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謀攻

永禄十三年(1570年)  七月上旬      近江国蒲生郡村井村  日野城  蒲生定秀




「元気そうだの、二人とも」

声をかけると関中務大輔盛信、神戸下総守具盛の二人が笑みを見せた。

「舅殿こそ大膳大夫様の御側で御活躍とか」

「我ら両名、蔭ながら喜んでおりました」

「なるほど、では今日は蔭では無く表から喜んでくれるという訳だな」

儂が一刺しすると二人が軽く笑い声を上げた。儂が隠居した時は大分心配してくれた。もっともそれは六角家に強い縁故を持つ事が出来なくなったという不安からでもあろう。


暑くなってきた。七月、これから益々暑くなる。書院にまで蝉の声が聞こえた。

「忠三郎が頑張っているようですな。前回の伊勢遠征でも中々の働きだったとか」

「清水山の殿の覚えも目出度いと聞いております、先が楽しみですな」

「まだまだこれからよ。どうしても血気に逸りがちでの、心配しておる」

それでも以前に比べればましか。殿に窘められた事で多少は抑えるようになった。


「今日ここに来てもらったのは他でもない、伊勢の事。殿も大分心を痛めておられる。これ以上一揆勢に与する者は居らぬかな?」

綻んでいた二人の顔が引き締まった。中務大輔が口を開く。

「今のところは大丈夫かと。ただ……」

「ただ?」

先を促すと二人が顔を見合わせた。

「長島の攻略に手間取るようだと後に続く者が出かねませぬ」

下総守が後を続けた。


「様子見、そういう事か」

二人が頷いた。

「そなた達の所に一揆から誘いは来ぬか?」

二人が笑い出した。

「来ませぬな」

「我らの所に来るのは最後の最後でしょう。舅殿は朽木家の重臣、そう簡単に靡くとは思っておりますまい。そうであろう、下総守殿」

「如何にも」

「なるほど」

朽木家の重臣か。多少の戸惑いは有ったが不本意では無かった。それだけ今の立場に慣れたという事であろう。


「北畠の動きは?」

「表立ったものは有りませぬが反朽木感情が強うございます」

「分家も同様です。いざとなれば」

「長島に歩調を合わせるか、なるほど、手間取る事は出来ぬな。一つ間違うと南伊勢が混乱する」

儂が呟くと二人が頷いた。


「清水山の殿は如何なされるおつもりで?」

「気になるかな、下総守。放置はするまいよ、殿は百姓を唆す存在が御嫌いだ。決して許す事は無い」

「では」

「戦になる。越中、能登で戦ったから分かっているが一向一揆相手の戦いはきついものになる。覚悟しておくことだ」

二人が大きく頷いた。


「他に何か気付いた事は無いか?」

二人が考えるそぶりを見せ中務大輔が“そう言えば”と声を出した。

「北畠親子の仲がおかしいとか」

「権中納言と右近大夫将監の仲が悪い事は知っている」

中務大輔が少し困った様な表情を見せた。

「いえ、そうでは無く権中納言と長野次郎、いや今は北畠次郎でしたな、その次郎の事にて」

「なんと、長野に養子に行っていた二男か」

嫡男だけでなく二男とも不仲か。儂だけではない、下総守も驚いていると中務大輔が言葉を続けた。


「折角長野に養子に出したのに何の役にも立たなかった。本当なら北畠と長野で伊勢を制し朽木に後れを取る事など無かったのにと権中納言は不満を漏らしているとか。それを聞いた北畠次郎は北畠から十分な援助を貰えなかったと言っているそうでございます」

「……」

「元々嫡男の右近大夫将監と上手く行かず二男の次郎とも思わしくない。今権中納言が鍾愛しているのは三男の鶴松丸だそうで。かなり気性が激しくその辺りが気に入った様にござる。自ら剣を教えているとか」

驚いていると嘘ではないという様に中務大輔が頷いた。


「その鶴松丸の歳は?」

中務大輔が小首を傾げた。

「さて、確か十歳ぐらいだったかと。朽木に対して敵意を隠さぬそうです。権中納言が元服を楽しみにしていると聞いております」

十歳か、早ければ二、三年で元服する。自慢の息子か。嫡男は当主とはいえ肥満、二男は不出来。三男に期待するのは理解出来るが嫡男と二男がそれを如何思うか……。使い様では面白くなるかもしれぬ。


「田丸からは聞いておりませぬか?」

儂が考え込んでいると中務大輔が問い掛けてきた。

「聞いておらぬ。あれは倅の娘婿だからの、儂の所には顔を出し辛いらしい。まあ倅の話では三瀬御所にも顔を出しておらぬようだ。北畠に見切りをつけたと見える」

儂の所に来ぬと言うのは北畠の事を訊かれるのを避けているのだろう。つまり北畠には隠さねばならぬ事が有るという事だ。見切りは付けたが売る事はせぬか、田丸中務少輔直昌、それなりに骨は有る。だが何時までもそれが許されるかな、この乱世それほど甘くは無いが……。




永禄十三年(1570年)  八月上旬      近江国高島郡安井川村  清水山城  朽木基綱




「北畠次郎、良く来てくれたな」

「……」

目の前に座った青年がモゴモゴと何か言った。距離が三メートル以上有ると良く聞こえんな。でも聞こえないとか言うと傷付くだろう、それは得策じゃない。にこやかに話を続けよう。同席している蒲生下野守、黒野重蔵、真田弾正もちょっと苦笑している。


「権中納言殿が心配したであろう、清水山に行くと殺されると。俺は評判が悪いからな。それとも北畠の人間が朽木になど会いに行く必要は無いとでも言われたかな」

「……いえ、そのような事は」

何とか聞こえた。

「無かったか、それは意外だな」

北畠次郎の顔が朱に染まった。父親に見離されたとでも思ったか。


「安心して良いぞ、良い話だからな。如何かな、俺に直接仕えんか。禄は五千石、領地を与えるが」

「……」

北畠次郎の顔が益々朱に染まった。嬉しいのか、それとも怒っているのか、分からん。下野守が“殿”と声を上げた。


「北畠次郎殿が面喰っておりますぞ」

「うむ、そうだな、少し先走り過ぎたか。理由が分からなくては簡単には受けられぬな。今説明する、しっかりと聞いてくれよ」

「はっ」

北畠次郎が頷いた。悪い感じはしない。

「実はな、長野の家がその方の事を大分気にしている。ま、無理も無い事ではある。その方とて長野には面白くない感情を持っていよう」

「……」


遠目でも口元に力が入ったのが分かった、大分憤懣が有るな。

「そこでだ、その方にそれなりの立場を与えれば多少は気持ちも穏やかになろうし長野も安心しよう。そう考えたのよ、如何かな?」

力が緩んだな、うん、悪くない。こちらの話に関心が有る証拠だ。


「禄高が五千石というのは長野に比べれば少ない、不満も有ろう。だが北畠の本家が五千石だ、それを越える事は出来ぬ。それにだ、次郎。俺の下で功を立てれば必ず加増する。その分についてはその方が自分の力で勝ち取った物だ、北畠本家も文句は言えぬ。そうであろう?」

「加増に付いては間違いはござらぬぞ。某は信濃からの流れ者でござるが今では二万石を頂いており申す。殿は決して吝嗇ではござらぬ」

弾正の言葉に重蔵と下野守が笑い声を上げ次郎がうんうんと頷いている。良い反応だ。弾正が次郎を面白そうに見ている。


「越前の鯖江で五千石、如何かな?」

「越前でございますか?」

多少不満、いや不安かな、有るようだ。頭から反対というわけではないな。伊勢で所領が欲しいのだろう。

「その方の気持ちは良く分かっている。俺も最初は伊勢で所領を与えようかと思ったが長野や北畠本家の事を考えると伊勢は止めた方が良いと思うのだ。北畠の分家にも俺に面白くない感情を持っている者が多いと聞く。その方が新たに所領を貰って家を立てたとなれば何かと煩かろう。それで越前の鯖江をと考えたのだ」

少し考えている。父親、分家の事だろう。裏切者扱いされかねぬ、そう思った筈だ。


「悪い話ではないと思うがな。このままでは権中納言殿や右近大夫将監に気兼ねしながら北畠の家臣で一生を終える事になる。心機一転、越前でやり直してみては如何だ? そこから先はその方の力量次第」

次郎が二度、三度と頷いた。もう一押しだな。なんか昔を思い出してきた。これ、営業活動だな。


「鯖江は悪い所でないぞ。昔から米作りの盛んな土地だ。それに朝倉が街道をそれなりに整備したから人の通りも少なくないし日野川、浅水川、鞍谷川が流れているから水利も悪くない」

「なるほど」

米と街道と川、こいつは繁栄の重要ポイントなのだ。次郎には鯖江が美味そうに見えてきた筈だ。なるほどと言った声にも力が有る。


「問題は住居だな。城は幾つか有るが山城だから多少不便かもしれぬ。越前で戦が起きる事は無い、それを考えれば川沿いに館を新たに建てる方が使い勝手は良かろう。……如何だ、俺に任せるか?」

「と、申されますと?」

「館を建ててやろうと言っておるのよ。新しい土地で新しい館、使い古しの城を使うよりずっと気持ちが良いぞ」

「なんと!」

「いやはや」

「これは羨ましい」

下野守、重蔵、弾正が声を上げると次郎が大きく頷いた。よっしゃー、特典付きでお客様ゲットー!


「御心遣い、有難うございまする。越前でやり直したいと思いまする」

「そうか、受けてくれるか。良く決心してくれた、礼を言うぞ」

「いえ、某こそ礼を言わねばなりませぬ、有難うございまする」

次郎が頭を下げた。下野守、重蔵、弾正がそれぞれに祝福の言葉を次郎にかけた。次郎が嬉しそうにそれに答える。こいつ、馬鹿ではなさそうだな。最初の印象が悪いのは人見知りが激しいのか、或いは人付き合いが下手なのか。だとすると養子に行っても上手く行かんな。


雪が降る前に越前に行く事になった。とは言っても移動には金がかかる。新しい家臣も雇わなくてはならん。だが北畠本家が何処まで援助するか分からない、嫌がらせも有るかもしれないが実際に金が無いという事も有り得る。という事で支度金も俺が出す事にした。次郎は大喜びだ、気を遣って貰っているという事が嬉しいらしい。何度も礼を言って暦の間を下がっていった。


なんか最初の印象と最後の印象がまるで違う。養子に行っても大事にされず実家に戻っても大事にされず、人間不信になっているんだろう。俺が自分の事を気遣ってくれていると分かってからは急に素直になった。大丈夫、これからは俺が可愛がってやる。冬になる前に館を作らねばならんな。新築で綺麗な館、間違っても廃材の再利用は駄目だ。徹底させないと。


「御見事にございまする。(まこと)、殿は進むべき道を間違えられましたな。商人の道を進まれれば日ノ本一の大商人、仏の道に進まれれば日ノ本一の御大師様になられた事は間違いありませぬ」

重蔵が感無量と言ったように首を振った。後の二人が笑い出した。褒めているのに笑うとは、失礼だろう。

「お主達の協力も有ったからな。それにまだ結果は出ておらぬ。全てはこれからよ」

「左様にございまするな、後が楽しみでございまする」

俺と重蔵の会話を下野守と弾正の二人がおかしそうに聞いている。この中で誰が一番の悪党だろう?


「北畠次郎が越前に行く。北畠権中納言、俺の心が読めるかな?」

「なかなか難しいかと」

重蔵が答えた。

「難しいか、では北畠は如何なる?」

俺が下野守、重蔵、弾正の三人に問うと三人がニヤニヤと笑みを浮かべた。おい、悪い笑顔を出すな、真の悪党は誠実な笑顔を出すのだ。

「北畠権中納言にとって右近大夫将監が益々邪魔になりましょう。右近大夫将監が居なければ三男の鶴松丸に北畠家を継がせられます。右近大夫将監は孤立しますな」

弾正の声が明るい。今日の晩御飯は何? そんな感じだ。


「廃嫡かな? 如何思う、下野守」

「さて、廃嫡では殿の不審を買いましょう。右近大夫将監は肥満との事ですから心の臓の病、そんなところでしょうな」

「なるほど、心の臓の病か。有りそうな事だ、不審には思わんな。しかしそこまでやるかな? 下野守」

「北畠権中納言、なかなか酷薄な所が有ると聞きまする」

「なるほど、長野は先代、先々代の当主が殺されたな」

俺は敢えて重々しく頷いた。三人が吹き出しそうな顔をしている。いかんな、ここは生真面目な表情が必要なところなんだが。


「右近大夫将監は自分が危ういと気付くかな?」

「流石に気付きましょう」

重蔵が苦笑を浮かべた。

「では右近大夫将監は如何する? 座して死を待つか?」

「殿に助けを求めましょう」

「しかし伝手が有るまい、下野守。周りは敵ばかりだが」

「手助けが必要ですな、田丸中務少輔を使いましょう」

駄目だ、笑い声が出た。既に一度話し合った事を白々しく話すのは辛い。三人も笑い出した。一頻り笑った。


「さて、次郎の事、北畠から御礼言上に来るのは誰かな?」

「鳥屋尾石見守」

「会わぬぞ、弾正。本来なら当主である右近大夫将監が来るのが筋。石見守では俺を馬鹿にするにも程が有ろう」

三人が頷いた。

「俺は九月には伊勢に出兵する。そこで右近大夫将監に会う」

「田丸中務少輔にはそのように伝えまする」

「うむ」


そこで右近大夫将監を取り込む。色々と面白い話が聞けるだろう。そして右近大夫将監の後ろには俺が居るとはっきり形に示す。右近大夫将監の身に何か有れば俺が黙っていないと理解する筈だ。馬鹿共は長島が片付いた後に叩き潰す。右近大夫将監からの告発でだ。他でもない、息子が告発者だ。皆が信じるだろう。俺は驚いて災いの芽を摘む、分家は潰し権中納言は幽閉だな。自慢の息子も一緒に幽閉してやる。どうせ逃げ出そうとするだろう、そこを殺す。それで終わりだ。


馬鹿共が暴発して右近大夫将監が殺されても全然構わない。次郎が居るからな、伊勢で北畠の血と名跡が途絶えても越前で存続出来る。何の問題も無い。次郎が伊勢に戻りたいと言ったら息子の一人に伊勢で北畠の名を名乗らせると伝えよう。息子が生まれて伊勢に戻る頃には北畠は過去の名門、影響力など何もなくなっている筈だ。反朽木の旗頭になる事も無いだろう。北畠は目処が付いた、問題は長島の一向一揆だ。


「重蔵、松坂、大湊、山田、宇治、桑名、それと津島に噂を流せ」

「津島もでございますか?」

「そうだ、津島もだ。一向一揆に付いて領地を失った国人衆に朽木の手が伸びている。領地の返還と引き換えに長島の情報を朽木に流しているらしい。戦になれば寝返るだろうと。それと香取城、大鳥居城、屋長島城、中江城は密かに朽木に通じている。前回の遠征で攻められなかったのはそれが理由だと。桑名城が攻められたのは桑名城が朽木に寝返らなかったからだと」

「承知しました」

重蔵が頷いた。残りの二人も頷いている。


封鎖する前に噂が長島に届く筈だ。松坂、大湊、山田、宇治、桑名は朽木領だ、謀略の可能性を当然疑うだろう。だが津島は織田領だ、そこでも同じ噂が流れているとなれば不安に思う筈だ。そして封鎖後は情報が極端に入り辛くなる。長島の一向一揆勢は更に不安を募らせるだろう。内部分裂までは無理だろうが内部不信は起こせるかもしれない。そうなれば一揆勢の軍事行動にも影響は出る、思い切った行動はし辛くなる筈だ。


「それと三河の一向一揆が片付けば長島の一向一揆は朽木、織田、徳川の連合軍に潰されるだろうと。長島の一向一揆は四方から取り囲まれて悲惨な最期を迎えるだろうと」

「はっ」

三河の一向一揆の残党も長島に逃げ込むのは避けるだろう。その分だけ楽になる。


「重蔵、三河の一向一揆は何時ごろ片付く」

「さて、長島の決起に一度は勢いを盛り返しましたが直ぐに抑え込まれました。冬に入る前に終結するのではないかと思いまする」

「そうか」

悲惨な結果になるだろうな、信長も家康も一向一揆には怒り心頭の筈だ。


信長は美濃攻めの邪魔をされた。家康は独立の夢を潰された。信長も家康も今川と組んで三河を荒らした一向一揆を許す筈が無い。連中は東の国境線を不安定化させ織田徳川同盟を根本から意味の無いものにしたのだ。許せる筈が無い。おまけに徳川は御家騒動まで起こし家康は妻子を殺さざるを得なかった。一向一揆は家康の顔を潰しまくったのだ。一向一揆の芽を摘むどころか根を穿(ほじく)り返してでも抹殺するだろう。間違いなく根切りに近い状況が発生する。


だがそれで良いのだ。三河で残虐な行為が行われれば行われるほど長島の一向一揆勢は裏切り、寝返りが起きるのではないかと不安に思う筈だ。まして攻めるのが俺なのだ、恐怖は一層増すだろう。内部に向ける猜疑の目は当然強くなる。来年長島を攻略する頃には本当に裏切者が出るかもしれない。そうなれば長島だけではない、本願寺そのものに打撃を与える事が出来るだろう。鉄の結束が崩れたのだからな。


三河が片付き長島が片付けば北陸に続いて東海でも本願寺の影響力を駆除出来た事になる。残りは紀伊から摂津、播磨、安芸、……皆織田、豊臣が手古摺ったところばかりだな。頭が痛いわ。



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