心の在り処2
「あっ」
一瞬だけ。
「どうしたの?」
俺の想像が電気が走ったみたいに、頭を痛めつける。
「いや、別に」
ダメだ。
そんな事を考えるなよ。
今知ったって何になるって言うんだよ。
俺はもう、前に進むしかねぇんだし、寄り道なんてするつもりはない。
だから考えるな。
なんで街の奴らは、夜に雨が降った日にしか襲ってこないのかなんて。
あの時、必死に抵抗し続けた俺は、何か間違いをしていたんじゃないかなんて、考えるな!
「燦、お前はお前のやりたいことをしろよ。後悔しないようにな」
「うん」
『先生!ご無事でしたか!』
開きった窓の方から声がする。
その声のする方へ体を捻った。
「おう、心配かけてすまなかった」
『いや別に全然心配なんかしてないすけど……自惚れてるんじゃないっすか?』
「えぇ……」
彼の切り返しに戸惑ったように燦は項垂れた。
『先生が無事だったのかどうかってよりかは僕はこれから起こすこの戦いの勝ち方を考えてましたね。むしろユイさんが戻ってこれた事の方が嬉しいっす』
「期待してる、お前は組織戦における要だからな」
「俺の頭脳役をやってくれてるシーセル、お前はこいつの言うことを聞いて動いてくれ」
「あ、ああ、うん。分かったよ」
「とは言いますけど、戦闘になると僕は大したことなないですから、現場の状況を優先して動いてもらえればと思います。よろしくお願いしますね」
たしかに社交性を併せ持った頭の冴えてそうな男だと思うだろうな、燦は。