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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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339.「私ぃは付属品ということですぅ」

 そうと決まれば話は速い。

 僕は早速信楽さんにお願いして末長さんの理事長代行への就任手続きを進めて貰うことにした。

 といっても辞令一本で済むそうだ。

 信楽さんが事務局長なので簡単。

「僕、挨拶に行った方がいいよね」

「はいですぅ。

 あまり畏まらなくてもいいですぅ。

 内輪の事なのでぇ」

 末長さんの昇進? は一応校内報には載るけど誰も気にしないだろうとのこと。

「代行と言っても事実上は理事長なんでしょ?

 この部屋も明け渡した方がいいかなあ」

「それはぁ末長学長に聞いて欲しいですぅ。

 もしそうするのならぁ矢代先輩の部屋をすぐ用意しますぅ」

 それはありがたい。

 一応信楽さんの方から末長さんに承諾を得るので、僕の挨拶はそれからになる。

 この話はここまで。

「他に何かあったっけ」

「加原研究室からぁ予算申請が来てますぅ。

 新しい専用スパコンとぉサーバの購入・運用費ですぅ」

 承諾しておきましたぁ、と信楽さん。

 加原くんも動きが速いな。

 それにしてもあっさり通ったか。

 まあ判ってはいたけど。

「もちろん信楽さんは何のためか知ってるよね」

「はいですぅ。

 矢代碧(やしろみどり)さんの弟さんですぅ」

 そう来たか(笑)。

 ていうか弟なの?

 するとポケットの中のスマホが鳴った。

 やれやれ。

 取り出すと液晶画面に映った美少女がなぜか膨れていた。

『信楽事務局長、それは私から言おうと思っていたのに!』

 AIなのに怒るの?

「どうでもいいですぅ。

 加原教授が教えてくれたですぅ」

『私の弟の事なのに!』

 拘るなあ。

 ていうかガイドシステムの言う事じゃないような。

 いやちょっと待って。

 碧さん、信楽さんと普通に会話してない?

「信楽さんのシミュレーションもあるの?」

『ありませんよ?

 【大地さんと一緒にいる信楽事務局長との会話】をシミュレートしているだけです』

 平然と応える碧さん。

 何か益々性能が上がってない?

「それが矢代碧さんですかぁ。

 ちょっと見せて欲しいですぅ」

 信楽さんが割り込んできた。

『あ、信楽事務局長にスマホを渡さないで下さい!

 大地さんと一緒にカメラに写るようにして』

 碧さんの指示で僕は信楽さんと並んで自撮り的なポーズをとった。

 面倒くさいなあ。

「これでいい?」

『はい。

 すみません。

 大地さん以外の人と単独で相対すると予測(シミュレート)が狂うので』

「なるほどです。

 そうやってぇフレーム問題をぉ回避してるのですかぁ」

 信楽さんが興味深そうに言った。

 凄い。

 信楽さん、既に碧さんのシステムを理解しているみたい。

 ええと、碧さんのシステムってAIじゃないけどそれに近い会話が出来るように設計されているんだよね。

 でも今信楽さんが言ったフレーム問題とかがあって今の技術では無理らしい。

 選択肢が無限に広がってしまって収拾がつかなくなるから。

 だったらということでサーバ内に矢代大地()のシミュレーションを構築して、碧さんはまずシステムの中の(シミュレーション)と会話する。

 もちろん僕の反応を完全に予測できるわけじゃないので、蓄積したデータから出来るだけ僕がやりそうな反応をいくつも演算(シミュレート)して、それぞれに対する碧さんの反応を作っておく。

 現実の僕が何か言ったらそれに該当する返事を選択するだけ。

 どうも会話だけじゃなくてカメラに写った僕の表情や動作なんかも計算に入っているみたい。

 凄すぎる技術だけど、システム的には大したもんじゃないと加原くんから聞いている。

 問題はそのシミュレーションを実行するために異常な程高い演算能力が必要ということで、加原研究室では最高級のハイスペックサーバを碧さん専用にしてぶん回しているらしい。

 よく判らないけど。

 ちなみに画面上の碧さんのリアルタイム動画はスパコンで作っているそうだ。

 盛大な無駄使いという気がする(泣)。

『さすがですね。

 加原が信楽事務局長を研究員としてスカウトしたいと言ってます』

「私ぃは研究者向きではないですぅ。

 言葉だけ受け取っておきますぅ」

『伝えます』

 双方納得したみたい。

「ええと今のって信楽さんと会話してなかった?」

 聞いてみた。

『ですから【大地さんと一緒にいる信楽事務局長】と会話しただけです。

 メインは大地さんなので』

 そんなことが出来るのか!

 だから僕と信楽さんをカメラで写せと。

「多分、私ぃの情報(データ)もぉシミュレーションに入っているのだと思いますぅ」

 信楽さんがのほほんと言った。

「今の私ぃは『矢代先輩と一緒にいる信楽事務局長』ですぅ。

 そうすることでぇ矢代先輩のシミュレーションの一部と見なせますぅ」

 そんな難しい事を言われてもね。

「よく判らないんだけど」

「私ぃは付属品ということですぅ」

『簡単に説明するとですね。

 【大地さんと一緒にいる信楽事務局長】と【信楽事務局長】とでは反応が違うわけです。

 信楽事務局長単独のシミュレーションが完成していないので反応がいい加減になります』

 さいですか。

 よく判らないけどこれ以上説明して貰っても無駄だと思うのでもういいです。

 でも信楽さんは理解してるみたいだ。

 やっは異能(チート)だよね?

 ていうか気になる事を。

「碧さん、信楽さんの情報(データ)も集めてるの?」

 聞いてみたら碧さんはあっさり応えた。

『将来的には矢代興業幹部の皆さんそれぞれに専用の秘書(AI)を用意する予定なので。

 相沢さんの情報(データ)も収集してますよ。

 こちらは矢代教授の要望なので超特急で進めています』

 そうなのか。

 いや僕がお願いしたんだけど。

 それにしても対応が早いな。

 もうサーバやスパコンも発注したみたいだし。

 いやもっと重要な事を言ったよね碧さん。

「みんな用の秘書(AI)も作るって?」

『まだ将来計画ですが』

「それはいいんだけど情報(データ)ってどうやって集めてるの?

 僕もそうだけどインタビューとかされた覚えもないし」

 碧さんはいきなり出てきたからなあ。

 初めて会話した時点で碧さんはほぼ完成形だった。

 かなり前から情報収集していたんだろう。

 でも僕、まったくそんな覚えがないんだけど。

『それは秘密です、と言いたい所ですが大地さんには何も隠すなと言われています。

 実はですね。

 宝神内部の監視カメラと持っているタブレットやスマホから随時情報収集を』

 ストーカー、いやもうそれって犯罪だよね?

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