第1話
用語解説
・AW=アーミー・ウェポン
各国に配備されている2足歩行の最新兵器。国によって形も形式番号も異なる。
※至らない所もありますが。
これからも日々精進し頑張って行こうと思います。
アドバイス等も受け付けているので、感想にてお待ちしております。
俺の人生は、何かを失ってばかりだった。
母は俺を生んだと同時に亡くなり、世話をしてくれた父も交通事故に遭い、もう既にこの世にいない。
父も母も失った俺は、祖父、祖母の家に預けられ。高校を卒業と同時に、自衛隊へと就職。
早く自立して自分を育ててくれた2人に、恩を返したかったが故に選んだ職であった。
だが、自衛隊に入隊して2年になったある日、旅行中だった2人は不運にも事件に巻き込まれこの世を去った。
今までお世話になったお返しは、祖母、祖父。2人を本国の地で弔ってやることだけであった。悲しむ間もなく、基地に戻った俺に転属命令が下された。
二足歩行の最新兵器AW。
その兵器のパイロットであった俺は、第18AW小隊。隊員構成は自分を含めて6名、勤務地はエジプト。そんな辺境な地の部隊長に任命された。
初めての部下であったが信頼を得るのに、そう時間は掛からなかった。
毎日の訓練に、平和な偵察任務。初めて着任した時の緊張感など、1ヶ月の間で薄れてしまっていた。
それから1年が過ぎた、4月5日の夜。
いつも通り偵察任務に出撃した俺が指揮する隊は、1機の黒いAWの奇襲に合った。
初弾を食らい大破した機体の中。死に行く仲間を見つめながら俺は気を失った。
次に起きたときは病院のベッドの上だった。
報告を受けた上官から何が起こったかを聞いた。
それは、余りにも悲惨な事実だった。
部隊は自分を残して全滅、更に自分には本国送還の命が下っていたのだ。
仲間の仇も取れず日本におめおめと帰ってきた俺は、自衛隊という居場所から、逃げるように退役した。
それから数ヵ月後。民間軍事会社で傭兵として働いている俺こと琴実祢 相馬は今、自室にてある事情で6歳くらいで白衣の少女と2人っきりの状況に、
「主様。ご命令を──」
困っていた……。
「その、主様って呼ぶの止めてくれないか?」
「それは命令でしょうか?」
簡潔な返答に光の無い目で見つめられる。
そんな少女の表情には、何か威圧感を感じるものがあった。
「命令と言うよりもお願いかな」
「お願いですか?」
少女は不思議そうに首をかしげる。
この返答は予想外だ。
そうだな……。
「琴美祢。そうだ、琴美祢って呼んでくれ」
「了解しました。琴美祢様」
全然分かってないし……。
「様はちょっとな。せめて、さんで頼む」
苦笑しながらお願いするが、
「それは、出来ません」
即答で拒否された。
「なんでか聞いてもいいかな?」
「はい。その呼称は対等の者同士でのみ使われる物と思われます。私は道具です。主様と対等にはなれない存在です。以上のことから琴美祢様の具申を却下します」
道具。そう、この子は道具なのだ。
見た目が白髪で長髪の小さな子供でも、この子は道具なのだ。
道具と言っても○○理道具とかではなく、人を殺す方の道具だ。
何故そんなのと俺が一緒に居るのか? そもそも何でこんな所に居るのか? それは今から3ヶ月前の出来事から始まった──。
自衛隊を辞めてから数日間。
アパートを借りて何もない日常を過ごしていた。
外からは、聞きなれたAWの駆動音の代わりに、車の排気音が聞こえて来る。
「今日も平和だな……」
三階の窓から、行きかう車や歩行者を見ながら呟く。自衛隊を辞めたからと言って、俺の心が落ち着くということはなかった。
寝れば悪夢にうなされ、朝になれば平和な世界に苛立ちを感じる。
俺は生き地獄というものを初めて味わっていた。
そんな地獄が何日続いただろうか? ある朝、身内のいない俺に1通の手紙が届いた。
手紙の裏表を見るが、届け先は書かれていない。
届け違いではないかと疑ったが「琴美祢 相馬様へ」と書かれてあったので、自分宛なのは間違いないようだった。
手紙を開くと、そこには折り畳まれた1枚の紙が入っていた。中身を取り出し広げてみると、
【民間軍事会社から琴美祢 相馬様へ──
元AW乗りだった貴方の履歴を拝見させてもらいました。当社にスカウトいたします】
短い文面の下には、指定場所が書かれていた。
守るものもなければ、目的もない。もし、入社してこの地獄が少しでもマシになるならと思い。俺は入社を決意した。
2日後。指定場所に着いた俺は黒スーツの男に連れられ、車→飛行機→車と乗り継いで森に囲まれた基地に連れてこられた。
ここが何処なのかは分からない。ここまで来るのに乗り継いだ乗り物全ての窓は黒く塗りつぶされていた。
その為、ここが何処なのかさっぱり分からないが、これだけは分かる。
ここを無断で脱走などすれば、生きては帰れない……ということだ。
基地に着いて早々に4ヶ月間の訓練期間が始まった。
初めのうちは体を鍛えるための筋トレだったが、1ヶ月も過ぎればAWの操縦訓練、集団戦の練習など次第にやる内容のハードルは上がっていく。
そんな中、耐えかねて辞める人間は少なくなかった。
初めて全員集められたときには人数は200人位いたのだが、2ヶ月が過ぎた頃には、その1/5にまで減っていた。
それから2ヶ月が経った訓練期間最終日の今日。
残ったメンバー全員が、ブリーフィングルームに集められた。
後ろに向かって階段状になっている大きな部屋。
その部屋には、自分を含めて19名しか居ない。2ヶ月前よりも明らかに数が減っていた。
まぁ、毎日1人で居る俺には、どうでもいいことなんだけど……。
俺は適当な席に座るなり、両肘を突いて、正面の白紙のボードを眺めてだるそうにしていると……。
正面右端のドアから白衣を纏ったデコハゲの中年男性が入って来た。
その男は金色に輝く髪を靡かせ、腰をリズムよく振りながら歩く。その姿は、さながらファッションショーに出演するモデルにも見える。
だが、登場したのはモデルの可愛い女性ではない。ちょっとガタイのいいスリムなおっさんだ。
ファッションショーのモデルのような登場をされても、喝采はおきはしない。
男は前中央に置かれる教卓に着くなり、教卓を勢い良く叩いた。その音に、部屋に居た全員が静かになる。
全員の視線が集まった所で、男は咳払いをして話を始めた。
「諸君。これまでの厳しい訓練を良く耐え抜いた! 私は感動のあまり今にも泣きそうだ」
白衣の男は肩を小刻みに上下に震わせながら、自分の服の袖で顔を隠す。
その姿を見て「なんだこいつ?」と思ったが、あえて口にはしない。
そもそも、今までの訓練はそこまで過酷であっただろうか? ここまでオーバーリアクションを見ていたら、確かに今までの訓練はきつかったかもしれない……。
いや、きつかった! この訓練、確かに耐え抜いた俺は称賛に与えれるものが、あったような気が──
「うっそで~す。こんな訓練耐えたくらいで私はちっーとも、感動したりしませ~ん!」
しなかった。称賛される程でもなかった。
ただの気のせいだったよ‼
「なに? 君達、もしかして自分は厳しい訓練を生き抜いたんだって、本気で思っちゃったの? それはない。絶対にないから、安心して良いよ」
ウザさを通り越して怒りが、それを更に通り越して──氷河期が訪れる。
凍てついた状況で、この場に居る全員がシンクロするように心の中で思った。
「なんだこのうざいのは?」と……。
「おいおい、そんなにシラケるなよ。こんな事話すために集めたんじゃないんだからさ~。本当だよ?」
皆は答えず、ただただ冷たい目線で突き刺す。
そんな中で、男は何かを思い出したように手をぽんと叩いた。
「そうだ! まだ自己紹介をしてなかったな……俺の名前はルブラート・ベルガン。お前たちの雇い主だ!」
なぁ! 俺は驚きの余り口を開けて驚く。
一見ふざけているような話し方をしてるから、てっきりイカレてる奴かと思ったけど。
ここの指揮官って事は、あの訓練教官を束ねてるってことだよな? なら意外に凄い人なんじゃ──
「皆は親しみを込めて、ベルガンちゃんと呼んでくれ」
思い過ごしだったようだ。
今しがた雇い主の部分で驚いた皆の顔が、今の一言でまた元の冷たい表情に戻っていた。
こいつ、あれだ。ダメだ。ダメ上司だ。
もう、こいつに期待はしない様にしよう……。
「はぁ~。面白くないから本題に入るか……おい! 入って来い」
皆の反応に悪態を付けながらベルガンは手を叩く。
それが合図だったかのように扉が開いた。
「っな⁉ なんだよ、これ……」
皆がざわつき始める。
中には驚いて席を立つ者もいた。
それもそうだ。部屋に入って来たのは19人の子供だったのだ。
性別はバラバラだったが、年齢は6~10歳位だ。
「はい。皆さん注目!」
ベルガンは手を叩くが、一向に静かにならない。
「静かにしろって言ってんだろうが!」
ベルガンは腰の拳銃を抜いて、天井に向かって乱射する。部屋中に響き渡る銃声に全員が静まり返る。
「まったく。どいつもこいつも、ギャーギャーギャーギャー騒ぎやがって……ここは動物園か? なぁどうなんだよ? どうなのかって聞いてるんだよ‼」
ベルガンが怒鳴り散らすが。答える者は誰もいないまま、沈黙が漂う。
「まったく、お前達と話してると頭の毛が消えそうだ……」
いや、とっくに手遅れなんだけど……。特にデコの部分。
ライトに当たって神々しさが増すデコを見てそんなことを思う。
「さて、話が脱線してしまったな。えっと、何を話そうとしてたんだっけかな? あぁ、思いだした! そうそう、まずは……これだな」
ベルガンは、1人の子供の後頭部に銃を突きつけ──引き金を引いた。
部屋に響き渡る1発の銃声と共に、1人の子供が頭部から血を吹き出し倒れた。
いきなりの出来事に全員が唖然とする。
そんな皆を尻目にベルガンは、銃口から出る煙を吹き消し腰にしまう。
「まず、ここに居る子供達は普通の子供ではありません。このように何をされても、君達みたいに驚いたり喚いたりしません。何故なら!」
ベルガンは撃たれた子供の髪を引っ張り自身の顔まで持ち上げる。
「この子達は感情を持たない道具だからです。分かりましたかー?」
目を開けたまま、やられたい放題の子供を見て背筋が凍り付く。
皆の反応にニタリと口元を歪ませる。
「あぁ、壊れたおもちゃはポイしないとな」
そう言ってベルガンは子供から手を離す。
床に溜まっていた血溜まりに子供は崩れ落ちた。
その音は、さながら床にパイを落としたような、聞くに堪えないものであった。
「さて、お前達の任務だが。この中から1人だけを選び、その実験に参加してもらいます……はい、質問のある奴はいるかなー?」
ベルガンのふざけるような口調で問いかける。
皆は唖然として、黙り込む中。
突然俺の斜め前に座っていた奴が席を立った。
「はい。 どの──……」
男が質問するよりも早くベルガンは拳銃を抜く。
そして、銃声が部屋に響くの同時に、立っていた男が、糸が切れた人形の崩れ落ちた。
倒れた男の眉間からは血がダラダラと流れていく。恐怖が体中を駆け巡り、体から血の気が引いていくのを感じた。死んだ人間を間近で見たのは初めてだ嘔吐の波が押し寄せて来る。
ここで下手な事をすれば殺される。
自分の心にそう言い聞かせ、気持ちを落ち着かせ迫ってくる嘔吐に堪えた。
「何か意見があるときは~……手を挙げて言いましょう! 分かったかな?」
皆がゆっくりと頷く。
俺もゆっくりと頷く。
「よしよし良い子だ。さて、それではこの子たちの中から好きな子を1人選べ。選び終わった奴から、自分の部屋に子供と戻れ。部屋に着いたら名前を教えて、マスター認証しなさい。以上! 解散!」
最後まで一気にしゃべり終わると、ベルガンは速足で部屋を出て行った。
扉が閉まり、足音が遠ざかっていき、やがて聞こえなくなった。
直後、1人が席を立つ。その後に続くように続々と席を立ち上がり、立ち尽くしたままの子供達の中から、1人だけ連れて、部屋を出て行く。
そんな最中、俺だけが席から立ち上がらず。黙ってぐったりとする死体を見つめる。
俺もいずれ死ぬだろう。どう死ぬだろうか? ふと、そんな疑問が浮かぶ。
この人のように、唐突に死ぬのだろうか?
それとも、あの時のようにじわじわと……。
しばし考えていると、いつの間にか部屋には自分しか居ない事に気が付いた。
いや。自分以外に、もう1人いた。
白髪で体は小さい。年齢は10~12歳くらいの女の子が、自分と同い年位の死体の直ぐ傍で、微動だにせず立ち尽くしていた。
俺は足に力を入れて、腰を持ち上げる。
そして少女に近寄り、膝を着いて同じ目線を合わせる。
「君を、連れて行けば良いのか?」
少女は答えてはくれない。ただ、光の無い瞳で、微動だにせずそこに立ち尽くす。
笑顔が足りなかった?
口元を引きつらせて笑みを作ってみるが、少女は無反応だ。
感情のない道具か……。
雇い主と名乗ったベルガン。あいつはそう言っていた。
溜息を1つ吐き俺は立ち上がる。
「それじゃあ、着いて来てくれるかな?」
少女に手を差し伸べる。だが手を握ってくれず、少女は黙って1歩を踏み出した。
これが、俺と少女の初めての出会いであった。
それから部屋に帰って来るまでの間。お互い沈黙のまま、寮の自室に着いた。
部屋に入り少女を椅子に座らせ、自分はベッドの端にお互いが向かい合うように座った。
そして少女に名前を教え、マスター認証? を完了させた。
その後は、今日1日中何も無いので、こうして少女に自分の名前の呼び方を変えるよう話し合っていたのだ──。
「道具、か……」
俯き小さな声で呟いていると、あることに気がつき顔を上げた。
「そう言えば、君の前を聞いてなかったね」
「はい。認識番号 P29です」
それは名前なのか?
いや、そんな訳ないよな。
それが名前なら、認識番号がある会社は大変なことになる。
「えっと、君の本当の名前はなにかな?」
「私には、認識番号しか与えられておりません」
「名前が無いのか?」
「ありません」
堂々と返答が返ってくる。
けど、それが本当だと呼び辛いな。
「……良ければ、名前を付けてもいいかな?」
「私のですか?」
「当たり前だろ。他に誰がいるんだよ」
俺は立ち上がり机まで歩き、引き出しを開ける。
えっと、メモ用紙とペンってここに入れてたよな?
「名前など付けずとも、認識番号のみで十分だと思われますが」
「まぁ、そうかもしれないけど……流石に呼び辛いしな。それに──」
お、メモ用紙とペン発見。
「名前があった方が何かと便利だしね」
「便利ですか?」
「便利だよ……」
メモ用紙を開きペンの蓋を取る。
さて、名前を決めようかと思ったその直後、誰かがドアをノックした。
「誰だろう?」
今日は何の予定もなかったはず……。
それに、友と呼べる人物は俺の周りにはいない。
だが、出ないわけにもいかない。
俺はメモ用紙とペンを机の上に置き扉に向かおうとするが、少女は手を広げ行く手を阻む。
「琴美祢様。ここでお待ちください」
少女は机に置かれたペンを握りしめるとドアに向かった。
ドアの前に着くと、ドアノブをゆっくりと回し蹴り開けた。
ドアの前にいた肥えた男めがけて、少女が飛びかかる。
驚きのあまりに男は、その場に尻餅をつく。その隙に少女は喉元にペンを突き立てる。
その一連の動作が、特殊な訓練を受けた兵士のようだった。
「官姓名を……」
「見てわからんか!ここの訓練教官、アラン中尉だ!」
教官の怒鳴り声がここまで聞こえてくる。
しかも、よりにもよってアラン教官か……。
俺はやるせない気持ちになる。
アラン教官、年齢32歳、AWの操縦訓練教官である。
肥えた体型と威張り散らすのが特徴な、嫌な奴だ。
まったく。デカくって、軍隊のメシ食ってる奴が偉いのかよ。
「アラン……だそうです。琴美祢様」
「え、あぁ。うん」
いや、うん。聞こえてたんだけど……。
あまりの出来事に、言葉がでない。そんな時、少女がこちらを見つめて再度尋ねてきた。
「解放した方がよろしいでしょうか?」
「いや、早く解放して!」
流石に嫌な奴でも、そこまでするほどじゃない。
というか、上官に対して失礼過ぎるんだが!?
少女はアランから離れると、何事もなかったかのように、こちらに戻ってきた。
まだ子供なのに恐ろしいな……。
押し黙る少女を警戒しながら、続いて教官が部屋へ入ってきた。
「おい、貴様。道具の扱いにはもっと気を付けろ! マナーがなっておらんぞ、マナーが!」
マナーとか言われましても……こちとら、先ほど預かったばかりだから、あんなことするとは思わなかったんだよ!
等と心の中で言いたいことを言いまくっているが、現実では──。
「はっ! 以後気を付けさせます!」
敬礼して、素直に謝罪である。
自分のせいじゃなくても、とりあえず謝っておく。これが社会で身に付くスキルである。
謝るときに適度な反省の声で謝りつつ、右に流すのがコツだ。
そんな感じで、謝っておけば
「ふん、次はないからな」
こんな風に許される。
「さて、暇なお前に任務だ」
「任務ですか?」
「そうだ。今日中にこの部屋から隣の棟に引っ越してもらう。明日の日程については、早朝から道具との合同訓練を行う。それが終われば後はフリーだ。質問はあるか?」
早速明日からか、それにしても合同訓練?
「いえ、ありません」
「では、すぐに引っ越しに取り掛かれ」
「了解しました‼」
アランは伝えることを伝え終わると部屋を出て行く。
少女はドアを閉めると、ペンを元あった場所へ置きに戻って来る。
合同訓練……この子なら何か知ってるのだろうか?
「合同訓練の内容。君はどんな事をするのか知ってるのか?」
「はい。琴美祢様が乗るAWを自分が適切にバックアップできるかの訓練かと思われます」
バックアップ?
「君は具体的には何をするんだ?」
「私が主様の扱うAWのAIの代わりを行うのです」
AI=Artificial Intelligenceと呼ばれるAWに備わっている人工知能の事である。
この装置があるおかげで、AWの起動時間の短縮、操縦性がスムーズになっている。
逆に人間がやると、起動時間と操縦が難儀するからAIがやるんだけど……。
「君がAIの代わりに? そんな事が可能なのか」
「はい。私達は遺伝子調整を施され常人より優れた頭脳を得ていますので」
遺伝子調整? もっと聞きたい事はあるけど、あんまり聞かない方が身のためだしな。
ここいらで終わらしておこう。
「そうか。では、明日の訓練期待してるぞ」
「はい琴美祢さま。期待に応える働きをしてみせます」
少女は敬礼する。
俺はそんな少女の行動に、苦笑いで応じた。
次回、プロジェクト・アーミー第2話。
?「主様、いよいよ始まりましたね。この小説」
琴「あぁ。この後の展開に期待が膨らむな」
?「それより、主様。質問があります」
琴「なんだい? この俺に答えることができる質問なら何でも答えるよ♪」
?「では、私の名前は何なのでしょうか?」
琴「それは、だね──」
?「次回で分かるんですね。わかりました、期待して待っておきます」
琴「え、結論早ぃ」
?「次回をよろしくです」