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境界迷宮と異界の魔術師 作者:小野崎えいじ
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番外1 ドラフデニアへ向かって

 七家の長老達はタームウィルズに戻り、俺達はシリウス号に乗ってブロデリック侯爵領から更に東へと向かった。
 真っ直ぐ最短距離を通ってドラフデニア王国へ行きたいところではあるのだが、東の隣国ベシュメルクは後継者問題で中央が政情不安定らしく、最近雰囲気がピリピリしているという話も伝わってくる。なので安全策として東の山岳地帯に沿って北東寄りの進路を取り、ドラフデニア側に抜けるという航路を選んで進んでいるわけだ。

 急ぎではないので、速度を控え目にしたのんびりとした旅である。
 なので甲板に出てみんなで作った弁当とお茶を楽しみつつ、春の景色を見ながら目的地まで行こうという話になった。
 日当たりのいい場所に敷布を敷いて弁当を広げてと……何となくピクニック的な雰囲気がある。てきぱきとみんなで準備を進め、腰を落ち着けたところで……ふとステファニアが言った。

「その、世間の恋人同士では……食事を食べさせあったりする、なんてお話を本で読んだことがあるのだけれど本当?」

 えーっと……。本、本ね。察するに割合健全な恋愛小説的な内容だろうか。
 貴族のそれ、というよりは庶民的なやり取りな気がする。
 だが、それだけにステファニアとしてはそういうやり取りにも憧れがあったりするのだろうか。
 俺としては気恥ずかしいのだが……一方でそれで喜んでくれるのなら、という気もする。その……恋人というか夫婦なのだし、何より新婚旅行なんだし。

「する人もいる……んじゃないかな。ええと……試してみたいならやってみようか?」

 と答えると、ステファニアはみんなに視線を向ける。クラウディアとローズマリーは視線を逸らしたが、他のみんなは気恥ずかしさより割合乗り気な様子で、楽しそうにうんうんと頷いている。
 それで決まりだった。だが、こう、全員と、という流れになるのは確定事項なんだろう。

「それじゃあ、やっぱり順番はグレイスからかしら」
「ふふ。ステフ様からどうぞ。発案者ですから」

 グレイスはにこにこしながら順番をステファニアに譲る。

「ええっと。そ、それじゃあ。……あーん」
「あ、あーん」

 隣に座ったステファニアが差し出してきたサンドイッチを口に運んでもらって、そのままもぐもぐと食べる。
 俺が食べたら今度は俺からサンドイッチをステファニアの口に運んで食べてもらう、という具合。

「これは……結構恥ずかしいけど……。こんなこと家臣や領民の前じゃできないものね。うん。楽しいかも知れないわ」

 と、中々に楽しそうな様子だ。割と一口で食べやすいものが多いのはお誂え向きか。

「その……少し申し訳なくは思いますが、照れているテオの姿も好きかも知れません」

 続いてステファニアの座った方とは逆隣にグレイスが隣に来て、そんな風に微笑んで言った。
 ああ、うん。俺の周りにみんながいて、という状況がグレイスとしては嬉しいのだろう。昔の俺ならもっと周りに壁を作っていたように思うし、グレイスはそれを心配そうにしていたからな。

「美味しいですか?」
「うん。それじゃあ、グレイスも」
「はい」

 と、言った調子で腰かけて目を閉じ、小さく口を開けて待っているグレイスの口元に唐揚げを運ぶ。

「ふふ、美味しいです」

 唐揚げを食べてグレイスが言った。
 グレイスとのやり取りが終わるとアシュレイが座って……両隣にステファニアとグレイス、正面にアシュレイといった位置関係になる。
 うん……。何だろう、この気持ちは。食事中だというのに全然落ち着けない。こんな間近でみんなに見られながら食事というのは……。あと、みんなに囲まれて食べさせてもらうというのは……想定していた絵面と若干違うような気がしなくもない。

「テオドール様。次は何を食べたいですか?」
「ええと。それじゃあ今度はそっちのキノコのソテーを」
「分かりました」

 アシュレイとも料理を食べさせ合う。一口サイズに切られているキノコのソテーを食べさせ合えば、アシュレイの小さな唇がもぐもぐと動いて白い喉が食べ物を嚥下する。
 うーん。どうしても間近でみんなの食事シーンを見ることになるな。食べさせてもらうのも食べさせるのも、こう、刺激的というか何というか。

「それじゃあ、交代ですね」
「え、っと。私達は、その、最後で良いわ」
「え、ええ。そうね」

 クラウディアとローズマリーは中々踏ん切りがつかないらしい。
 順番を譲ってもらってマルレーンが隣にやってきて、逆隣にシーラ、正面にイルムヒルトが腰かけた。

「じゃあ……次は果物を食べようかな」

 そう言うとマルレーンは頷き、手頃な大きさに切られた果物を差し出してくる。マルレーンとは何というか……気恥ずかしさより微笑ましさのような物が勝るが。
 こちらも果物を口のところに持って行ってやるとマルレーンは嬉しそうに果物を食べる。髪の毛を軽く撫でてやると嬉しそうににこにこと笑う。

「次は……ええと。スープかな」
「ん」

 シーラがスープの皿を手に取って……スプーンで掬い、それから首を傾げた。

「冷ました方が良い?」
「いや、それは……」

 地味に破壊力が高い。赤面してしまうのが分かるが、それを見ているみんなは楽しそうというか。
 ……クラウディアとローズマリーも頬を赤らめつつこっそりこっちを見ているし。
 流石に冷ましてもらうのは、とも思ったがトマトスープの温度は食事の前に温め直してあるので割合高めである。火傷しても何なので、結局息を吹きかけスープを飲ませて貰った。えーっと。これを……返す方もやるのか。

 こっちが気恥ずかしいのに割合シーラは表情に出ない。尻尾は動いているが。

「美味」

 と、マイペースなシーラである。

「ふふ、テオドール君、大変」

 イルムヒルトがにこにこと笑う。苦笑して次のリクエストをする。

「それじゃあ、次は卵焼きを……」
「ああ、それ私が作ったのかも」

 イルムヒルトが言った。イルムヒルトの担当は卵焼きであったようだ。
 嬉しそうに差し出してくる卵焼きを咀嚼する。

「美味しい?」
「ああ、うん。いい出来だと思う」

 と、頷く。ふんわりとした卵焼きは上々の仕上がりだ。こちらも卵焼きをイルムヒルトの口元に持っていくと、イルムヒルトは美味しそうにそれを食べていた。

 3人に食べさせてもらうと、続いてクラウディアとローズマリーの番である。2人は深呼吸をすると、両隣に腰かけた。

「ええ。もう大丈夫よ」

 まだ顔は赤いがクラウディアが言う。

「う、うん。それじゃあ、アスパラのベーコン巻きを」
「これね」

 そっと差し出してくるそれを口に運ぶ。ああ。これも良い出来だ。ベーコンの焼き加減が絶妙である。

「どう、かしら」
「焼き加減が丁度良いね。ほんの少しカリカリしたところが香ばしい感じで、挟んであるチーズも合ってるし」

 クラウディアが笑みを浮かべて頷く。というわけで、こちらもお返しをする。

「迷宮村の小さな子供に食べさせてあげた、というのはあるけど……食べさせてもらうというのは流石に初めてね」

 アスパラのベーコン巻を食べたクラウディアは、口元を押さえながら、顔を赤らめてそう言った。

「そうなんだ」
「貴重な経験……なのかしら。テオドール以外とじゃ考えられないけど、毎回は流石にね」

 かも知れない。俺としても毎回これをするのは頭が茹だる。 

「それじゃあ一品ずつ食べてきたから後は……」

 と見回し、目に入ったのは。

「お茶……かしら」

 ローズマリーは首を傾げてティーカップを手に取ったが、途端顔が赤くなった。

「え……。わたくしも冷ました方が良い、と?」
「……えーと」



 ……うん。まあ結局ローズマリーとは互いにお茶を冷まして飲ませ合ったわけだが。
 毎回は厳しい。今回だけという事にさせてもらおう。

「……長閑で良い天気ですねえ」
「本当。こんなにのんびりできるのは久しぶりかも知れないわ」

 食後にお茶を飲んで、のんびりとした時間を作る。
 グレイスの漏らした言葉に、ステファニアも笑みを浮かべた。

「今までは旅行って言っても、目的があったり、帰ってからやることも多かったからね」

 仕事なら今でも色々あるが……魔人対策をしていた時のような緊急性が無いから、心理的な面で気楽なのだと思う。動物達も気を抜いた様子で、のんびりと寝そべって日向ぼっこしている。
 コルリスも甲板の上で腹這いになって……ステファニアとマルレーンの背もたれ代わりになっていたりして。ラヴィーネもアシュレイの隣で寝っ転がって頭を撫でられ、随分と寛いでいる様子だ。
 俺は俺でリンドブルムに寄りかかっていたり膝の上にカドケウスを乗せていたりするわけだが。
 くあ、とリンドブルムが暖かさからか、大きな欠伸をしていた。イルムヒルトの演奏に合わせてセラフィナが歌を歌っていたりして。うん。平和だ。

 山岳地帯……と、一言で言ってもその景色は変化に富んでいる。山の斜面に綺麗な花が群生していたり、標高の高い山にまだ雪が残っていたり。
 高所から見る稜線や雲海などは、普通は高峰を登頂した時にしか見られない風景だから、絶景と言えるだろう。

「今はどのあたりなのかしら?」
「えーと。地図上だと……このへんかな?」

 クラウディアの質問に敷布の上に広げた地図を指差して答える。

「ん。もうそれじゃそろそろ?」
「うん。じきにドラフデニア王国に入れると思う」

 もう少し行ってから南下していけばドラフデニア王国の国境付近へ出られるだろう。
 西にヴェルドガル。東にベシュメルク。ベシュメルクの北に広がる山岳地帯を更に北へ抜けたあたりが大森林の広がる獣王の国。ベシュメルクより東がドラフデニア王国、という位置関係になる。

 この山岳地帯に広がるようにハーピー達の集落も点在しているわけだ。転移魔法によって行き来もできるから、メルヴィン王からドラフデニア王国への使いもハーピー達の集落への転移を利用させてもらったという話である。
 人里を離れた山岳地帯で国家や領主の力も及ばないとなると、そこは既に魔物達の支配する土地と言える。その山岳地帯でハーピー達の協力を得られる意味合いというのは、かなり大きいのかも知れない。

 そうして山岳地帯を抜け――今度は平野部へと。
 場所的には既にドラフデニア王国内だ。新しい技術である飛行船に関してはまだ国家間での扱いに関する共通認識が決まっていないということもあるが、シルヴァトリアやバハルザードでそうだったように、竜籠での移動と同様の手続きで進むということでドラフデニアからの了解も取り付けている。
 要するに、都市部から都市部への移動だ。必要なら、内部を見せて軍事目的の訪問でないことを証明したりするつもりもあったのだが……まあ問題ないということならあまり手間も食わないだろう。

 街道沿いを通って進んでいくと、やがてドラフデニアの都市が見えてくる。
 見張り塔の兵士達はシリウス号が視界に入った時点で、若干慌てた様子で走り回っていたようだが、通達が行っているのだろう。落ち着きを取り戻した兵士達は城壁に並んで、貴族が乗る竜籠を迎えるように折り目正しく整列して待機していた。

 その兵士達の中に、領主らしき貴族も並ぶ。ゆっくりとシリウス号を進め、甲板越しに領主と対峙する。

「お初にお目にかかります。ヴェルドガル王国国王メルヴィン陛下より、フォレスタニア境界公として封じられました。テオドール=ウィルクラウド=ガートナー=フォレスタニアと申します」
「これはご丁寧に。私はこの地方を預かるベルナール=クロフベルツと申します。貴国にて新しき高位貴族が封じられ、我が国への新婚旅行にお見えになると使者から聞き及んでおりますが……これほどお若いとは」

 ベルナール=クロフベルツ。ドラフデニア王国の貴族の1人で侯爵位ということらしい。
 武人気質で信用の置ける人物、という話だ。まずクロフベルツ侯爵領に赴き、そこで侯爵と必要な話ややり取りをしてから、いよいよドラフデニア国内に入っていくという段取りになっている。

「そのお話に相違ありません。ドラフデニア王国の高祖、アンゼルフ王(ゆかり)の地を、妻達と共に見聞したく、貴国を訪問致しました。これは、陛下より預かっております書状になります」
「拝見いたします」

 メルヴィン王から預かっている書状を侯爵に渡す。封蝋を確かめ、その書状の内容に目を通し、侯爵は小さく頷いている。

「それから……他の目的が無いと証を示しておけば互いに安心でしょう。もしよければ、船内を案内致しますが」
「では……よろしくお願いいたします。船内を見学させていただく代わりと言っては何ですが、今後の道行きが円滑に進むよう、問題が無ければ私から国内の通行用に証明書を一筆認めましょう」
「ありがとうございます。それは助かります」

 これも既定路線として決まっていた話である。例えて言うなら竜籠の中の荷物を改めるようなものだ。
 貴族とは言え他国からの来訪だし、ましてや空飛ぶ船ともなれば軍事的な価値もある。
 最初にクロフベルツ侯爵に確認してもらって一筆認めてもらえば、後は余計な嫌疑がかけられることも両国間の緊張を無闇に煽るようなこともなく、ドラフデニア王国内を王都に向かってスムーズに移動できる、というわけだ。

 シリウス号の内部を案内だとか、見学だとかというのも、立ち入り検査を柔らかく円満に言い換えたようなものではあるか。こちらにも特に後ろめたいところはないので、喜んで協力させてもらう。

 侯爵は甲板に供の者達と一緒に移ってくる。

「まず、乗船している人員はこれで全員になります。護衛として使い魔や飛竜等も乗っていますが」
「ほう。これだけでこの大きさの船を動かせるとは驚きですな」
「船の性能を十全に活かし切るには確かにもっと人数が必要ですが、動かすだけなら魔法による制御で行っていますからね。観光目的の新婚旅行ですので、訪問に当たって大人数は必要ありません」
「なるほど。使い魔を護衛とすることと言い、魔術師ならではの強み、というわけですな」

 そんなわけで何人かの騎士、兵士達と共に船内を順繰りに案内していく。艦橋の設備や厩舎に移動していた使い魔達を見て、侯爵達は目を丸くしていた。

「スノーウルフにベリルモール、それに金色の狼と……。珍しい使い魔達をお連れですな」
「妻達の使い魔もいますが……ええ。中々頼りになります」

 船倉の中の積荷であるとか、客室の様子だとか。船の内部を案内して他の人員がいない事、対魔人用の音響砲ぐらいしか兵装を積んでいない事など含めて、実地で説明していく。俺がヴェルドガル王国の魔人殺しであることは通達している。ドラフデニアは地理的に内陸部に位置するのでヴェルドガルへの直接的な軍事支援こそ難しかったものの、偽情報を流す絡みでは積極的に協力してくれたそうだ。高位貴族である侯爵も、それなりに事情を知っているらしい。
 一周して甲板まで戻って来たところで侯爵は丁寧に一礼してくる。

「いや、大変貴重なものを拝見させて頂きました。貴国とシルヴァトリア王国の共同で開発したとお聞きしましたが……今後は飛行船も増えていくのでしょうな」
「そうなると思います。都市間の輸送に使われるようになれば交易などにも恩恵が大きいのかなと」
「それはまた、夢の広がるお話です。では、お約束した証明書はすぐに持って来ましょう」

 と、侯爵は笑った。侯爵は一旦監視塔に戻りそこで証明書を認めてくる。
 それから認めてきた書類を手渡してくれた侯爵は、笑みを浮かべて言ったのであった。

「ようこそ、ドラフデニア王国へ。境界公にとって実り多き旅となりますよう」
「ありがとうございます」

 そんな会話を交わしてクロフベルツ侯爵と別れる。
 都市を横目に眺めながら街道沿いにドラフデニア王国の王都へと向かうわけだが……クロフベルツ侯爵領の領民はシリウス号を見て目を丸くしたり指差したりと、色々衝撃を受けているようにも見える。

 害意はないことを示すためにも、手を振って応じる。再び甲板に出てきたコルリス達も一緒だったのでそれを見て目が点にはなっていたものの、領民達は戸惑いながらも手を振り返してくれたという印象であった。

「やっぱり、服装も西とは少し違いますね」

 アシュレイが領民を見て言った。

「ああ、確かに。外国に来たっていう実感が湧いて来たよ」

 領民達は身に纏っている衣服のデザインがヴェルドガルとはまた少し違う。南方の遊牧民の民族衣装は刺繍などが多かったが。ふむ。分類するならやはり民族衣装ではあるのだろうが、ロングスカートにエプロンという感じの……実用的な作業服といった印象が強いものだ。

「元々あれは農民の作業服らしいけどね。少し前に聞いた商人の話では……素材を上等なものにして、意匠を派手めにしたものが、上流階級の間では流行っているそうよ」

 と、ローズマリー。流石に博識である。

「じゃあ、王都についたら仕立屋を覗いてみるのも面白いかもね」

 そう言うとマルレーンが楽しそうにこくこくと頷く。

「お土産に良いわね」
「もしかするとヴェルドガルでも流行るかも知れないわ」

 女性陣は中々楽しそうな様子だ。
 仕立屋に行くのならその派手にした衣服もその内目にする機会もあるだろう。
 ともあれ領民達を見た印象では、俺達から見てもそれほど奇異な、かけ離れたデザインの衣服というわけではない。異国情緒と文化的な繋がりが同時に感じられるような気がする。
 そんな領民達に見送られて、王都へと向かう東への街道沿いへとゆっくりシリウス号を進めていく。

 東へと続く街道沿いには、巨大な河川が流れている。
 広い場所で対岸まで数キロにもなるこの大河は、獣王国の大森林や、俺達の通ってきた山岳地帯を水源として端を発しており、ドラフデニアで合流。大河となって国を東に向かって横断するように流れているそうだ。

 生活用水として。それから国内外の交易にも重要な役割を果たしているそうで。

 川沿いに進めば王都に到着する訳だが……ふむ。これなら河川にシリウス号を停泊させれば、何ら問題は無さそうだな。というより、無用な混乱を避ける意味で、川を下った方が良さそうだ。



 旅は中々に順調だった。平野部をゆっくりと流れる大河にシリウス号を浮かべて、流れと共にのんびり景色を楽しみながら進む。
 平野部に降りてきたこともあり、随分と爽やかな空気だ。新緑の草原と、どこまでも続いていく道。遠くに見える山々。道沿いに咲いている小さな花々が目を楽しませてくれる。

 それから街道を行く農民や隊商、見回りの兵士達や冒険者達。冒険者達は仕事帰りなのか、荷馬車に狩った魔物の素材を乗せていたりと……中々に風情がある。
 街道を行く者達は、こちらが川を下っていることもあって、変わった形の船だなと、首を傾げられはしたが、極端に驚かれることもなかった。やがて都市から都市を抜けて、シリウス号はドラフデニア王都――古都スタインベールへと辿り着いたのであった。
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