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雑音ステップ 〜ALONE〜  作者: 白井 雲
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覚醒、受け継がれた能力4

奴に近づけばあの能力でシンマネを吸い取られる。



身体を包むように展開しているどす黒い霧がそうさせている。



武器を使って一刺し見舞った所で仕留める事は出来ないぞ……









「ユウゼン!」



シキをここから出さない僕の考えを、理解してくれているみたいだ。



じゃないとこんなところで泣かないもんな。



「大丈夫だよシキ。すぐにあいつを倒して、ここじゃない安全な所へ4人でいこう」



ユウゼンは手に持った小型剣を敵めがけて放ち、走り出した。






足が遅い、かなりは弱っている。

 


こちらから仕掛けてやろう。





男も、ユウゼンにたいして走り出し、手をかざした。



奴に近づけばそれだけで勝ちだが、触れられればもっと早く決着がつく。



そして男は知っているのだ。



ユウゼンが自分の急所をついて一撃で仕留めなければならないことに拘っていることを。



故にこの放り出した武器はシンマネで作り出した複製品!



本命はその後ろ手に隠した実体剣。



男の目論み通り最初の剣はかきけされ、二番目の剣も投げ掛けられる。



それは、予想されていた内容の手順だったので、身体の軸を傾け、かわす体勢に入ることが出来たが。



その剣もまた、フェイク。



かわすまでもなく霧に消されていく。

 






何。



では三本目か。



戸惑いながらも前に出ながら視線も前へ。





バカな。



目の前にいたはずのユウゼンがいない。





奴の早さは、シンマネ由来の力だけではない!





代わりにぽつんと床に突き刺さる剣があった。



そしてその剣は実体のあるヒモがくくりつけられており、剣がそれに引っ張られて、飛び上がり。



男めがけて突っ切ってきた。






こしゃくな!



これは実体なのかシンマネ製なのかはどうでもいい。



大事なのは実体剣で眉間を狙われる可能性を振り払うことだ。



そしてそれはやはりシンマネ製の剣で霧散していき。



背後にはユウゼンの姿が。



頭さえ狙われなければどうとでもなる。



いいだろう。



くれてやる。



体勢を低くしながら、視線を後ろにやりながら、振り向くと。



左手から伸びるヒモと右手に実体剣を持った彼が。



しかしその姿は違和感に溢れた。



剣の持ち方がおかしいのだ。



右手に握られていない。



手のひらの上に剣を置くようにして持っているのだ。



そしてその剣はやがて激しい金切り音と共に、乱回転を始めた。



周囲に風を巻き起こすほど回転を即座に生成し、その剣には属性シンマネが込められる。



水だ、水の力がどんどん集まっていくのだ。



ほとばしる風に飛び散る水のシンマネが、回転する剣を包み、その技は完成する。



手のひらは回転する剣により肉が引き裂かれ血が出て、その円状の球体が赤く染まる。



「剣を三本も吸って少し障壁が薄くなったな……」



そして、痛みに耐えながらユウゼンはついに男の背中に決定打を直撃させる。



奴に近づけばやられるなら、やられる前により大きな力で倒してしまえばいい。



そしてその大きな力と呼ばれたこの技の名は。











紅慶刃(フィールザウィンド)!』








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