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僕の学校は厨二病 ~厨二病でも平穏に学生生活を送りたい。が無理のようです~  作者: 笛伊豆
第一章 大学生?

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28.「趣味ということで」

 どこから持ってきたのか、別荘地のカフェ辺りにありそうな白い円形テーブルの周りに座っている3人にちょっと詰めて貰う。

 あと2脚の椅子を持ってきた所に静村さんが戻って来た。

「ダイチさん!

 お待ちかねのたこ焼きです!」

 天然丸出しの神様も座らせる。

「黒岩くんたちは静村さんと会った事あるよね」

「そうですな。

 空港で一応、ご挨拶を」

 やっぱりか。

 静村さんは矢代興業メイド部隊の夏合宿というか研修旅行先で知り合ったんだけど、黒岩くんたちは参加してなかったんだよ。

 信楽さんの推薦があって高校在学中に矢代興業の正社員として採用されたんだけど、多分一度も矢代興業には行ってないと思う。

 春の旅行の時も家から直接空港に来てそのまま旅立ったはずだし。

 黒岩くんたちとはほぼ初対面みたいなものか。

「ええと矢代興業の黒岩専務に八里常務、そして神籬総務担当役員です。

 こちらが静村さん」

 僕がお互いを紹介すると矢代興業の幹部3人が頭を下げた。

「改めてご挨拶申し上げます。

 静村殿」

「よろしくお願い致します」

「何かご不自由がありましたら直接おっしゃって頂きたく」

「そんな!

 こっちこそ色々ご迷惑をお掛けして」

 黒岩くんたち、物凄く低姿勢だね?

 静村さんの方も頭を下げまくっているけど。

「静村殿は信楽殿のご推薦された方ですからな」

「それだけで十分です」

「至らない事もあるかと思いますが、何とぞご容赦を」

 みんな静村さんの事を祟り神か何かと間違えてない?

 それから僕が色々説明して、やっと静村さんの事を判って貰った。

 少し天然だけど穏やかで性格がいい普通の神様だと。

 心配することないって。

「『普通の神様』という概念が少々難解でございますが、ダイチ殿がそう言われるのなら」

 やっと納得してくれたようだ。

 みんなで少し冷めかけたたこ焼きを食べながら話す。

「で、何相談していたの?」

「実はですな。

 大学の単位のことでして」

 黒岩くんが渋々口を開いてくれた。

「大学って東大だよね?」

 ていうかこの3人は全員東大1年生だ。

「はい。

 宝神でも同じとは思いますが取得単位の選定を迫られておりまして」

 いや宝神(うち)と東大では全然違うと思うけど。

「何か問題が?」

「いえ。

 問題というよりは悩みでしょうか。

 初年度ですのでまだ専門分野の講義はそれほどないのですが」

 黒岩くんたちが語ってくれた所によれば、どうやらこの3人は最大限お互いを利用して効率的にサボろうと考えていたそうだ。

 どういうことかというと、まず出席を取って欠席数が一定限度を越えると無条件で不合格になる科目は除外(パス)する。

 次に3人が共通して受講出来る講義を選ぶ。

「それって」

「はい。

 我々は矢代興業の経営に集中したいわけでして。

 そのためには座って話を聞くだけの講義などは無駄の主たるもの。

 大学で浪費する時間と気力体力をなるべく抑えたいと」

 つまりこの人たちはいかにして講義に出席せずに単位を取ろうか苦慮していたわけか。

 格好良く言ってるけどつまり合法的に講義をさぼる相談だよね?

「効率を追求すると言って頂きたい」

「共通の単位があれば、誰か一人が出席して代返するなりノートを借りるなりすれば拘束時間は3分の1で済むわけでございます」

「その分、矢代興業の経営に力を注げるというわけでして」

「ですが学群(コース)が違うために共通の単位があまり多くないことが判明致しまして」

「悩んでいる次第です」

 いいのかそれで。

 日本最高の大学に折角受かったのに。

「そうは言われましても」

「正直、大学で学べることにはあまり期待していないので。

 組織力学的な技能は誰かに教えて貰えるようなものでは」

「私は期待しています。

 いえ知識ではなく、将来的に役立つそうな方々と知古を得ることが出来ると」

 言い訳されたけど何だかなあ。

 つまりこの3人はせっかく最高学府に進学していながら大学自体にはほとんど期待してないらしい。

 だったらなぜ東大行ったの?

 そう聞いてみたら大真面目に返された。

「趣味です」

「趣味ですな」

「趣味ということで」

 さいですか(泣)。

「天文学専攻がある大学は日本にそういくつもない故」

「軍事関係、特に旧日本帝国軍の関係資料が充実していると聞いています。

 ネットどころか国会図書館にすらない原書が数多くあると」

「日本最高学府学生の肩書きは結構使えますもので」

 誰一人としてまともな動機がない。

 まあそれはそうかもね。

 だってこの3人は既に会社の経営者だ。

 生涯かけて仕える主君もいる。

 今さら大学行ったってあまりメリットないんだよなあ。

 だったら趣味に走るしかないか。

「黒岩くんはやっぱり天文学?」

「むしろ占星術でごさいますな。

 幸いにしてこちらにはネットとコンピュータがございますもので、前世より精度が高い方程式を導けるやもしれません。

 これは私の生涯を賭けた目標(道楽)でございます」

 楽しそうだ。

 うーん。

 現代の天文学と占星術ってあまり共通点ないと思うけど。

 まあ黒岩くんの事だから何かあるんだろう。

 それに趣味だと言っているし。

 好きなだけかも。

「八里くんは?」

「帝国では(アキラ)の副官というよりは参謀でしたので。

 あれは奥が深い仕事です」

 不敵に笑う八里くん。

 詳しくは聞くまい。

 ていうか知りたくない。

「神籬さんは高校時代から歴史研究部だったよね。

 その延長?」

「そうですが、実は世界各国の王室や帝室の歴史に興味がシフトしています。

 東大学生の肩書きがあれば調査がしやすいので」

 やっぱアレだった。

 まあ好きにすれば。

 そう思ってふと見ると静村さんがたこ焼きを食べながらニコニコしていた。

 静かだと思ったらそれでか!

 聞いてみる。

「静村さんは?

 何か大学でやりたい事ってあるの?」

 突然話しかけられてたこ焼きを飲み込んでしまったらしく、静村さんはペットボトルを引っ掴んでラッパ飲みした。

 プハーッと息を吐く静村さん(静姫様)

「ご免。

 大丈夫?」

「平気です!

 ええと、大学でやりたいこと、ですか?」

 律儀に考え込まなくてもいいのに。

 かと思ったらすぐに答えたが出たらしい。

「そうですね。

 特にないです!」

 いっそ清々しいね?

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