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雑音ステップ 〜ALONE〜  作者: 白井 雲
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オルレアン奪還作戦5

シキとリベールの精神世界で、シキはずっと忙しそうに496人の視点を捌き続けていた。



星の光が届かない夜に、画面の光が差す。






「なるほど、いい解釈してやがるじゃないか」



「寄り添い過ぎると、心が持たないから、ああいうイメージで仲間を助けてるわけか」



リベールは特に手伝えることはなく、ただ目を瞑るシキの中で、感知力を研ぎ澄まし、外で行われている二人の戦いを見届けていた。






そういえば、感知のコツをこの単細胞に聞かれたことがある。



既に感じた事があるヤツなら、そいつをイメージすれば勝手にシンマネが教えてくれる。



知らないヤツだったら知ってる第三者を介して感じ取ればいい。



そう言ったけどまるで時間の無駄だった。



だから今は思い起こしている。



リベールが桜吹雪に入ったときのことを。



そろそろ、反撃の気概に入るようだよ。

















「シーセルと申します」



私とシキが知り合ってから桜吹雪が立ち上がった。



メンバーはまとまりがなく、ブレーキにやられて拠り所を探してきた者やただシキの力だけに従っている者などの境界線があまりにはっきりとしていた。



加えて物資の不足がそれに拍車をかけていて、とにかく不安定な状態での準備を余儀なくされているなか。



そいつは屈託のない笑顔で多分、シキに言ったのだと思う。



「お、おう……俺はシキっていうんだ」



こいつが戸惑うのも無理はない。



奴の身体は今にも事切れそうなほどに、傷を負っていた。



何らかから負わされたようにしか見えない噛み跡、切り傷、弾痕、爪痕、とにかく顔以外が、修羅場のような状況になっていた。



何者かからの襲撃に対して、必死に桜吹雪に逃げてきたのだろうか。



「そんなボロボロで笑って挨拶なんて変だぞ」



「初対面にはこうしろと、言われましたから……」









シーセルはアルド村という、ナイトメアの中でも特異な能力を持った者たちが集う場所で生まれた。



村に住む者は全員がシンマネを使役しない、それとは別枠の不思議な能力を持ったナイトメアで構成されており、村全体に張られた能力を封じる結界の中でひっそりと営んでいるのが特徴。



その能力封じを長が行っていて、自分の能力によって不幸が生まれるべきではないという考えのもと村が生まれたらしい。



もともとが辟易していた者がほとんどだったので、目立った諍いもなく、実に平和だったのだが。



シーセルがそれを破壊してしまった。





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