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アルフレーガシ11
夜のアルフレーガシは恐ろしい程静かだった。
「不思議そうにしてんなお前な」
「あ、ああ。少しばかり人がいるものだと思ってたけど、こうして窓の外を見てみると、全く人がいなくて違和感があるんだ」
「知らなかったか?夜は活動できないから、みんなすぐ家に帰って寝るんだよ」
「へぇ」
確かに、日が沈んだばかりなのにもうシキの目は半開きになっていた。
木製のベッドの上で座りながら、いつでも寝ることができるように。
不思議そう、か。
確かに不思議な場所だな。
何処からともなくヒトが別世界に誘われて、しかもそれが現実世界で寝ている間だけなんて。
この世界にはヒトにそっくりな人達がいて、それが僕らを守る為に動く者もいれば、倒す為に動く者もいる。
こっちの事情なんて知ったことかと言わんばかりに。
【ナイトメアはヒトから大切なものを貰う為に、使命を果たす】
ミハヤとの別れを余儀なくされた時に、彼女と心を通わせ知った事実。
「シキ、なあシキ……」
寝てた。
僕も横になってみるか。
全く眠みがないけど。