31-新たな不安が・・
「麻耶、上原を逮捕したよ!」
「えっ、本当ですか?」
「本当だ!!」
「龍太郎、無事なのね?」
「あー、大丈夫だ、少し脚をやられたが!」
「えっ、脚・・・本当に大丈夫なの?」
「君は、今何処だ?」
「はい、彼女の家よ・・・それで!!」
「ボデーガードに変わってくれるか?」
「いいわ、でも・・・??」
「いいから、早く変ってくれ!!」
龍太郎にしては、かなり口調が厳しい・・何か・・・
ボデーガードと龍太郎何やら真剣な話、すぐにボデーガードの顔色に、
緊張が走るのがわかる。
ボデーガードを後2人追加するらしい。
と言うことは、麻耶にも危険が・・・
そして、麻耶に再び携帯電話を無造作に手渡す。
「麻耶、その場所は大丈夫だと思うが、安全のためにボデーガードを、
後2人手配してもらう。」
「と、言うことは・・」
「そうだ、上原を拘束したが、やつらの仲間を数人逃がしてしまった。」
「狙いは・・私・・?」
「いや、君ではなく恐らく、僕だろう!」
「彼らのやり方を見ていると、君を拘束すれば・・・僕が・・・」
「龍太郎が、私を助けに・・・?」
「おそらく、・・・・」
「どうしてなの?」
「君のほうが簡単に拘束しやすいからだろう・・・」
「ひどい、でも上原は捕まえたと・・?」
「上原は、僕に対する相当な偏見が・・・・」
「そして、ロシアでこれから、事業を大きくしていくチャンスだったらしい・・」
「はじめは、僕と君の関係にジェラシーだけだったが・・・」
「上原は、ビジネスの面でも邪魔になった・・・?」
「おそらく・・・そうだろう。」
「そして、ロシアにやって来て、KGB崩れのやつらと手を組んだ。」
「その残党が、こちらに、やってくる。」
「そうだ、まだその場所は奴らに発見されていないが・・・時間の問題だろう?」
「わかったわ。それで、私は・・・どうしたら・・?」
いつの間にか、そばにやってきて事の重大さを認識したアナスタシア、
顔色が見る見る青くなってしまっている。
麻耶は、これはまずいと、心がふるえた。
折角落ち着いてきたところなのに、
「おい、麻耶どうした?」
「あっ、何でも・・・!」
アナスタシアには、当然ロシア語は当たり前だが、日本語もある程度理解できるらしい・・
そこで突然麻耶は、英語に切り替え、大丈夫な雰囲気を作るために、
明るい話しぶりにして、後で詳細は聞くと言う言葉で、
龍太郎の電話を切ってしまった。
「あとで・・・!! 十分注意するから」と、一方的に。
おそらく、龍太郎も事の次第を理解したのだろう。
切れる寸前に「ボデーガードを、急がせる!」と
やはり、アナスタシア、麻耶の目をじっと心配そうに見つめる。
「どうしたの、麻耶・・・?」
「大丈夫よ・・・!!」
彼女もよっぽど心が強いのか、話の内容が分かっているはずなのに・・・、
あえて、“どうしたの?”と、知らない素振り。
やはり母になるという事が、彼女の心を強くしているのか・・・
麻耶も、もし母親になる様な事があれば・・・アナスタシアみたいに強く・・・
龍太郎は、実はやつらを拘束するに当たって、敵の流れ弾が左脚、の脹脛を運が良いのか、悪いのか、弾が貫通した。
貫通したお陰で病状的には大きな損傷にならずに済んだ。
救急車で早く搬送され、選りすぐりの、病院に運ばれて、
処置を受けたばかりだった。
そして、麻耶の事が心配になり、急いで2人の応援を頼み、
麻耶に電話したのだった。
しかし、焦っていたせいか、アナスタシアの事を・・・
大きな失敗を・・・折角いい方向に向いていたと聞いていたのに・・・
彼女が心配だ・・・、脚は処置して、痛みはあるがなんとか動ける。
そこへ、突然携帯のコール音だ。
配信元は日本から・・例の、調査を依頼した人物からだった。
「えっ、何だって・・・!!」
「はい、可能性が無いわけではないそうです。」
「そうか、で、その子の年齢は・・?」
「それが・・・一致している・・・らしい・・か、と・・」
「うむ・・・わかった、有難う。」
「引き続き、もっと確実な・・・そう・・・証拠でも・・」
何と言う事だ、麻耶の情報では・・・・違うと・・・
龍太郎、一気に複雑な気持ちに・・・
やはり、もう麻耶とは・・・・
とにかく、麻耶は絶対に守らなければ・・・
そう、己の命に代えても
だが、龍太郎自身、身動きが・・・
脚の痛みは、強力な鎮痛剤を注射してもらい、何とか動くことはできるが。
ドクターから入院を勧められたが、あえて断った。
と言うより、自主的に退院してしまった様なものだ。
そして、一緒に行動したボデーガードの一人も防弾チョッキの、間の首筋を撃たれ、かなりの重症だ。
上原も拘束したが、現在、軍の管理下の病院で手当を受けていると、知らされた。
とにかく、この地は、かなり危険な場所だ。
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