夜の始まる黄昏時。
鬱蒼と茂る森の中を進む影が一つ。
ガサッ、ガサッ、ガサッ―――
迷うことなく進む足音。
その影は暗い森を奥へ奥へと吸い込まれるように進む。
ガサッ、ガサッ、ガサッ―――
もし誰かがそれを見たなら、きっと止めていただろう。
なぜなら………森の奥へ奥へと進むその影は、まだ年若い女性のそれであったから。
夜の闇が支配する時がもうすぐそこまで迫る黄昏時。
そんな時分に年若い女性が一人で、森の中を奥へ奥へと躊躇いなく進む姿は…異様である。
しかし当の本人は何も気にしていない様子で、そのまま吸い込まれるように歩みを進める。
あぁ…
あなたは気付くだろうか…
年若い女性を、森の植物たちが手招きしていることに。
おいで、おいで、こっちだよと。
そう、奥へと誘うように…
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