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奇跡の巡り会い
作:浅見 希



29-哀れな怨み が?


麻耶を襲った犯人と、人体認証システムを破壊した強盗団は同じグループらしい。
“もしかすると、内通者が?”“まさかとは思うが?”
そう思った龍太郎は、いやな仕事を始めなければ・・・・ 
いやな仕事だが、やらなければ・・
社内外の身近な人物の中に、情報を外部に漏らす人間がいるのかを、一斉に洗い出すことを始めた。
一刻も早く善後策を講じないと、人体認証システムの機密が心配だ。
まあそう簡単にシステムが真似される心配は無いが。
わが社の技術者が、いっしょに流失すれば状況は変わってくるが・・・しかし、
最後の最重要のポイントは龍太郎でなければ無理だろう。
 龍太郎の影で動く調査部が、わが社で働いていた奴が、
一枚絡んでいたらしい事を突き止めた。
「何、内で働いていた奴がロシアに来ている・・・!」
 「はい、別会社に転勤させた奴が・・・!」
「で、名前は?」
 「はい、例の上原勇作と言いまして、松本麻耶の同僚だと・・・!」
「そうか、あの男か?」
 「大友様は・・・ご存知で!?」
「あぁ・・・おそらくわしと、松本君を・・・!」
 「あっ、思い出しました。」
「そうだ、あらぬ噂を立てた!」
「不届きな奴だ!!」
 「それで、恨んで・・・!」
「そうだろう・・・?」
「で・・、奴の居場所は、つかめたのか?」
 「今現在、我々が手分けして・・・、それに、現地のある筋に・・」
「そうか、奴もバカなことを・・・!!」
「それで、奴はわが社の機密をどの程度・・・知っている?」
 「認証システムに関しては、殆ど何も・・!」
「そうか、では、奴らは、松本君と、わしに対する嫌がらせか?」
 「いや、嫌がらせと言うか、金になると・・・!」
 「おそらく、ロシアに来て、金に困っていた時、偶然麻耶様を・・」
「まったく、バカな奴だ!!」
「まあ、機密に関しては、さほど心配はしていなかったが!」
 「はい、その点は、大友様のことですから!」
「とにかく、一刻も早く探してくれたまえ!」
 「はい、早急に!!」

 近くで電話の内容を聞いていた麻耶、目を真っ赤にして、
体がブルブル震えていた。
 ベッドで寝ていた麻耶、何故かいやな夢を見た様で、水を飲みにロビーへやって来た。
そこで、龍太郎の電話に聞き入ってしまったのだ。
呆然としたまま、バスローブ姿で・・・

 「どうして、何で、彼が??」
「あっ、いやな事を聞かせてしまったな。」
「すっり、寝ているものと、ばかり・・・!!」
「少し、私の対応が甘かった様だな!?」
 「ひどい人ね・・・まるで悪魔か、鬼ね!!!」
「うぅ・・ん・・!!」
 「あの時、彼を撃ったのも上原・・・!!」
 「許せない、絶対に・・・」
 「あんな、優しい彼・・・」
「ヴィクトル・ムラブレンコフを、むごいわ!」
「絶対に許せない・・・許せない・・」
「麻耶、おそらく捕まるのも時間の問題だろう!」
「今、地元の人間と、私の部下が必死に探している・・よ!」
「もう少し、で見つかる!」
 「そうね、必ず・・・」
「麻耶・・・、君は・・・あの青年が好きだったのか?」
 「そうね、この不安な地に来て一番優しく接してくれた人だもの?」
「そうか・・それは・・!」
 「それでね、彼・・・!」
「日本語が少し喋れたの・・・片言の単語だけど・・?」
「それは・・・・どうして・・?」
 「彼の父親が、日本に来た事があるみたい・・・?」
「えっ、日本に?」
 「そう、日本に それで、片言の日本語を・・・」
彼の言った言葉を繰り返すわ・・・えーと確か・・・

“「あっ、それと少し日本語喋れます・・・」”
“「例えば、“ソウヤ”“リシリ”“オトサン”かな・・・」“
 “「えっ、何処で、誰から・・・教えて・・?」“
“「わかりません!?」”
 “「そうですか・・・?」”
“「ただ、昔、父が船に乗っていたようです!」”
 “「えっ、船に・・・」“
 “「じゃー、きっと北海道に・・・」”
“「よく分かりません、もう父が死んで5年になります。」”

俄然興味をもった龍太郎、これは・・・・
後で、調べる必要が・・・
 “もしかすると・・・ 麻耶・・”
また新たな疑問が・・・












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