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王者の奏

クリュサル将軍やその他の方々もとても親切な方ばかりであった。

そして今回の戦いも勝利という形で終わることができ友をなくした者は嘆き悲しんだが大半は勝利に酔って首都までの帰路についたのだった!

その途中私は色々な事を教わり、ここで生きていくしかないという絶望もまた教わった!


そしてバイストスの首都ブローリアで私はライア王に会うために門をくぐった!

ひとたび門をくぐると凄まじい歓声が雨のようにふりそそいできた。

戦場でのあの戦慄とはちがい首都ブローリアは喜びの旋律をかなでていた。


そんな中わたしの目を見張ったのは、すべてが整理整頓され綺麗に等間隔に作られた家々のその美しさだった。

まるで巨人が空から見下ろしながら作ったのではないかというくらいの代物だ!

この国の基準がとても高いという事が記憶を無くしている私にも本能的にわかったきがした!

そんな中前から真っ赤な見事な馬に乗った一人の青年が駆け寄ってくる!年は私と同じくらいだろうか、だいだい28前後であろう!

短かい髪の毛を逆立てて真っ赤な髪と真っ赤な馬はとても絵になる風景であった!


『殿下!わざわざお出迎えなさられずとも、我々が来るのを待っていてくれれば宜しかったのですぞ』

そうクリュサル将軍に言われた王は

『みなご苦労であった』

そう一言叫ぶと戦士達をねぎらってやった。

これが私とライア王の始めての出会いである!

そしてその王者らしからぬ馴れ馴れしさに私は好意を抱き、彼のために剣をふる事になるのである!



クリュサル将軍一行は玉座の間に通され、軽快な靴音とともにライア王は遅れてやってきた、どうやら戦士達をねぎらい遅れてきたようだ。

彼は入ってきしだい礼をする私たちを別室に案内しすぐに食事が始まった。

お酒はどうやらでないようだ、報告もかねた食事会らしい。

しかしテーブルに並ぶ料理はお酒のことなど忘れるくらい豪華で、また味も格別であった。

海も近いため新鮮な海産物がテーブルをうめつくし、お腹が減り疲れ切った将軍達は大陸を制覇するかの勢いですべてをくらいつくした。

それをにこやかに見ていたライア王はテーブルという名の大陸が完全に制覇されてから今日の報告を聞いて回った!


『それでは今回もまた本格的に攻めてくるというよりは様子見と言ったところだったのだな!まったく隣の女王はいったいなにを考えているのやら…』

そう言い終わると王は私の事をみてきた!

『それで、彼はこの話しをずっと聞いていたがいったい何者なんだい将軍』

『彼も彼方の世界からやってきた我らの仲間です』

この時私はギクリとした、なんとくな着いてきたがここで敵国が送り込んだ者なんかと間違われて殺されたらたまったもんじゃない!

それも杞憂に変わったのはすぐ後のことである!

『おお!そうかそうか!この世界では異世界から来た我々は他の国ではすぐに殺されてしまう…バイストスの近くで本当によかっった!』

そして王は歓迎の儀をするので祝杯をもってこさせた。新しい仲間を迎えるさいはみなで天に向かいこの祝杯を飲み干し数秒間の沈黙のうちに自分と相手の安全を祈願するのが習慣なのだと教えてもらった!

お酒の弱い私はこの祝杯の中身がバイストス一度数の高いお酒とはしらず飲み干した後に、もう一度天を仰いでゆっくりと瞼が下がっていった。


翌朝激しい頭痛で目をさましたが、今回はちゃんと柔らかい寝台で目を覚ました!

『大丈夫かい?』

声とともに一緒に水が差し出される!

『ありがとう!とてもたすかるよ…って王様!!』

彼は神出鬼没のようだ。

『ディーンさんでいいんだよね?挨拶が遅れました。僕がバイストス国王ライアです!どうぞよろしく!』


それから色んな事を話し合った!彼はやはり私と同じ28歳のようだ、そしてここでも色々なことを学ぶ、異世界からきた者は時間がすぎるにつれて色々な事を思い出すらしい。

ただどこの世界から来たかを思い出す者は一人もいないようだ…

現に私も自分の年齢を思い出していた、そして自分が戦闘に対してかなり自信があることも思い出しそれから私はライア王の剣術指南役としていつも側にいるようになる!


そして彼の王としての素質にほれこみ、彼の良き友としてこれからこの世界で過ごしていくのである!

あの出来事がおこるまでは…


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