ヨブ記 2
灰の中に座ってるヨブのところへ三人の友達が見舞いに来た。
(普通は伝染るから、近寄らない)
もうヨブは全身ブヨブヨのボコボコで原型をとどめていない。
友達たちは、ヨブがこんなことになったのは、ヨブが何か悪いことをした報いのはずだと言う。
友達「思い出せ、なんか悪いことしただろ?」
ヨブ「ぜっっったいに悪いことなんてしてない!」
友達「それじゃ神様が間違ってることになるじゃん、それはおかしいよ」
ヨブ「神様の手違いのはずだ!」
友達「おまえ、何てこと言うんだ」
友達は因果応報だと言い、ヨブは無実だと言い張る。
その討論が平行線のまま延々続く。
ヨブは神を呪いこそしないが「生まれてこなきゃよかった」とか「死にたい」とか嘆く。
そして「私は無実です」と強く告訴する。
それを聞いて友達の「いや悪いことやったろ」という突っ込みが入り、
「いいや、やってない」の討論が延々続く。
長い長い討論の末、ついに神様はヨブに話しかける。
ヨブの疑問に答えてくれるのかと思いきや、とんでもないことを言う。
「お前、俺が宇宙を作ったとき、それ見てた?」
「えっ!?」
「大地を作ったのは俺だ。海を作ったのは俺だ」
その他、延々と神様は自分がこの世界の創造主であり、俺スゲーを繰り返す。
あまりの壮大さ、偉大さにヨブはくらくらする。
「答えろ。全能の神と争うというのか」
「うへえ……私が至りませんでした。悔い改めます」
そもそも神様は友達のいうような因果応報装置なのか?
神様は何でもかんでも答えを出してくれる存在なのか?
神様というのは……ああ、そうか。
ヨブの皮膚病はたちまち治った。
神様はかつてヨブが持っていた財産を二倍にして新たに与え、やがて次々に新たな息子や娘を授けてくれた。
ヨブは140歳まで長生きした。
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これは素人には難しい話です。
神様がいるのに、なんで不幸は起こるのか。
無実の人が不遇な亡くなり方をしたりするのか。
そういう問いに因果応報という安直な答えを出していないのがミソかもしれません。
突然の謎の大病にかかって、何で俺がこんな目に……と思っているときに、某信仰宗教のオバチャンが「先祖に悪いことをした人がいたのよ(だからうちの宗教入りなさい)」などと、したり顔で言ってきたりすると、ぶん殴りたくなりますよね。




