表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/38

第2節 「首謀者との戦い」

◆研究施設のどこか

 刃沼たちの行く先々で、作業中の研究員さん方に出会う。でも、そのほとんど――「あら、どうも」。「見慣れない方ですね」。「そこちょっと邪魔」。「…………」――刃沼達を大して気にもとめない。興味がないと云った様子だった、研究以外は。

デガラシ「襲ってくるかと思っていました」

害骨「みんながみんな、危険人物というわけじゃありませんよ。私のように細々研究に打ち込んでいる者が大半です」

デガラシ「もう少し地上での出来事を、気にしてくれたらいいのに」

害骨「そこは……良くも悪くも、研究熱心なんですなぁ。回りが見えなくて」

デガラシ「害骨さん、この施設に船もあるそうですが」

害骨「いやぁ……考えたこともなかったです」

「とすると、知らないんですね」

「船、ええと……」 近くの研究員がつぶやく。そのとき、トランシーバーが受信した。

「こちらレッドパス。 全員、Zブロックへ集まれ。全員、Zブロックへ集まれ。繰り返す。こちらレッドパス。至急全員、Zブロックへ向かえ」

害骨「Zブロック……どこでしょう?」

刃沼「あんた何も知らないんだね」

デガラシ「少し遠いですね、ここからでは」

 デガラシは渡された見取り図のコピーを出した。そばにいるブレークタイム中の研究員が話しかける。

「ありゃ、その地図じゃあ分かりずらいでしょう」

 コンピュータを操作し、もっと詳細かつ見やすい地図を表示させる。

「印刷する?」

「ええ、お願いします!」

 デガラシは応答する。カラーで主要経路のはっきりした地図を頂いた。そしてさらに教えられる。

「思い出したんだけど、Zブロックにも船があったなぁ。船というか小形潜水艦? でも今もあるのかなぁ」


◆Zブロック

 Aチーム。

ツミキ「Zブロック……って、僕たちがいる所ですよね?」

生徒「きっと首謀者がいるんだ、一気に叩こうぜ」

「そしてすぐに脱出だ」

 トランシーバーからデガラシの声が聞こえる。

「こちらCチームです。Zブロックには船もあるそうです。この施設の人から聞きました」

 生徒たちがどよめきたつ。

「おおーっ」、「行こうぜ!」

 タコヤマが静止する。

「待て! 待て待て。ここからは敵と戦うことになる。だったら、他のチームと合流するまで待っていた方が」

生徒「そもそもチーム分けをしたのが悪いんだ!」

「みんなまとめてくりゃ、こんなことにならずにすんだのに」

「まとまってたら一網打尽にされてたかもしれねえだろ」

タコヤマ「もうすぐなんだ。……もうすぐ。堪忍してくれ。な」


◆Zブロック 別方面

 Bチーム。

ヘレネー「…………(研究員が誰もいない。嫌な予感がする)」

ホープ「ヘレネーさん、どうしたんですか? 先に進みましょうよ」

ヘレネー「ここで待っていた方が――」

生徒「なんでこんなところに」。「突然なに怖気づいてるんだ?」。

生徒「じっとしてたら、敵の餌食だろうが。もうおれ、やだよ。化け物に襲われるの待つのは」

 生徒数人が先を歩いて行った。仕方なくヘレネー達も歩き出す。


◆?ブロック 迷路

 Dチーム。

レッドパス「しまった、な」

 レッドパスは突然開いた穴に落ちて、迷路の中にいた。

レッドパス「こっちか?」

 勘を頼りに歩き出す。


◆Zブロック 大研究室

???「ヘレネー……」

 そう呼びかけた高齢の男が目の前にいた。

ホープ「あなたは確か……、うぐッ」

 男は銃のような器具を取り出し、ホープに向けた。発砲はしていない。音も光もない。なのに、ホープはうずくまり、苦しそうだ。

ヘレネー「や、やめろ!」

 男は素直に従い、止めた。ホープはすでに気絶していた。他の生徒たちは、怒るでもなく、戸惑いの表情を浮かべていた。

ヘレネー「本当にあんたなのか?」

「……」

「答えろよ、おい。今まで化け物を作り、襲わせた奴。それは本当に、あんたなのか……?」


◆迷路

レッドパス「参った。さっぱり出口が分からん。――おい?」

 曲がり角に、見知った顔の者がいた。

「ああっ、レッドパスちゃん!」

「おばちゃん、なんでここにいる?」

 民宿ずんだらのおばちゃんだった。

「助けにきたんだよ。レッドパスちゃん、出口、分からないだろ? あんたが落ちたのが見えてさ、私も追いかけたんだけど、どこでどう間違ったのかね、今まで全然会わないんだわ」

「出口を、知っているのか?」

「ついて来な」


◆Zブロック Aチーム。

タコヤマ「すでに他のチームが戦ってるぞ!!」

 タコヤマは響く物音で、そう判断した。

タコヤマ「みんな、突撃ーッ!」

 なだれこむように奥へ入った。しばらく進んだところで、後方から悲鳴が。落とし穴だ。そして穴の中は無数の槍が上を向いていた。

タコヤマ「俺が通ったときには落ちなかったのに……なぜだ!?」

 穴の中でうめく生徒たち数人。出血が激しい。

「ヒロシ! ……今、楽にしてやるかな」

 生徒の一人が、銃を向ける。ヒロシと云われた生徒は、驚きと恐怖の表情をしたが、その後、うなずいた。何度が撃ちこまれ息絶えた。ヒロシ以外はもう意識はない。ヒロシを絶命させた生徒はしゃがみ込み静かに泣いていた。タコヤマ達はその場で立ち尽くし、もう先へ進むことはなかった。


◆Zブロック 上

 刃沼たちは、下からの悲鳴を聞いた。

害骨「やっぱり、上に来過ぎたんですよ。下です。下です」

刃沼「そんなこと分かってるけどさ! どう行くの!」

デガラシ「いっそのこと、敵の上方からの狙撃、というのはどうです?」

刃沼「うん、それがいい。そうしよう」


◆迷路 出口

「あいよ!」

「おばちゃん、感謝する」

「気ぃつけてな!」

 レッドパスは迷路を脱出した。急いでZブロックへ駆ける。


◆Zブロック 大研究室

 Bチーム

ヘレネー「うううぅ。仕方ねえ。撃つぞ」

 敵となった男に、ヘレネーはサブマシンガンで撃つ。男は無言で倒れた。ヘレネーが少し近づいて、問うた。

「なんでなんだ、平兵衛へいべえ先生……! あんた、生徒を軽んずる奴じゃなかったろ?」

平兵衛「…………ヘレネー、ワシは元から、そうだったんだよ」

 銃声がして、ヘレネーの足が撃たれる。倒れる。

「なん、でだ……」

 平兵衛へいべえの両手は素手だった。銃などどこにも持っていない。そして周囲を見回しても、銃口がこちらを狙っている様子はない。確かに目の前の平兵衛から、銃弾が飛んできた。

「そう、ワシは元から、そういう人間だったのだ」

 平兵衛の膝頭という意外な所から、銃口が伸びていた。

生徒「義足だ! 銃を義足に改造したんだ」

生徒「何してる! 撃つんだ!」

生徒「いや駄目だ。ヘレネーに当たる」

 平兵衛は立ち上がる。ボロボロになった上着を取っ払うと、金属質で覆われた身体があらわになった。そして奥の方へ去っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ