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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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317.「私、コスプレさせられるんでしょうか」

 相沢さんも初耳だったみたいで唖然としていた。

 だってデビューだよ?

 やっぱアイドル?

「そこら辺はぁよく知らないですぅ。

 シャーロット先輩がぁ決めますぅ。

 ひょっとしたらぁコスプレイヤーかもしれないですぅ」

 酷い。

 相沢さん、大学の専門講師になれたと思って喜んでいたらコスプレイヤーにされるのかよ!

 ていうかそれって趣味なのでは?

「コスプレイヤーってプロがいるの?」

「いますね。

 職業かどうかは判りませんが、それで生計を立てていればプロです。

 売れっ子になれば結構稼ぐみたいですよ」

 (エン)さんがいけしゃあしゃあと言った。

 空気読まない代表だよ。

 でもそういえばネットで見たことがある。

 コミケの人気コスプレイヤーさんは周りを何百人ものヲタクじゃなくてカメラマンに囲まれるそうだ。

 それ自体がお金になるのかどうかは判らないけど、そのくらい人気があったらどうにでもなりそう。

 ああ、確かに。

 相沢さんの場合、すっぴんで普段着でも聖女だもんね。

 ちょっと衣装を纏ったらもうコスプレじゃなくて本物になってしまいそうだ。

「私、コスプレさせられるんでしょうか」

 まだ唖然が続いている相沢さんが虚ろな表情で言った。

「無理にというわけじゃないとは思うけど。

 ていうか本人が嫌がったら強制は出来ないんじゃない?」

 引きこもりだったんだし。

「いえ。

 よく考えたら有りという気がしてきました。

 コスプレイヤーになれば普段からコスプレしていても言い訳が出来ますよね?」

 相沢さん、とんでもない方向に前向きだった!

「いいの?

 人づきあいが苦手とか人見知りとかじゃないの?」

 引きこもりなら定番だと思うけど。

「別にそういうことはないです。

 ただ私の場合、誰かとお話ししようとしても相手が固まってしまったり逃げられるので」

 何という哀れな聖女様なんだ(泣)。

 普通なら絶対グレてるよね。

 でもそんな人生なのに明るくて性格がいいなんて、もういい人というよりはただの天然なのかも。

「確かにコスプレイヤーとして世間に認知されてしまえば『個性』として押し通せるかもしれぬな。

 相沢には合っているかもしれん」

 静村さん、じゃなくてこの口調は静姫様が無責任に言い放つ。

 これは駄目だ。

 何とか話題を逸らさないと。

「コスプレの話はもういいや。

 シャルさん次第なんだし。

 いずれにしても相沢さんは矢代興業がバックについているから安心してよ。

 悪いことにはならないと思うから」

 そう言ってあげると相沢さんは輝く笑顔を見せてくれた。

「ありがとうございます!」

「矢代教授のぉ言う通りですぅ。

 相沢先輩は既にぃ大船に乗っていますぅ。

 超弩級戦艦ですぅ。

 だからぁ、くれぐれも暴走しないようにお願いしますぅ」

 信楽さんの念押しが入った。

 つまりはそういうことね。

 だって相沢さんってCG聖女様の前に神様(依代)なんだよ。

 しかも女神降臨しかけた過去がある。

 静姫様だけでも現実が揺らいでいるのにもうこれ以上変な事になって欲しくはないのは当たり前だ。

 それによく考えたら相沢さん、無敵なんだよね。

 神様に対抗出来る存在がいるとも思えないし。

(いや。

 いるぞ)

 無聊椰東湖(オッサン)が不気味に呟いた。

(忘れたのか。

 お嬢ちゃんが静姫に保護されたが結局殺されたと言っただろう。

 つまり静姫の庇護の元にありながらお嬢ちゃんを抹殺出来る存在がいることになる)

 確かに。

 つまり。

(他の神様なら可能だ)

 そうなんだよなあ。

 まあ、幸いにして確認出来ている神様は4()とも矢代興業(こっち)側だけど。

 でも静姫様たちが存在しているってことは他の神様もいるわけだからね。

 そういえば前に静姫様が言っていたっけ。

 世間には大量のソレっぽいのがいるそうだ。

 上手くいっている企業とか個人には何かが憑いている可能性が高いと。

 実際、矢代興業には神様を初めとして魔王(ぬらりひょん)とか妖精(フェアリー)とか精神生命体(ヴァイトン)とかいろいろ憑いているし(泣)。

「皆さん、お飲み物のお代わりはいかがですか?」

 空気を読む代表である比和(メイド)さんの呼びかけに信楽さんが言った。

「今日はぁこの辺にしたいと思いますぅ。

 相沢先輩がぁお疲れですぅ」

「いえ私は」

「お部屋のお片付けもあると思いますぅ。

 今日はぁ早めに休んだ方がいいですぅ」

 信楽さんに言われて気がついた。

 確かに。

 だって相沢さん、いきなり宝神で講師に就任してカラオケやらされて初めての家に連れてこられて歓迎会の後の質疑応答だよ?

 しかも今日寝る部屋はまだ引っ越しが完了してない。

 今からだと全部片付けるのは無理で、ベッドを整えるのが精一杯かも。

「そう、ですね」

「あの、差し出がましいとは思いましたがベッドは作っておきましたので。

 お荷物はそのままにしてありますが」

 万能の比和(メイド)さんが謝るように言った。

 さすが。

「ありがとうございます!」

「後はお風呂ですが、お湯を張ってありますから是非」

 そこまでするのか。

 本物のメイド(プロ)は違うよね。

(まったくだ。

 経営者なんざやらしとくのは惜しいな)

 そういえば無聊椰東湖(オッサン)って最初の頃から比和さん贔屓だったっけ。

 メイドに手を出しちゃ駄目だよ中年。

(誰が!

 ていうか出したら矢代大地(ガキ)がやったことになるからな)

 それは大変だ(笑)。

 うーん。

 僕自身には勇気がないけど無聊椰東湖(オッサン)にやらせて……じゃなくて!

 絶対止めてよね?

(誰がやるか!)

 僕と無聊椰東湖(オッサン)が脳内闘争を繰り広げている間に懇親会? は解散になった。

 比和さんとパティちゃんが中断されていたキッチンの片付けに入り、静姫様はいつの間にか消えている。

 (エン)さんは相沢さんと一緒にリビングを出て行った。

 お風呂の使い方なんかをレクチャーするんだろうな。

 世話焼きの魔王(ぬらりひょん)様だ。

 さて。

 ソファーに残っているのは僕と信楽さんだけだ。

 僕も引っ込んで良い?

「矢代理事長ぅ。

 明日の理事会の件ですがぁ。

 やって欲しいことがありますぅ」

 やっぱし(泣)。

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