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RPG ~序章~  作者: 世羅
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殺さないということ


「こわっ」


「えっ」


神崎はわざと怯えたような目で上条を見る。リアルに少し傷ついているようだ。


「瞬殺って・・・・


体は大丈夫か?」


「ちょっとフラッとしたけどもう大丈夫だよ。


この力、強いみたいだけどあんまり使えないみたい・・・ごめん・・・」


使えない、というのは血液の消費量が多くすぐに貧血状態に陥ってしまうから多発できないということだ。


「どうするんだ?」


フレイが話を切り出した。


「もう敵は殺せなくなってくるぞ?もしペアが来たらお前たちは逃げるしかない。だからむやみに排除(リジェクション)を使わないほうが良い。」


「あんたが守ってやるのよ!」


「いででででで」


アルマが神崎の髪を引っ張る。上条は少し恥ずかしそうにうつむく。


(わかってるっつーの)


照れくさいので口には出さないが神崎はちゃんと役目を理解していた。

今さっきの出来事も注意して、今度はあまり寄り道をしないように上条に厳重注意して歩みを再開した。






















「や、やっちまった・・・・・」


「お、お頭ァァァ!!!」



こいつらは先ほど神崎と上条がエンカウントしそうになっていたDQNである。

彼らは8人いた。そして、今、怒りに身を任せ敵をぶち殺したところだ。


今のがちょうど17人目。

集団戦法で弱者をリンチして殺すという非道なやり方をし、様々な武器を手に入れていたためかなり強い部類であろう。もし、ドラッグストアで神崎たちがエンカウントしていたら死んでいたのではないか。そう思える程に。


「大丈夫だ!こんなもん!


誰かが見張ってるわけでもあるめえし!ほら見ろ!もしオーバーで死ぬならもう死んでるはずだろ!!!」


確かに・・・と安堵の雰囲気に包まれる不良集団。そしていつもの汚い笑いに変わる。

「お頭ビビったんですかぁ?」「バカいえ、ビビってんなら殺さずに半殺しで止めるだろぅが。」「さすがお頭!」のようなバカみたいな話をしては笑う。


しかし、1つの音。カツン、という足音が集団を支配した。


集団全員が足音の方向を見る。そこにいたのは黒いローブを着た誰か。フードをかぶっていて中身は見えない。


「なんだぁ?」


ガンを飛ばしながら見知らぬ人間に声をかける。いや、見知らぬ生物と言った方がいいのだろうか。

それが顔をあげると、肉がない。骸骨。その姿、まさに死神。


その恐怖の象徴とも言える形相と雰囲気に頭の子分は腰を抜かすものもいれば恐怖で今にも叫び声を上げそうなやつもいる。だが頭は何も動じない。


「おい!落ち着けてめえら!


ここはゲームの世界だ、モンスターが出てきたところで何も恐れる必要はねえ!」


「ああ、そうか・・・!」


その言葉に納得し落ち着きを取り戻す子分たち。人をまとめる才能はこの頭にもあるようだ。


「人間よ。」


死神の声。何かに引っかかるようなラジオノイズ。とても人間が出せるような声じゃない。ガガガという音が絶え間なく入っているが声はしっかり聞こえる。不思議で不気味な声。


「ルール破りは死。


貴様らのお命頂戴する。」


よく見ると腰には刀。鞘も柄も漆黒色。ローブと同化していて見づらい。


「それは無理だなァ!


<<擬似分身(ドッペルゲンガー)>>」



すると頭の数が2倍に増えていく。

2,4,8,16,,,,,,,,,,256,512とどんどん増える。そしてそいつらが全員拳銃を持っていた。マガジン式のオート拳銃でいちいちリロードする必要がなく、1つのマガジンにつき20発の鉛玉を放てる。ちなみにこれは血液を使用しない。しかし、弾がなくなったら撃てない。レーザーガンのように血液を代用することは出来ない。



「文字通り蜂の巣だぜええええええええええええええ!」


1人が引き金を引くと銃弾が一斉に轟音と束になってなって死神に襲いかかる。



全ての頭と子分の肉体が3分割された。頭、胴、下半身と。

気づくまもなく即死した。


ちなみに銃弾は全て対面の壁やら地面やらに撃ち込まれていて、それ自体に傷は何1つなかった。


















「,,,,,,?」



「お目覚めかい?」


科学者のような白衣を着てメガネをかけた細身の男が頭に語りかける。


頭だった人間はどこか暗い部屋で目を覚ました。手足を動かそうとしたが全く動けず、頭にはヘルメットのようなものもついている。

何か罵倒を吐いてやろうかとも思ったが、麻酔か何かで麻痺していて何も喋れないようだ。口には酸素吸入器のようなものがついている。



「よーーーーーく聞きなさい?


君はもうこっちの現実世界には帰って来れない。君は、ゲームのCPUとして永久に役立ってもらうよ?」


顔も塞がれ何も見えないが驚愕しているのはわかる。


「君はゲームに負けた。ゲーム開始時はその時は死ぬというように言われているのだろうが実際は違う。


現実世界から死ぬのだ(・・・・・・・・・・)。時間はゲーム内だととても遅い。この先数万年くらいかな。現実では10年にも満たないけどね。


表情や行動は決められ自分で動くことは出来ない。パートナーは別だけどね。しかし、その中の君は感覚をリアルに体験する。腹は減り、痛みは感じ、睡眠欲にもかられるだろう。しかし、それを行うことは出来ない。一生と思える時間の間、ずっと空腹で、ずっと欲求にかられ、しかし何も出来ない生殺しだ。」


頭は顔が真っ青になる。


「クリアすればそれらはみんな解放されるが、クリア出来る者なんていないだろう!フハハハハハハハハ!!!」



頭は暴れたい、逃げ出したい気持ちでいっぱいだろう。しかし、状況も理解できず、ましてや動けないように薬を打たれている状況では逃げられない。



「最期に、なんでこんなことするかだけ教えてあげようか?















面白いから♪」



白衣の男はあるスイッチに指をかける。



「それじゃあ、地獄へ!


サ・ヨ・ウ・ナ・ラ♪」



頭だった人間から意識がなくなった。

それは地獄への旅立ちを意味する。遠い遠い未来まで。

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