この空は、繋がってる。
「はぁー……」
誰にでも聞こえるような、大きな溜息をついた。
大きくのびをして、思い切り後ろに倒れた。
周りには誰一人居ない。ただそこには、肌寒い冷たさの風が流れている。
空は晴れ渡り、雲が所々に見える。
「みーらい」
声のした方に顔を向けると、見慣れた顔がそこにはあった。
「風邪引くぞ、こんなとこにそんな薄着でいっと」「だいじょーぶ。バカは風邪引かないっていうでしょ、遥」
「よく言うよ、学年一の秀才が」
未来がちらっとバカにしたように遥をみる。まるで、自分の方が上だと言わんばかりに。
しかし、遥はそれに気付かず未来の横にしゃがみこむ。
「どうしてこんなとこに居るのさ」
「…………ねぇ、遥」
遥の質問には答えず、問いを問いで返す未来。遥は不思議そうな顔で、未来の顔を見つめる。
「人はどうして出会うんだろうね?」
「は?」
「人は出会いを重ねて、生きていく。でもその分別れもあるのに」
難しい事を考える奴だ、と遥は思った。
普段はちゃらけていてそんな素振りなど見せないが、ときどき深刻そうに変な事を言い始める。
そんな時、決まって遥は言う。
「それは、運命なんだ」
きっと未来の望んでいる答えとは違うかもしれない。でも、遥はそう言うことしかできない。
未来の探している答えと自分の思っている答えが、必ずしも合っているものだとは限らないから。
「また、そういうかー」
諦めたように未来は静かに眼を瞑った。
「この世界の全ての人と会ってみたいよ」
真っ暗な世界の中にうっすらと見えてくる空。その下で、空に向かって微笑む人々。
「何でだ? さっきと言ってることが違うぞ?」
遥にお腹の辺りを軽く叩かれ現実に引き戻される。
眼を開いた。
青い空。白い雲。変わらない、いつもの空。
「この地球にどれだけの人が居るのか見てみたい。別れもあるのにバカみたいって思うから出会わなくていい、見るだけで」
「まっ、それは絶対無理な話だろう」
「でもさー、空は繋がってるんだよね?」
「そうだな。でも、顔を見ることはできない」
「そんな事わかってるけどさぁー、遥か彼方の未来を夢見ようよー」
「嫌だ」
めんどくさい事を持ってこようとする未来と、めんどくさい事が大嫌いな遥。
対照的なこの二人は、いつしか一緒に空を見上げていた。
「この空を今、見ている人がいるのかな?」
「多分な」
「じゃあ、未来にも同じようにこの空を見ていられるのかな?」
「自分次第だろ?」
「だね」
二人は笑い合った。
そんな二人の頭の中にはきっと、遥かな未来の空が見えていたのかも知れない。
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