崩壊26
光が僕の前を横切った。
(……まだ僕に意識があるのか、ユイ……)
薄れながらも自我をそれなりに保っていた僕は、ただ川の流れを見るように、この子たちの生き様を見届けるつもりでいた。
(ユイも奴のトラップ式のシンマネに苦しんでいるのか……当たり前と言えば当たり前だね)
やはりユイは僕の子供だ。
僕と似通ったシンマネを持つ彼女は一部をモンスターにさせられんとしているようだが。
僕の嫁を舐めるな。
嫁のシンマネもユイは引き継いでいる。
その圧倒的な強さのシンマネは、ユイを決してあの男の手によって操らせようとはしない。
僕なんかとは比べ物にならない力だ。
「このナイトメアの軍勢から、あなた達は逃げられません。終わりです!」
聞いたことがある。
このひ弱な男。
ナイトメアブレーキを率いるアゲハの右腕だ。
野良ナイトメアも、あの男の手によって作り出されたのだ。
自身のシンマネを少しだけねじ込んで、色々な生物をどんどん僕のようにするんだ。
わざわざ分の悪い賭けをする程、勝利への確信があるようだが。
放たれた赤い光は次々に現れ、直線的に続々と差し迫るナイトメアを撃ち抜いていく。
その光は突発的に敵の背後から来たり、全範囲を広げるかのように敵を潰す。
どんな技なのだろう……まるで光が自我を持って、敵を狙うような。
そこら中を飛び、閃光は敵を屠る。
その度に聞こえるのは、重いシンマネの衝撃音。
目を凝らすとシキは何か手に構えている。
そこからシンマネを打ち出しているんだ。
銃だ。
銃声なんだ。
この闇を切り裂く赤い閃光は、闇だけじゃない。
未来に通じる障害も撃ち抜けるかな……




