じゃなくて!

「あー、えーと室名さん?」

「はい!」

 室名(メイド)さんは座っている僕のそばに直立していた。

 待機状態?

「よく知らないんだけど室名さんは派遣メイドなの?」

「そうとも言えます。

 でも今はローテーションを組んで契約したお宅にお伺いする業務形態(お仕事)です」

 そういえば比和さんが何か言ってたっけ。

 いや浦河さんだったか。

 矢代メイドサービス、じゃなくてホームサービスとやらから派遣メイドが来ると。

「それって毎日?」

 聞いてみたら当分の間はそうだということだった。

 室名さんは思った通り前世が帝国側のメイドというかそういう職業の人で、宝神では比和さんの講座に所属しているという。

 矢代興業での職位は主任だけど宝神での身分は学生。

 つまり比和さんの部下だ。

「来年からは助教だと言われてます。

 今は現場の仕事をこなしつつ教本(マニュアル)を作っているような状態で」

「ああ、来年からは厨……帝国や王国出身じゃない人が入ってくるからか」

「はい。

 ですのでこの派遣メイドサービス(お仕事)もテストというか試行錯誤で。

 ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします!」

 丁寧に頭を下げるメイドさん。

 室名さん、そうやってるとどう見ても秋葉原の客寄せメイドにしか見えないんですけど?

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