最近ね。
アリスに憧れるの。
どうして?
私がそう問うと、少女はくすっと笑って
だってね、不思議の国に行きたいんだもん。
って無邪気に言った。
でも狂ってるよ。
今のセカイ楽しくないもん
楽しくないの?
同じことのくりかえし。
今この瞬間も?
ぜーんぜん楽しくなぁい。
そっか。じゃあ、いってらっしゃい。
そういって私は少女の前から消えてあげた。
誰も居なくなった病室。
白が支配するこの病室から色彩のまだあった私が消えたの。
だから此処は白に塗りつぶされた。
永遠に。
少女は虚ろな瞳で四角い窓から赤い夕日を見ていた。
ずぅっと。
此処は不思議の国。ねぇ、一緒に遊びましょう?
呟きながら。
滑稽ね。あの子、泣いてるんだもの。
少女が泣くのは可哀想。涙が流れるのは滑稽で。
だから私はあげた。
白い兎。
導くのは不思議の国。
嗚呼、でも解からないわ。
だって白い兎は悪戯好きだから。
ちゃんと、不思議の国に、逝けたのかしら?
ねぇ、あなたちゃんと導いてきたの?
白い兎は笑うばかりで答えはくれなかった。
どっちでもあの子は退屈しないわ。
此処は不思議の国。ねぇ、一緒に遊びましょうー・・・・
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