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the edge story  作者: 裕司
NO Network!!
2/8

#02 Howmany Night

「本当に大丈夫なん?こんないきなり突然に尋ねちゃっても…」

不安そうな声でkumiは尋ねられたが考え直してもベストな答えが見つからず、その苛立ちはそのまま声の大きさに反映された。

「そんなこと言ったって何通も手紙出したにもかかわらず、返事すらくれないし、あたしが知ってるのってsho-1くんからやっとの思いで聞いたここのアドレスだけ……頭の悪いあたしにはこんな方法しか思いつかないわ、」まるで怒鳴るような声で返事されたMieも驚いて思わず一歩下がってしまったが一度、深呼吸してから

「けどお姉だってもう何年も会ってないんでしょ?二人が離れた理由は知らないけど返事がないってことは" NO "て事じゃないの?」と尋ねた。痛いくらいの核心をついたMieの言葉にkumiの心は、完全に打ちのめされ、突然降りだした雨はその心にシンクロするかのように激しく音を立てている。

「いろいろ言ったところでもうここまで来ちゃってるんだし……

大丈夫!!きっとUCならなんとかしてくれるはず。とにかく行ってみるしかないょ、」

根拠のない自信はどこから涌いてきているのかkumi自身にもわからなかたったけれど、Mieの事を思う気持ちはそんな不安よりも強く妹だからといった理由じゃなしに、同じアーティストとしてMieの力になりたかった。 kumiが世間に認められ始めた頃より前からMieは姉の背中を見ながらその存在に憧れ続け、いつしか同じ夢を見始めてkumi同様にいくつものオーディションに望み、夢を追い続けた。決して平坦な道ではなかったが努力家のMieの姿は、とあるレコード会社のスカウトマンの目にとまり、そのレコード会社が企画したユニットのボーカルに抜擢された。だがメジャーデビューまでこぎつけたところで良かったが、もともと音楽性が異なりすぎたそのユニットはわずか一年足らずで解散という結果をもたらし、まだ夢の途中にいたMieはソロ活動という道を選ぶ他なかった。kumiの妹ということもあり話題性には長けていたものの、

なかなかMieの持つ世界観は認められず、最近はデビュー前の下積みよりも厳しい環境に置かれ所属レーベルから掲示される曲は、

お世辞にも"素晴らしい"なんて言葉が見合う作品もなく、人気は

下降線を辿る。そんな環境下にあった妹も救うべくkumiはみずからが所属するレーベルにMieを移籍させ他人からどう思われようが自分にできるバックアップを全面的にし始めた。kumiの所属するレーベルはkumiの旦那で数年ほど前までthe edgeと人気とTopの座を競いあった" member "というバンドのボーカルshinの父親が経営していたためMieの移籍は世間に対し逆効果を与えた。shinも初めのうちは曲の提供やいろいろと手を尽くしてくれたが、もう最近では結果の出ないMieの事に触れようともせず、それがキッカケとなりkumiとshinは今では一緒に暮らしてはいない。途方にくれたkumiだが、とあるイベントライブで偶然にもsho-1に出会いダメもとでUCへのアプローチを頼み込んだが、sho-1から

「きっと電話じゃアイツ……取り合わないかもょ。kumiちゃんはもうあの頃よりかなり前に進んでいるけど、まだアイツの傷口は今だにあの頃のままだょ。俺なんか部外者がとやかく言うのも

変だけど見てられなかったんだ、あの頃のアイツを…まぁそんなこと今さらkumiちゃんに言っても仕方ないけどさ!一応アイツの住所だけ教えておくょ」とキツイ一言を言われた。

何日か悩んで考え、とりあえず手紙を出すところまでは進めたがそこから先は進展せす今に至ってしまう。

気が付くとkumi達を乗せたタクシーはUCの家の前まで辿り着いて運転手からつたない日本語で料金を急かされ二人は追い出されたような形でその扉の前に並べられた

「きっと大丈夫ょ!あの人なら救ってくれるはず……私は信じる……だからMieも私を信じて」

さっきほどのトーンはなかったが、その言葉はまっすぐにMieの心に突き刺さりMieの不安もいくらか和らぎ、勇気を振り絞ったkumiがインターフォンを押すと何回目かの呼び出し音の後、ふと懐かしい声が聞こえてきた。

"カチャ" とドアが開く音とともに現れたUCは何にも変わっていなくて、思わず胸に飛び込んしまいそうになったkumiだが、それにブレーキをかけてくれたのはたくさんの涙だった



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