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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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362.「それでその別荘とやらはどこにあるの?」

 一応、相沢さんの希望は聞いてみた。

 「すべて矢代さんにお任せします」だって。

 さいですか。

 僕に任せられても五里霧中なので信楽さんに丸投げする。

 信楽さんは唸りながら案を出してくれた。

「プライベートビーチで遊ぶ?」

「はいですぅ。

 極力、人の目に触れないようにですぅ」

「まだ6月でしょ。

 早いのでは」

 海水浴の季節じゃないし。

「南の方なら大丈夫ですぅ。

 矢代興業のぉ保養所がありますぅ」

 経営不振で不渡りを出したリゾート会社を丸ごと買収したそうだ。

 日本各地にホテルとか色々持っていて、その大部分はそのまま営業を続けているんだけど、高級過ぎて借り手がつかない物件もあるらしい。

 元は所有者(オーナー)の別荘だったとか。

「それを保養所にすると?」

「正確に言えばぁ接待用の施設ですぅ。

 当然、矢代興業の幹部も使えますぅ」

 どこまで行くんだろう。

 まあいいや。

 相沢さんに聞いてみたら「ステキです! ずっと海水浴に行ってみたかったんです!」と感激してくれた。

 何でも小学校の校外学習だか臨海学校だかで行ったきりらしい。

 それも低学年の頃でほとんど覚えてないとか。

「高学年の時は?」

「よく覚えてないんですが行くたびに誘拐されかけたらしくて。

 親が自主的に欠席にしてました」

 当時から超絶美幼女だったらしい。

 何て不憫な聖女様なんだ(泣)。

「それじゃそういうことでよろしく」

「はいですぅ」

 信楽さんに丸投げする。

 だって僕、その別荘だか何だかの場所も知らないし。

 この季節に泳げるというんだから伊豆半島辺り?

 まあいいや。

 というわけで実行(笑)の日。

 午前5時にスマホのモーニングコールで起こされた僕は朝食抜きで矢代家(うち)を追い出された。

 もちろん相沢さんと一緒に。

 同じ家に住んでいるからこういうのは便利だ。

 迎えに来たのはやっぱりリムジンだった。

 なぜか矢代家(うち)の残りのメンバーが総出で見送ってくれた。

「どこに行くの?」

「碧さんがぁ教えてくれますぅ」

 出がけに眠そうな信楽さんに聞いたらそっけなく言われた。

 冷たい。

 リムジンが発進する。

 後部座席に並んで座ると相沢さんが心配そうに言った。

「あの。

 私、何の用意もしてないんですが」

「安心して。

 僕も何もしてないから」

 それどころか着の身着のままだったりして。

 一応、部屋着(ジャージ)じゃなくて外出着だけど財布すら持ってない。

 スマホはあるけど。

「碧さん」

 スマホを取りだして聞いてみた。

 運転手さんに聞いても教えてくれなさそうだし。

『はいはーい!

 大地さんの忠実なる秘書の碧でーす!』

 そろそろウザくなってきたな。

『ウザさもアクセントです!』

 相変わらず心を読んでくる碧さんに構わず聞いてみる。

「これからどこに行くの?

 南の方の別荘じゃなかった?」

 車はむしろ北の方に向かっているような。

『飛行場です』

「え?

 飛行機に乗るの?

 じゃなくてこの辺に飛行場なんかあったっけ?」

『小型機専用の民間飛行場です。

 第三セクターが運営に行き詰まっていたのを矢代運輸が買い取りました』

 またかよ!

 矢代運輸って何だよ。

 いやいいんだ。

 いつものことだ。

 でも小型機か。

 セスナかな。

 考えてみたらこの時期に海水浴出来るようなビーチに行くんだったらやっぱり飛行機しかないかも。

「それでその別荘とやらはどこにあるの?」

 ここからだと距離的に八丈島辺りか。

『沖縄です。

 正確に言うと慶良間諸島ですけど』

 碧さんはあっさり言った。

 ちょっと待って!

「今から沖縄に行くの?

 時間がかかりすぎるんじゃ」

『そんなことはないですよ。

 ビジネスジェットならすぐです』

 そういう問題かよ!

 ていうか埼玉からデートに行くのに場所が沖縄?

 日帰りできるのか。

 相沢さんが赤面していた。

 まさかお泊まり?

『違います。

 夕食の後、戻ってくる予定です』

 良かった(泣)。

 それから碧さんは今日の予定を説明してくれた。

 これから何とかいう民間飛行場に行って矢代興業の交易事業会社である矢代運輸が導入したビジネスジェットに乗るそうだ。

 機種も教えて貰ったけどそんなの知らないよね。

 飛行時間は2時間程度の予定。

 朝食は機内で弁当になる。

 ビジネスジェットはその別荘とやらがある島の飛行場に直接降りるのでパパラッチとかの心配はないらしい。

『護衛部隊が先行していますから大丈夫です』

「いや別に心配してないから。

 それで別荘に行ってからの予定は?」

『自由です。

 メイドさんはいないので昼食と夕食は相沢さんにお願いします。

 食材は用意してありますので』

 事務的に伝達事項を述べる碧さん。

 マジで秘書になってきているな。

「はい!

 頑張ります」

 嬉しそうな相沢さん。

 リムジンの客席が聖なる祝福で満たされる、ような気がする。

 空気中に細かい光の粒が漂っているような感じ。

 神秘体験だ。

 密閉した場所だと効果が顕著なんだよね。

 僕はもう慣れたけど服部さんたち(前世NPC)とか「リィン」のみんなだと失神でもしそうだな。

 まあ日帰り出来るみたいで助かった。

 それでもプライベートビーチ付きの別荘で相沢さんと二人きりにされるのか。

 信楽さん、何考えてるんだろう。

 僕が相沢さんに手を出すとでも?

「お昼は何にしようかな。

 楽しみです」

 僕の隣では相沢さんがウキウキしていた。

 そういえば相沢さんって聖女なのに家事が得意なんだよね。

 色っぽい話にはなりそうにもないな(笑)。

 まあいいや。

『夕食後に迎えが来ますので。

 それまではご自由にお過ごし下さい』

「判った。

 ありがとう」

 思わず言ってしまうと碧さんが弾んだ口調で言った。

『ちなみに私はいつでも大地さんのお側にいますからね?

 何か御用がありましたら遠慮なくお申し付け下さい!』

 秘書同伴のデートかよ!

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