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雑音ステップ 〜ALONE〜  作者: 白井 雲
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オルレアン奪還作戦4

シーセルは周囲に炎を揺らがせるライの姿をじっと見つめる。



こいつが、ユイさんをあんなにボロボロにしたのか。



「さっさとかかってこい」



相当な実力者、ナイトメアブレーキはあとどれくらいの優れたシンマネを擁してるのでしょうか。



「さあ、さあ!」



「お望み、通りッ!」



シーセルは、瞬時に間合いを詰めライの顔めがけて蹴りを放つ。



ライは身動き一つ取らない。



そのまま当たるはずのところを、シーセルはすんでの所で動きを制止させた。



炎の壁に足がとられる。



(火が、硬質化するだと!?)



すぐ距離をとった。









まずは相手がどんな能力なのか、それを火に探ってもらいつつ、身を守らせるという防御モードだ。



炎が常にライを囲うので、物理攻撃はまず封じられる。



シーセルはあらゆる角度からの攻撃を試みるも、瞬時に炎が立ちはだかってしまうのだ。



そうなるとシンマネを使った遠距離攻撃などを使うだろうが。



死角に回って攻撃をたたきこむも、また、阻まれる。



(突っ立ったままの彼に、一撃も入れられないなんて……!)



何度か微動だにしないブレーキ少年のあらゆる角度をついてみるが、シーセルがダメージを負うだけだった。






たいていの能力なら炎が吸い取ってしまうので、半端なけん制程度じゃ意味がない。



「お前はどんな能力なんだ?何を使う?」



「見せてくれよ、なあ?」






……火をカンペキに使役する能力、もしもの為にユイさんから聞いてはいたけど、こうも防御に専念されたら厄介ですね。



先生に攻撃をはじめた時に剥がれるスキマを突いて攻撃をしようかと思っているけど、あれは完全にぼくを倒した後でいいって感じだ、ぼくしか見てない。



先生を攻撃しようとする意識さえ見えてくれば、そこをつけるんですけど……



少し焼けた皮膚に触れて、あの能力の使い勝手の良さを感じる。



なるほどまともに触れたら一瞬で溶けちゃいますね、あれ。



なら、これで。





シーセルはさきほどの直線的な動きから一変。



特殊な足運びで、ライの周りを移動し続ける。





このブレーキはいつもこうやってるんでしょうね。



炎を身にまとわせて、ずっと待つ。相手が手札を明かすのを。



おそらくあの炎は周囲の微弱なシンマネを吸収して、ずっと揺らめいてる。



じゃないとずっと展開し続けるなんていう、あんな使い方はできない。



だから軽いけん制程度のものじゃ、吸い込まれて出し損に終わる。



アゲハの入れ知恵なんでしょうか。



すごく有効な安定択ですね。



「さっさと出してみろよ、お前の全力を」



そしてお相手もまだ、ぼくが手を明かしていないと信じ込んでいる。



だからそこを利用しましょう。



「いいですよ!」



特殊な足運びをするその動きは急加速をし。



ライの付近から急速離脱。



視界の悪い森ゆえ、ライはシーセルを見失う。



それでもライの炎は敵を探知して自動で防御をするので、何も問題はなかった。



ただ待っていればいい。






木々のスキマから、誰もが呆気にとられるようにスピードで急接近するシーセル。



(近づけないのなら、これでどうだ!)








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