第27話
じりじりと燃える太陽が地平線の向こう側へ消えゆく。
一日の終わりを見届ける中、隣に座る少女はこくこくと眠気に誘われていた。
「寝るなら部屋に行くか?」
カルミアは眠たそうな目をこすって首を横に振る。
「私は大丈夫です。それにサイガ様の報告がまだです」
「そう、だな。でも無理をするなよ」
「はい……」
暫く沈黙が続き、太陽が水平線へと姿を隠す。
空に煌めき始めた星を見て、今日の出来事を思いだす。
突然の戦闘に、死にかけた事、それらを全て思い返し小さな声で呟く「今日は酷い1日だった」と──
新装備は奪われ、新型は左腕を破損。決して軽い被害ではない。だが今はそんな漠然とした感想しか出てこない……。
「自分は平気だと思っていても、脳や体は着実に疲労を積み重ねているんだな……」
隣で聞いていたのか、カルミアが「それが人です」と軽く答えた。
「まだ起きていたのか?」
「眠くありませんので……」
「いや、そんな細目で言われても説得力ないよ?
俺のことはいいから早く寝なさい」
「……琴美祢様」
「どうした? 眠たくなったのか?」
「……いえ、そうではなく。琴美祢様はあの黒いAWのパイロットを知っているのですか?」
「……どうだろうな」
「琴美祢様、こちらを見て答えてください。
もしかして、アレが琴美祢様の部隊を奇襲した犯人なのですか?」
「……さぁな、機体の色は似ていたけど。奴かどうかはやっぱり分からないな」
「そう、ですか……」
聞くことを聞いたからか、カルミアは黙り込んでしまう。
確かに俺の部隊は黒いAW1機に全滅させられた。
だけど、それは昔の事だ。仇を討ちたいって気持ちもあるし、敵の正体を知りたいか? と聞かれれば、知りたいと思う。
でも、正直今絶対倒したい敵って訳でも無い。敵としてまた現れるようなら全力で当たるし、仲間であるなら共闘もする。
正直な所、どうでもいいってことだ。
未だ火薬の匂いや何かが焦げた異臭が漂う中、目の前に広がる茜色の空を仰ぎ見ていると、左腕にフワッとした何かがもたれ掛かってきた。
聞こえてくる小さな寝息。
視線を向けると小さな女の子が腕にもたれ掛かって小さな寝息を立てていた。
──どうしよう、動けなくなった。
困り果てて空を見上げていると、足音が耳に入ってきた。
「幼女と添い寝か? ロリコンくん」
聞き慣れた声に視線を向ける。
「なんだサイガか」
「なんだは無いだろ。なんだは……」
呆れた物言いをするサイガを尻目に、俺は再びボーっと空を眺め始める。
そんな様子に呆れてか、サイガは一つ大きなため息をつき、話を続けた。
「それで、機体の様子はどうなんだ?」
「左腕は動くけど手が死んでる。それ以外はシステムも含め無事だよ」
「戦闘継続はできそうか?」
「……それは明日行う作戦に出られるかって、意味か?」
「いや、明日行うハズだった任務は今夜姉さん達とフェンリル基地だけで行うそうだ。だから、今の質問は俺個人の好奇心ってやつだ」
「……好奇心ってのは嘘だろ? こいつが戦闘可能なら真っ先にカルナ達の援護に向かいたいってのが本音だろ」
「あら、バレてた?」
ワザとらしく笑うサイガ。
まぁサイガの言いことも分かる。
味方の帰りをじっと待ってるのは、なにかと辛いものだからな……。
「さっきの質問だけど戦闘は可能だ。ただし、カルミアに人殺しをさせない以上、戦力としてはほぼ役には立たないだろうけどね」
「どうしても嬢ちゃんは使わねぇと?」
「毛頭無い」
「だよな~。いや、分かってたけどよ……そうか、なら諦めて待つしかねぇな」
そう言ってサイガは手を頭の後ろで組むなり、その場に寝転んだ。
言葉では「潔く諦めました」と主張しているが、諦めたというより「我慢する」て感じだよな。
まぁ待つことしかできないんだし、ここはあの人達を信じて待つしかないか──。
冷たい風に身震いする。改めて空を見上げ闇に煌く夜空を眺めながら口を開く。
「そろそろ作戦開始だな──」
※
【時刻23:00
傭兵設立特別空軍基地フェンリル03 作戦室 カルナ・クラフィス】
「──諸君らも既に知っての通り。本日早朝、我々の後方基地が襲撃を受けた」
ざわめく室内で、1人の痩せた男が大声で指揮官に尋ねた。
「敵は何でそんな場所を攻撃したんだ?
そこに何かあったのか?」
つまらんことを気にするのは男共の悪い所だ。
私は苛立ちを抑えるように手元で扇子をいじりながら待つ中、くだらない質問に司令官であるカークは理由を述べる。
「攻撃を仕掛けられた理由は、新型のAWと新装備が狙いだったそうだ。現に今回の襲撃でAWの武器が奪われたことが報告されている」
「新型の為に基地一つがオジャンか。新型ってのはまるで疫病神だな……」
「疫病神なのは果たして機体か、それともパイロットの方か……」
「私語はそこまでにしておけ!」
カークの一声に先程までべらべら喋っていた奴等が一斉に黙った。
どうやら、言うことを聞くようにはしっかりと躾けられているようだ。
咳ばらいをしてカークは壁に投影された砂漠の映像へ体を向け話を続ける。
「まずあらかじめに、今回の作戦では参加拒否のペナルティーを2000から4000ドルまで増加させてもらう。
それ程に今回の作戦欠員を減らさにゃならんからだ。
だが、悪い報告だけじゃねぇ、今回の作戦成功報酬はいつもの倍出る。金にがめついお前等には、嬉しい限りだろ? なんなら俺の給料も上げてもらいたいくらいだ」
くだらない冗談に兵士がへらへらと笑う。
そんな間に映像が敵基地全体の写真へと切り替わる。
「さて、前置きが終わった所で作戦の説明だ。
今回の作戦は明日予定されていた敵補給基地の破壊だ。本日の終了時、0時を持ってAW2機、個有名ファング隊を乗せた輸送機が目標へ向け飛び立つ。
ファング隊は敵補給基地手前から高高度で投下。パラシュートなんて開けば簡単に撃墜される為、AW2機には前回の作戦で新型が使用した展開式試作型スラスター及び外部増加スラスターを装備。
また、背部には緊急用ブースターと、ついでにACMマントも予備含めて装備してもらう。
これで対象への強襲攻撃の成功率は上がるはずだ……。
ファング隊には斥候としてまず対空陣地を破壊し、空爆部隊突入の用の穴を開けてもらう」
説明を聞いて私は話に割り込んだ。
「攻撃隊の到着はどれくらいだい?」
「航空隊が攻撃を始めるのは諸君等が降下した10分後だ」
「ギリギリだねぇ……」
「あんた達ならやれんでしょ?」
こちらを見ながらニヤッと口元を緩め余裕の表情のロントに、私は舌打ちをして視線を逸らせた。
なんでもやれると思われている。それ程に信頼されているのはありがたいことだが、そのせいで無茶を言われるなんてのはたまったもんじゃない!
ロントは全員に視線を戻し話に戻った。
「ファング隊は攻撃終了後、PS13へ向かえ。そこでヘリに回収させる。
続いて航空隊の任務を伝える。
先程話した通り、諸君等は先攻したファング隊が作った穴から低高度で侵入し基地への爆撃をおこなって貰う。無論敵の迎撃機は上がっては来るだろう。参加する人間はこの場に残ってくれ」
一気に包まれた静寂の中、真剣な顔をして男共は黙って飛ぶか飛ばないかの選択肢を決め始める。
その間は約10秒。誰も立ち上がらない中、ロントは口を開く。
「よろしい。では編隊の構成を決める。ファング隊は先に輸送機への搬入を作業を行うように」
「言われるまでもない。行くよ、ロバーツ!」
「はい、隊長……」
続けて会議が行われる中、私とロバーツは部屋を後にした。
※
【高度6000m
C-5 格納庫内 ファング1 カルナ・クラフィス】
ガタガタと揺れるコクピット内で、画面に表示した作戦を見返す。
今回の目標は砂漠地帯に存在する敵補給基地の破壊。基地は五角形状に設営された対空陣地が空を睨んでいる。
かといって地面を疎かにする様な馬鹿な敵じゃあない。無論AWが基地内に配置されている。
最新の情報だと04が5機、01が9機。私とロバーツの2機で相手取るには、ちとキツイ相手だ。
だからこそ、今回は航空支援の力を借りる。先遣隊でAW2機が砲撃で敵対空陣地を2つ破壊し、航空部隊の突入進路を作る。
航空隊は空いた穴から悠々と入り、敵基地に爆弾の雨を降らせる。運が良ければソコで敵AW部隊を基地の爆発で一網打尽にできるが……。
「さて、問題は奴らがどの程度やってくれるかって所だねぇ……」
画面に映る作戦指示を消し、機体を戦闘モードで起動させる。
直後、インカムに通信が入る。
『──隊長、間もなく降下ポイントです。お支度を』
「はん、いっちょ前に私に命令かいファング2? そういうお前は、準備ができてるんだろうね?」
『無論ですよ、隊長』
「……そうかい。なら、作戦の再確認だ。
今回の任務は初手が肝心だが、作戦内容はシンプルだ。我々が航空隊の進路を作り、航空隊に基地を焼き払ってもらう。上手く行けば敵のAWは基地と一緒にお陀仏だが──」
『できなかった時は我々の出番って訳ですね』
「できれば、そうならないで貰いたいがねぇ」
部下と交流を深める中、機内に機長の声が響き渡る。
『ハッチ開きます。パイロットは降下準備を──』
アナウンスの直後、後部ハッチがゆっくりと開く。
真っ暗な闇が我々を飲み込もうとする光景は、まるで悪魔の口腔の様に見えた。
これから行くのは死地か否か──行って見れば分かること、か。
天井に備えられた信号が赤から青に変わる。
「ファング1、06出るぞ‼」
『投下ッ‼』
固定アームのロックが外れ06は吸い込まれるように虚空の中へと飛び出す。
まばらに光る星を飛ぶ輸送機が遠のく中、続けてロバーツが乗る05が暗い海へと飛び出すのが見えた。
「ロバーツも出たか……」
高度7000を切り、AIがスラスターを使い機体の姿勢制御をおこなう。
機体が地へ向け体の位置を変えゆったりと降下する中、暗い空に変わり、薄暗い雲の層へと突入した。
画面が霧と水滴に覆われ視界が悪くなる。だが、この雲の中ならミサイルが当たる確率は減る。
いい隠れ蓑だ。
「ファング2、雲を抜けたら勝負だ。敵のプレゼントを貰うんじゃないよ!」
『ファング2了解』
ファング2の返事と共に雲を抜ける。
真っ暗な地表が画面いっぱいに広がる中、1時の方角、明かりを放つ施設を目視で確認した。
あれじゃ、敵がこちらを見つけていないと言っているようなものだねぇ。
直接攻撃するのも手だが、それは奴等に任せるさ。
「AI、砲台の位置を探りな!」
【索敵モード起動。地表をスキャン中──】
地表をなぞり敵の位置を探り始める、が。
AIが出した答えは──【脅威目標感知できず】であった。
「レーダーの故障か何かか⁉」
【ネガティブ、レーダーに異常なし。施設を除き周辺には熱源と共に金属反応はありません】
どういうことだい? 敵が居ない?
ここから見るに対空砲台がありそうな陣地を9つ確認できる。それに補給基地は稼働を続けたままだ。
敵が居ないわけが……いや、そもそも敵は本当にこちらを捕えていないのか? それとも他に理由が──
雑音に紛れインカムに通信が繋がる。
『ファング2から1へ、敵影が見当たりません。そちらは感知できていますか?』
「ネガティブだ! こちらからも敵影を確認できない……」
05も感知できない。
「いよいよ妙だねぇ……」
『ですね……。どうしますか隊長?』
空から攻撃すれば敵の反応を伺うのも良いが、それで敵がいたら洒落にならない。なら、やはり取る方法は一つ──
「──対空砲台を直接叩く! やれるね、ロバーツ?」
『やれるか、やれないかなら……やりますよ!』
「よーし、垂直降下で敵の懐に突っ込む! 間違っても、地面とキスなんてするんじゃないよ‼」
『了解‼』
両機体が真っ逆さまに落ちていく。
速度が上がるにつれて掛かるGが強くなっていく。
【警告、このままでは地表へ激突する恐れがあります】
「まだだ、まだ、行けるだろ……ッ‼」
ガクガクと揺れる機内、地表との距離が2000を切った直後、AIがオートで着地姿勢に入る。
【姿勢制御、完了。スピード尚も上昇中。地表到達まで、14、13、12、11──】
「ブースター点火‼」
外部増加スラスター、背部ブースターが勢いよく点火する。
スピードが落ちていくが、まだ早すぎる!
「AI、展開式スラスターにも火を点けなッ‼」
AIが返事をするのとほぼ同時に、両肩に備え付けられた展開式スラスターが翼を広げ火を灯す。
地表100mを切り、ようやく速度が安定まで達する。
──が、それまでだった。ブースターの火が消えAWはコンクリートの床へと叩きつけられるように着地した。ずしゃりと重たい駆動系の音を立て脚部の対ショック用のサスペンションが軋む。
着地の衝撃に耐えながら当たりの警戒を行う。
立ち込める砂埃の中、微かに見える敵影に銃口を向け鉛の弾をお見舞いさせる。
ライフルの銃口から飛び出した40mmの弾丸が影を破裂させた。
──破裂? 爆発も金属の破損音もない。
発砲を辞める。風は砂塵を攫い視界がクリーンになるのと同時に影の正体が露わになる。
「これはやられたねぇ……」
風船だ。それもただの風船じゃない。
車の形をした風船、対空砲の形をした風船。ダミーだ。
金属反応、熱源にも反応しなかった理由はこれかいッ⁉
「AI、地雷は確認できるか‼」
【地面への金属反応はありません】
地雷は無し、敵に動く気配はない……。
なら何が狙いだ? とりあえずやることは1つだねぇ。
「ファング2聴こえるか!?」
『えぇ聴こえています。これは、まんまと嵌められましたね』
「こんなことは良くあることだ、問題は……」
『どっちに嵌められたか、ですね』
「あぁ、そうだねぇ」
『隊長、どうしますか?』
「とりあえずここを離れるぞ! PS23-25へ向かう!」
『味方の航空隊にはこの事を伝えますか?』
「……どうせあの施設は潰さなきゃならないんだ。奴等には穴の空いた地点だけ教えてやりな。まぁこの様子じゃ何処も穴だらけだろうけどねぇ」
『それも、そうですね。とりあえず撃っておきます』
隣の対空陣地から緑色の閃光が空高く上がりパッと辺りを照らす。
チラチラと燃えながら落ちていく照明弾に背を向け歩き始めた。
──その時だった。機内に警報が鳴り響く。
【低速で接近する機影をキャッチ。数12、急速にこちらへ接近中】
「……ファング2。そちらでも捕捉してるか?」
『えぇ捕捉しています。ですが隊長、これは妙ですぜ』
「お前もそう思うかい?』
『大方、欲張った奴らの単独先攻でしょうが、それにしたって早すぎますが──』
地平線上。低空を飛んでいた大鷲(F-15)の群れがプレゼントを抱え我々の上を通り過ぎてゆく。
大鷲達が敵の補給基地へ向けプレゼントを投下する。けたたましい音を立てて施設を粉々に粉砕し、瞬く間に地獄の業火へと包んでいった。
その光景を尻目に、ロバーツと合流した私は移動を開始した。
だがその直後、1機のF-15が自分達上を通過するなり、周りを旋回し始めた。
【こちらに呼びかけている通信あり。回線を繋ぎますか?】
「さっさと開きな!」
AIが短く【Roger】と返答すると、雑音交じりに男の声がインカムに入ってきた。
『……ちら、ショットガ……こちら、ショットガンリーダー‼
ファング隊聞こえるか⁉』
「こちらファング1、どうした撃ち漏らしでもあったかい?」
『いや違う。今入った情報だがフェンリル基地が強襲を受けたらしい。
被害は甚大。諸君等を拾うはずだったヘリ部隊も全滅だそうだ。よって諸君等には自力で基地へと向かってほしい』
「ふざけんじゃないよ! ここから基地までどれくらい掛かると思ってるんだい⁉」
『幸いこの付近には集落がある。そこで物資補給をしてくれ。それじゃ、俺等は基地に戻る。幸運を祈る!』
「おい、まだ終わってないぞ……クソ、切りやがった」
『隊長、奴等はなんと?』
「自力で基地まで帰ってこいだとさ……笑わせてくれるよ」
『ここから基地まで、徒歩で20日はかかります。食料が無い今、俺達が砂漠を越えるのは無理ですね』
「そんなこと、言われなくも分かっているッ‼
貰った位置データには、ここから東南の方に集落がある。まずはそこへ行く。着いてこれるなロバーツ」
『無論ですよ、隊長──』
※
数十分前──
【フェンリル基地。司令部 通信室】
「なん、だと……それは決定事項なのですか⁉」
マイクに向かって私は怒鳴り声をあげた。
すると話相手は、あっけらかんと『そうだ』と答えた。
『今回の襲撃の件。それに前回の作戦における新型の損傷の件。
分かるだろ? 向こうから苦情が殺到しているんだよっ! これ以上、ヒヨッコパイロットに任せる訳にはいかん、それは君とて同じだろ?』
「……ですが、琴美祢相馬はP-29をうまく扱っています」
『上手く扱えている、か……。だが、そのP-29も我々が求めている戦果を上げてはいないではないか?』
「それは……」
『ト~レスくん。我々は戦闘で役立つ兵器を作るよう君に依頼したんだ。決っして、長く使える兵器を作って欲しいなんて言っていないんだよ。それを分かっているんでちゅか~? いや、分かってないだろ。
だって~、現に君は造れていないではないか! それじゃひっじょぉぉぉぅに、困るんだよ~~~ッ‼』
「……」
『オイオイ黙らないでよトーレス君! 別にP-29を処分しろって言っている訳じゃないんだ。 ただちょっと役立たずなパイロットを変えると言っているだけなんだ。
分かってくれるだろ? 私は単にあの計画を成功させたいのだよ。それは君とて同じことだろ?』
電話の主の言うことは正しい。これ以上、新型を素人に任せるわけにもいかない。
だがそうすると、P-29が彼にこだわる理由が分からなくなってしまう。
……両方の優先事項を天秤に掛ければ、答えは決まりきっている。
できれば、その理由を知りたくもあったが……、これも計画のためだ。
「……そうですね。新しいパイロットの件、了解しました──」
『いい答えだ。それではすぐさま代わりのパイロットを送る。君はスムーズに事が進むよう彼等に伝えておいてくれたまえ』
電話は一方的に切られた。
何も聞こえなくなったヘッドマイクを、私はそっと机に置く。
「これも計画のためだ──」
暗い天井を見上げてそう呟いた。直後、警報が基地内へと鳴り響いた。
次回、プロジェクト・アーミー第28話
??「カルナ達の身を案ずる相馬達は、未だ機体の修理を待つばかりであった。そんな最中、琴美祢 相馬は突如カルミアとの接点を断たれる。彼が選んだ道、その先にはーー
ん? 私は誰か、だと?
それは次回のお楽しみ、とでも言っておこうか」




