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くろねこ
アスファルトを撫でた雨がふわり消えた
地面割って咲いた花がぽつり見つめる
なにもない日々
外は喧騒で賑わっている
特にやることない時間を過ごして
それだけで疲れた気がして目を瞑る
瞼の裏に浮かぶ赤い斑点が何かの警鐘のようだ
張り付いた髪が問い質す
お前は何がしたいのか
そんなもの知るかと顔をあげる
雫とともに落ちた目尻のゴミを
放置して歩く
路地裏で黒猫が鳴いた
腕捲りした袖が落ちたことさえそのままに
ネオンがひかる街並みに消えた僕を
僕は見てた