奇跡の巡り会い(16/47)縦書き表示RDF


奇跡の巡り会い
作:浅見 希



16-何、麻耶が・・


龍太郎は、麻耶が部屋に居ないのが気になった。一体何処へ・・・・
ロシア語は堪能とは言え、初めての地、地理感覚は・・・まずいだろう・・
心が騒ぐ、心配だ、・・・・何処にいる、ホテルのフロントに状況を聞きに降りて行く。
「彼女は・・・・」
 「はい、龍太郎様、どうなさいました?」
「何処に行ったか知りませんか?」「麻耶は・・!」
 「一日先に日本から到着された・・・、あの可愛いらしい・・お嬢様?」
 「ですか?」
「そうだ、どこかに連絡は??」
「確か、電話帳を・・そして市外局番に電話を・・・!」
「少々お待ちください・・・」
「あっ、ある人物の住所と行き先を・・・聞いていたか、・・と・・・」
「至急その電話番号を確認してください?」
「はい、かしこまりました、直ぐに調べます!!」
 「どうも、サトラフ方面へ、行かれたようです?」
「えっ、サトラフ・・!」「ばかな・・・あんな所へ一人で・・」
「ボスニアの近くでは?」
 「いえ、まだボスニアには、それ程近くはありませんが・・・」
 「でも、まだ・・・」
「どうして・・止めて・・・くれなかった・・!!」
 「はい、お止めしましたが・・・」
 「何せ、ロシア語がご堪能なのと・・・」
「それに・・・いつの間にか・・・姿が・・・」
「わかった、もういいです!」

そう言いながら、早足でホテルの部屋に戻った。
手当たりしだいに、電話を掛けまくっていた。
かなり使い込まれた手帳を片手に・・・
微かに聞こえる声の中に“サトラフ”“優秀な護衛”“治安状況”“ボスニア”
“拳銃”“スナイパー”“麻耶”“松本”“日本人”“領事館”“大統領”
“政府高官”“賄賂”等・・・等、
日本で聞いたら、かなり物騒な言葉がたびたび現れる・・ 

龍太郎、慌しくホテルを出る。麻耶に置手紙をフロントに預けて・・・
ホテルを出ると、そこにスーッと一台の車が近寄って来た。
メルセデスの最高級のランクの車種だ。年式も現行モデルだ。
おそらく、相当の地位か、富の豊かな人間である事が想像される。
後部座席から降りてきた。
いかにも高級官僚と言った、気品の漂う端正なマスクの男が一人、スマートに。
そして、龍太郎と肩を抱き合い、そして硬い握手。

「すまない、ロトキン!!」
 「気にするな、リュウタロウ!」「君には散々世話になった・・から!」
「所で、何か情報は・・・」
 「うむ・・伝え伝えで、あるひとつの情報が・・・」
「で、それは・・・?」
 「まあ・・今私の部下が交渉に向かっている!」
「君の返事は・・・すこし・・・!!」
 「そういう事だ、君の想像するように・・・な!!」
「お願いだ、何としても無事で助け出したい!!」
 「勿論、最大の努力はする・・・」
 「が、・・・しかし・・・!!」
「そうか、金か?」
 「まあ・・・! そういう事になりそうだ!」
「金なら・・・、きっと何とかする、 絶対に!!」
 「わかった、俺も君に最大限の努力を惜しまない・・よ!!」
「有難う、恩にきる。 それと彼女の無事が絶対だ、絶対に、・・だ!!」
 「わかった・・・!!」
「とにかく、君の国ではかなり乱暴な手段を・・・」
 「それは、言わないでくれ!」
「・・・・・!!」
 「われわれも、なかなか意思の統一が、な・・ それに・・・昔の強硬派が今も・・・」
「KGBの・・・か?」
 「そうだ、とにかく、やつらは今多くの人間が、職の行き場に困っている。」
「政府の仕事も今と全然違う。」
「やつらは、経済に関する事はからっきし、だ・・・」
「すぐに力・・すなわち武力に・・・」
「おそらく、今回の君の娘か・・!」
「それを狙った・・・可能性が!?」
「おい、ひとつ訂正させてくれ、娘では・・ない・・??」
 「まあそんな事はどうでも・・・良いだろう?」
 「逆に、君の会社の人間である事が、彼女にとって幸いした。」
「・・君にも・・だ!」
「どう言う意味・・・」
「あっ、そうか・・・交渉の・・・!」
 「そうだ、金が・・・彼女を・・助ける・・・だ!!」
「・・・そうか!!」口をきつく結びながら・・龍太郎強く頷く。

そこへ、エドゥアルド・ロトキンの携帯電話が鳴った。
急いで携帯を取り出し、小声で話す。
その電話に必死に、くらい付くように、聞き耳を立てる龍太郎。
会話の内容は微かだが聞こえて・・・“金”“撃た・・・”

”何、撃たれた“そんな・・・呆然とする・・・龍太郎・・・












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう