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異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー 作者:バイブルさん

2章 DT、先生になる

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64話 何の為に? らしいです

 お気付きの方もおられるかと思いますが、宣伝です。

 双子の親のサイドストーリーなどを書いている「駄女神の玩具箱ーどうして、お前はそんなに駄目なんだ?-」まだ書き始めなので、シホーヌが雄一に出会う前の話をやってるところですが、良かったら、あらすじだけも覗きに行ってみてください。
 後、高校デビューを読まれた方、「異世界デビューを成功した後で……放課後」もやっていますので、良ければ、覗いてみてください。
 食事が済むと、アクアがテツに語りかける。

「テツ、次の対戦相手のベルグノートについて、お話しておきたい事があります」

 アクアは、雄一に説教された後、拳骨を貰い、タンコブができてる状態で、真面目な顔をしてくるので、テツは必死に耐えながら向かい合う。
 目を若干反らして、聞く体勢に入ろうとするとその隣のシホーヌもホッペがパンパンになっているのを見て、噴き出しそうになる。そんな状態に関わらず、美味しそうにまだ食べてるところがツボに入りそうであった。

「ベルグノートが持つ、魔剣と言われてましたか? あれは、火の精、アグートという性悪女が信者を集める為にばらまいた粗悪品です」
「なんで、アクアさんが、そんな裏事情に詳しいかは、さておいて、粗悪品という事はたいした事がないということですか?」

 満を持して登場とばかりに、残念な頭の持ち主の2人が立ち上がる。

「「さて、おかなくとも!!」」
「私は女神なのですぅ」
「そして、私が水の精のアクア!」

 息を合わせたポーズを取るのを見たテツは、お遊戯上手です、と言ってしまいそうな顔をしながら拍手をする。

 拍手されて、満更じゃないらしく、胸を張る。
 2人を見つめる雄一は、自分達の存在を認知して貰う為、影で2人が、ああでもない、こうでもないと試行錯誤する姿を想像してしまい、嗚咽が漏れそうになる。
 しかし、お腹が膨れて眠くなった2人、雄一の膝の上のアリアと頭の上のミュウを起こさないように、必死に耐える。

「シホーヌさんとアクアさんって楽しい方達ですね」

 笑顔でそう言ってくるティファーニアに雄一は頷いて見せる。

 雄一の隣にいる困った顔をしたポプリが、雄一の袖を引っ張って聞いてくる。

「えっと、えっと、あれって、自称ですよね? すごい力を持ってるのは分かるんですけど、さすがに、女神と水の精があんなお馬鹿さんじゃないですよね、よね?」

 どうやら、ポプリのように魔法に長けた者であれば、あの2人の潜在的な力を計れるようだが、その能力を加味しても、ないわー、という結果に落ち着くのかと遠い目をしながら、頷いておく。

 この2人以上に正体を隠すのが上手い者はきっといないだろうな、と色々諦めた目で2人を見つめる。

「アクア、それで、粗悪品がどうしたんだ?」
「はっ、そうでした。テツ、良く聞いてください。粗悪品というのは、乱造品な為、剣が込められた力に耐えうる強度がないという事が問題なの」

 ほっといたら、いつまでもコントを続けそうなアクアに話を促した雄一は、本線に戻ったの確認して、テツとアクアを見つめる。ちなみに、シホーヌは出番が終わったとばかりに、リスのようにビスケットを齧り始める。

「なら、壊すのが簡単ということですか?」
「ある意味、その通りです。あの剣が火を行使してる時に、テツクラスの剣戟を加えれば、おそらく簡単に折る事はできるでしょう……問題は、その状態で折った場合に起こる事です」

 普段の間抜けな顔のアクアではなく、どこか神秘性を見せる憂いのある表情で見つめられたテツは緊張したように背筋を伸ばす。

 雄一は、普段からああいう雰囲気を出していれば、あっさり信じられるんだろうな、と場違いな事を考えながら、話の続きを見守る。

「剣を折った時に込められた火の加護そのものが暴走して、爆発を起こします。主様のように剣と共に加護ごと切り払えるような剣戟をテツも出来れば問題はありませんが、貴方にはまだ到底無理です」

 アクアに言われた事を悔しそうに聞くテツを見て、心を痛めるような顔をするアクア。

「実力は、テツのほうがベルグノートより勝っている、それは否定しません。だから、言います。ベルグノートの剣を折らず、勝ちなさい。そうしないと、相手は大火傷を負うだけで済むでしょうが、貴方は間違いなく死んでしまう」

 ベルグノートは剣の持ち主だから、加護が最低限のところをカバーするらしいが、傍でそれを受けるテツは直撃してしまい、炎に焼かれて助からないらしい。それほど火の加護、いや、加護の力とは強いモノのようだ。

 テツは、ベルグノートに正面から戦い、雪辱を果たしたかった。それを、アクアに駄目だしされ、歯を食い縛る。

 拳を握り、葛藤するテツを見た雄一は、目を閉じて一息吐く。

「テツ、お前は、この試合に何故、出場している?」

 テツが、「そ、それは……」とうろたえ気味に声を出してくるのを聞いて、目を開かなくても簡単に想像できた。

「俺は、お前が、ティファーニアの代理、試合で戦う事でティファーニアの代弁をする為に出場してると思っていたが、自分の雪辱を果たすのが目的だったのか」

 雄一は、目を開いてテツを見つめて、「どうなんだ、テツ?」と問いかける。

 テツの隣にいるティファーニアは、一度、目を伏せ、気持ちの整理を済ませたような顔をするとテツの握り過ぎて白くなってる拳をそっと両手で包む。

「テツ君、私は、貴方に全部託したの。だから、貴方が思うようにやって欲しいと思う。でも、命と天秤にかけてまで、雪辱を晴らす相手じゃないと私は思うわ」

 ベルグノートにそれだけの価値がないとテツに言い聞かせるティファーニアを見つめる雄一は、後はテツの判断に任せようと口を閉ざし、見守る。

 眉間に寄っていた皺を元に戻し、握っていた拳を解いたテツは、ティファーニアを照れた笑みで見つめる。

「そうですね、ベルグノートに命をかけて戦うのは、愚かでした。ユウイチさんに口を酸っぱく言われている、取り返しのつかない無茶をするとこでした。ありがとうございます」

 ペコリと頭下げるテツを見て、微笑むティファーニア。

 テツの答えが出たのを見計らったようにアクアが、テツの前に来るとテツと視線の高さを同じにして至近距離から見つめる。

「無茶をするのを思い留まってくれたのは、素直に嬉しい。ただ、戦いに絶対はないと私は思う」

 そう言うと、アクアはテツのおでこに唇をあてる。

 いきなり、アクアにされた事に顔を真っ赤にしたテツは目を白黒して目を廻しそうになる。普段の行動で、忘れがちになっているが、アクアは、美少女、それも超をつけても大袈裟ではない女性である。
 そんなアクアにされて、うろたえないのは、色を知らないガキか、枯れた老人だけであろう。

「簡易ではありますが、1度だけ、テツ、貴方の精神力、心の強さに比例した水の加護を得れるようにしておきました。できれば、使う事なく勝ちなさい。これがあって、貴方の心が強かったとしても、無傷とはいかないのだから……」

 テツを見るアクアの目は子を見る母親、姉のような静かな瞳を向けてくる。

 ドキマギし過ぎて、顔を真っ赤にしてアクアを、ポケーと見つめるテツがいきなり、「イタッ――!」と叫んで跳び上がる。

 隣にいたティファーニアが頬を赤くし、膨らませて明後日の方向を見つめている。

 雄一は正面にいたから、バッチリ見えたが、ティファーニアにテツはお尻を抓られたのだ。
 アクアに良いところを全部持っていかれた事を拗ねてる風にも見えるが、それだけでもなさそうだと、雄一は笑みを浮かべる。

 おろおろ、とティファーニアにどう接したら良いやらと、雄一とホーラにヘルプサインを送り続けるが、どちらも素知らぬ顔を貫いていると、昼休憩の終了のドラと選手再集合の声が聞こえてくる。

「ほら、テツ、呼ばれてるぞ。いってこい」
「えっ、でも……」

 ティファーニアを見つめて、困った顔をするテツに、「いいから、行けっ」と犬を追い払うようにして行かせる。

 テツが、渋々といった顔で、ティファーニアの下を離れていく。その後ろ姿を見つめる罪悪感を感じてるティファーニアの顔があった。

 雄一は、アリアを起こさないように片手で抱き抱えると立ち上がり、ティファーニアの下に行って、頭に手を置いて、ゆっくりと撫でてやる。

「大丈夫だ、テツは、そんな事で文句を言うような小さい男じゃない。帰ってきた時に、微笑んで、お疲れ様と言ってやれば、アイツも喜ぶ」

 撫でる雄一を見上げたティファーニアは、コクリと頷き、はい、と返事をしてくる。

 それを見た、アクアが、目をランランと言ってるように嬉しげにして雄一の傍へとやってくると頭を差し出してくる。

「私も、ナデナデしてくださいっ!」

 いつもの残念なアクアに戻ったらしく、「ねっ、ねっ?」と言ってくるので、苦笑する。今日は確かに頑張ったと思った雄一が素直に撫でてきたので、驚いた顔をしたアクアであったが、すぐに嬉しそうにフニュ、という擬音が聞こえそうな顔をする。

 その様子を見たシホーヌが齧っていたビスケットを驚き過ぎて、落としてしまう。普段のシホーヌなら落としたビスケットを見て泣きだすところだが、立ち上がると雄一に特攻してくる。

「アクアだけ、ずっこいのですぅ! 私もナデナデして欲しいのですっ」

 そう言うと、頭を雄一の腹に擦りつけてくるアホ毛女神をアクアを撫でてた手で押しやる。

 押しやられたシホーヌは、「信じられないのですぅ」と驚愕な表情を見せて、後ずさりをする。
 それを見ていたアクアが、「プークスクス、お馬鹿さん」と笑う。

 そして、いつもの喧嘩を始めるのを見て、ティファーニアとポプリは目を点にして、他の面子は、またか、という思いを溜息に込めて吐く。

 雄一も溜息を一つ吐くと、試合が始まる前にこの残念美少女の2人を再起動させるチョップを入れる為に、歩き始めた。
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