挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー 作者:バイブルさん

2章 DT、先生になる

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

64/362

62話 どうやら、家の長男は持ってるようです

 バイブルは、激しく、後悔しております……
 どうして、昨日の更新で……うっそでーす~という前書きで書いて、後書きで訂正文を書くようなやらかすことをしなかったのだろうと(泣)
 だって、昨日、エイプリルフールだったんですよ?
 例えば、次話から、雄一はカンフー服を脱ぎます! 赤ふんどし一丁の雄一をこれからはお願いします、とか言いたかった(笑)
 テツは、集合場所へとやってくると、大会の説明をされる。テツは着替えながら、それを聞いていたところ、つまるところ、こういう事らしい。

1、魔法、武器、制限なし、ただし、第三者の介入は認めず、あくまで独力で。

2、アイテムによる回復する、促す物を所持、使うのを禁止。魔法によるものであるなら良し。

3、勝敗は、ギブアップ、気絶を確認された後、決定される。

4、相手を死に至らせると無条件で敗北。

 ということらしい。

 テツは、説明を受けながら、やたらと魔法使える人が有利なルールだな、と思うが、異論を唱えても意味はないと理解する。
 何故なら、テツが眺める先で、ベルグノートが説明をしてくれていた女性に食ってかかっていたが、相手にされていなかった為である。

「俺の父上にかかれば、お前の首などいつでも切れるのだぞ?」
「そうですか、それで本当に切れるなら、いつでもどうぞ? お待ちしておりますよ」

 子供の相手をしてられないとばかりに、目も向けない妙齢の女性を見て、凄いな、とテツは感嘆する。

 それでも噛みつき続けるベルグノートを見てるのも無駄と思ったテツは、雄一に口を酸っぱく言われている柔軟を始める。

 柔軟をする事で、体が温かくなってきた頃、テツの傍にやってくるポプリの存在に気付き、テツは顔を上げる。

「テツ君だったよね? 今日は、よろしくね。多分、私が勝っちゃうけど」

 力みもなく普通に言ってくるポプリに目を白黒させる。

「僕は、負けません」
「その心意気は買うけど、実は、あの女の子と一緒に訓練するところをちょっとだけ見たのよね。あれって私対策で合ってるよね?」

 テツは、ギクッ、という顔をしてしまう顔をポプリに見せてしまう。

 ポプリもそれを解答と取ったようで、ニヤリと笑って話しかけてくる。

「あの有様じゃ、私に勝つのは無理だよ。でも、一目見ただけで、私の特徴を見抜いた……見抜いたのはユウイチさんだよね?」

 頷くテツを見て、ポプリは嬉しそうにする。

「さすがは、ユウイチさん。完璧すぎるわぁ」

 うっとりするポプリに引いてしまうテツを無視して、夢見る少女モードが発動する。

「噂を聞いて、話を追いかけてたら、尾ひれが付いてるどころか、事実のほうがもっと凄いのを知って、姿を一目と思って、捜して初めて見た時、私は震えたのよ!」

 どっかの歌劇団の人のようにオーバーリアクションするポプリを遠い人を見るような目で見つめるテツは、この場から逃げ出したかった。

「凛々しく、繊細さを感じさせるのに鋭い眼光は何をも見逃さない。浮かべる笑みは初夏の風を思わせる……」

 雄一を褒め倒すポプリの言葉を半分以上聞き流すが、色々、首を傾げるモノがあった。

 これでも、テツも雄一信者として家族に認識されているが、雄一が二枚目だとか、笑みが爽やかとかとは思ってはいない。
 顔の造りは普通で、目はやさぐれているし、笑みは爽やかと正反対で、力強い獰猛な笑みが印象的である。
 テツは、雄一の生き様と背中に憧れを感じる者ではあるが、ポプリのような感性は持ち合わせてない。

「それに引き換え、貴方は、パッとしませんね? ユウイチさんを見習うと良いですよ」

 テツは、はぁ……と気のない返事を返す。

 一般的に言えば、テツは、可愛い顔立ちをしている。そのうえ将来、男前になるだろうなと周りの者に思われる将来性を秘めた存在であるが、どうやらポプリから見るとそうでもないようだ。

 ここまでの事を踏まえて、ポプリの美的感覚は一般からズレた存在である事に普通は気付くところだが、天然とズレた少女の2人は交わる事がなかった。

 そんな2人に介入するようにドラの音が響き渡る。

「試合が始まりますね。では、悔いが残らないようにお互い頑張りましょう」
「はいっ! あっ、その前に1ついいですか?」

 なに? と言いそうな顔をしたポプリが首を傾げて、テツを見てくる。

「どうして、場所取りしてた場に居た時と話し方が違うんですか?」

 テツの言葉を受けたポプリは、顔を真っ赤にする。
 何か聞いたら駄目な事を聞いたのかと、ビビるテツ。

「ユウイチさんの前だと緊張するからっ! 悪い?」

 テツは、首をブンブンと横に振ると逃げるように試合場に早歩きをして向かった。


 試合場の中央で向かい合うテツとポプリを見た観客達が歓声を上げる。

 耳を傾けると圧倒的にポプリを呼ぶ声が多い。
 前評判と二つ名が付くほどの実力者のポプリと無名のテツと天秤にかけるなら勝利を疑わないのであろう。

 そのせいか、ちょっと緊張したらしいテツが、顔を赤くして、辺りを見渡すと雄一と目が合い、笑みを浮かべているのに気付く。少しだけ、肩から力が抜ける。
 すると、テツに向かって黄色い声援が届く。
 雄一と同じぐらいのお姉さん達が、テツに向かって、「可愛い坊や、頑張ってね」と手を振られたり、投げキッスをされる。

 その様子を驚愕の顔で見つめていた雄一と再び、目が合うと鋭い眼光に居竦められる。
 テツは、雄一の視線に殺気を感じる。

 雄一の殺気を浴びたテツは、アレより怖いモノはないと開き直り、完全に緊張から脱する。

 目の前のポプリは、雄一に見つめられていると勘違いしたようで、ピョンピョンと跳ねて、手を振っていた。

 そうこうしてると、先程の試合説明していたお姉さんが現れ、話し始める。

「皆さん、お待たせ致しました。これより、第一試合を開始します!」

 歓声にかき消される事なく、辺りに声を届けると右手を上げる。

「それでは、第一試合、開始してください」

 右手を振り下ろしたのに合わせたかのようにドラが鳴り響いた。


 ドラが鳴ると同時にテツはポプリに向かって飛び出す。

「テツ君からしたら、そうするのは当然だよね~」

 当然のように予想してたとばかりに笑みを浮かべるポプリは、両手を広げる。

 すると、ポプリの周りに100はあるのでは、と思えるほどの小さな火球が現れる。

 テツは、舌打ちするとポプリを中心に旋回するように走り始める。走るテツの後を追うように、ポプリの周りある火球が飛び出すが、テツに当たらず、地面に当たっていく。

 ポプリは、凄い、凄いと呟くが、余裕の笑みは崩さない。

「まだまだ、おかわりはあるよ!」

 疾走するテツの前には先程を同じぐらいの数の火球が現れ、挟み打ちされるようにすると、テツは前後に逃げれないなら横にとばかりに、横の方向にいるポプリに目掛けて走り出す。

 ポプリに斬りかかる為に跳躍するテツを残念っ、と言いたげな顔をするポプリに微笑まれる。

「それは悪手だよっ、それっ!」

 掛け声と共にポプリの前に先程までの小さな火球と比べるまでもない大きさ、テツを丸飲みできる火球が現れ、空中にいるテツに向かって打ちだされる。

 それに驚愕の表情を浮かべたテツは、自分に迫る火球に目掛けて、ツーハンデッドソードで全力で斬りかかる。

 一瞬の拮抗の後、テツは吹っ飛ばされて、地面を転がるように滑っていく。

 そのやり取りに息を飲んでいた観客達が、理解が追い付いて、一斉にポプリの名前を連呼する。

 立ち上がったテツは、ポプリを見つめ、口を拭いながら話しかける。

「魔法を唱える時間はなかったと思ったのに……」
「あったよ? テツ君が逃げ回ってる時に」

 テツは、唇を噛み締める。
 当初考えていた、ポプリ対策で、ホーラと違い、魔法でやる以上、詠唱という時間ロスが勝敗を分けると思っていたから、そこが狙い目だと思っていた。

 だが、ポプリとて、そういう事を考えて挑む者がいると考えていたようで対策を取っていた。

 あの余裕の笑みから察するにテツは、他にも対策を取ってると踏む。

 だったらと、ぶっつけ本番ではあるが、テツは、先程気付いた事を実践を始める。

 テツは、目の前のポプリに動く反応を示さず、威圧をかけ、右側から旋回するようにして飛び出すというイメージを叩きつける

 反射的にポプリは、小さい火球を1発を明後日の方向に打ち飛ばす。

 手ごたえを感じたテツは、ゆっくりとポプリへと歩いていく。
 改めて、今度は上空からというイメージを叩きつけると、上空に向かって、2つの火球を打ち放つ。

 ここにきてやっと、ポプリの余裕の笑みが消える。

 それをゆっくりと繰り返したテツは、ポプリに駆けより、上空に跳び上がる。

 遅れて、テツの居た場所へと火球を雨のように打たれるが、既にテツは空の人となっていた。
 上下が逆さまになってる視界でテツは、ポプリを見つめて、ニヤッと笑みを浮かべる。

「ここから、反撃開始です」

 テツは、万能感に包まれた。


 テツを観客席で見ていたみんなは、テツの動きが変わり、押し始めた事に活気づくが、雄一は舌打ちする。

「あの馬鹿、自分に酔ってやがる……」

 確かに、今のテツの閃きは、正しい方向へと向かうモノであるが、まだその方向へと顔を向けただけのものであることを理解する雄一は、苦い顔をする。

 過去に親の財産を裁判で争った時、自分の立場の弱さを逆さにとって立ち回り、裁判長達に感情で訴えて、自分の思うように立ち回る事で親族に勝訴した。

 あの時、雄一も思うようにいく事に酔ってしまっていた。危うく、調子に乗り過ぎて、綱渡りをしてる事に気付かずに暴走して、失敗する間際で気付けて、助かった過去があった。

 守り抜いた親の財産の高校生活に必要な金額を除いて、全部使って、両親が老後に住みたいと言ってた北海道の見晴らしの良い墓地と雄一が聞いていた範囲の2人が求めた家を作り、そこに仏壇を置いた。

 それを思い出した雄一は、墓の世話と家の管理を放置してしまった親に心で詫びる。

 気持ちを切り替えて、テツに目を向ける。

 つまり、今、テツが感じている万能感は大きな勘違いであると気付けないと落とし穴に落ちてしまう。

 雄一の隣にいたティファーニアは、雄一を見つめて、首を傾げてくる。

「酔っている? どういう事なんですか?」
「さっきまで、いや、さっきだけでなく、ホーラとやってる時も込みで、打つ手がなかったのに、相手の先手を取れる状態になって酔ってるんだ」

 まだピンとこないティファーニアに雄一は説明を続ける。

「今のテツは、一生懸命、管楽器を鳴らそうとして鳴らなかったのに、音が出るようになって嬉しくて、同じ音ばかり鳴らすガキそのものだ。そこから音階を鳴らせて、音楽を奏でないといけないところを最初の段階で踊り続けると相手に見抜かれる」

 ティファーニアにも理解の色が浮かぶ。やはり、元は貴族の教育を受けただけあって、楽器に携わる事があったようでイメージさせやすかったようである。

 このテツの理解の最後のキッカケになったドランの思わせぶりの行動で相手の行動を誘発させたモノからきていた。
 みんな、アレをされた、した事があると思う。
 最初は、戸惑わされるが、繰り返されるとパターンが見えてきて、読まれてしまう。
 中には、匠の技かと言いたくなるような翻弄してくるものがいるが、残念ながら今のテツはパターンを読まれるタイプである。

 そして、雄一は目を細める。

「やばい、ポプリにパターンを読まれたようだ。カウンターを狙われてる!」

 雄一の言葉に顔を強張らせたティファーニアは、観客席の最前列に駆け寄る。

「テツ君、しっかりしなさい!!!」

 眉尻を上げたティファーニアの怒声がテツへと向けて飛ばされた。


 テツは、万能感による熱に冷水を被せられるような思いになる。ポプリしか見えてなかった視界の隅にティファーニアの声を張り上げる姿が見える。
 何を言ってるか分からないが、表情を見る限り、怒っているようである。

 身をブルッと震わせると浮かれていた気分に気付く。

 ポプリに向かって直進的に駆け寄っていたテツは、改めて、ポプリを見つめると、挙動が明らかにこちらのタイミングに合わせて、魔法を唱えようとしてるのが目に入る。
 すると、最初に吹っ飛ばされた魔法と同等の大きさの火球が生まれるが、そこに秘められた力は、最初とは比較にならない事をテツは感じて、背中に冷たい汗が伝う。

 もう、逃げるのは無理と腹を括ったテツは、ポプリの魔法が発動する前に打ち消すと更に加速を付ける。

「間に合えぇ!!」

 テツは、ポプリ目掛けて、駆けた。


 テツを見つめていた雄一は、テツの思いきった行動に笑みを浮かべる。

「悪くはない。今のテツが打てる最善の手かもしれないが……間に合うか?」

 雄一の目から見ても、かなり微妙であったが、テツは更に直前にきて、もう一段階加速するのを見て、笑みを深める。

 ポプリの火球が放たれる瞬間とテツの相棒、ツーハンデッドソードが激突するのが同時であった。

 2人の間で、火球が大爆発を起こし、土煙が上がるなか、打ちだす側にいたテツは、最初より吹っ飛ばされるが、来ると分かっていた衝撃に押されながらも滑りながら立っていた。
 服が焦げて、煙を上げるのを無視して、追撃とばかりに煙が薄くなってきているポプリがいる場所へと駆けよるが、剣が届く範囲で掲げた格好でテツは動きを止める。

 テツの視線の前には、状況が理解できてないような顔をしたポプリが呆けていた。
 爆風で羽織っていたローブは吹っ飛び、衣服はボロキレのようになっており、可愛らしい下着が、こんにちは!、していた。

 そして、テツは激しく出血をして固まる。

 やっと状況に心が追い付いてきたポプリは、顔を真っ赤に染める。

「いやぁ――――!!」

 甲高い声を上げるとポプリは、両手で必死に体を隠すようにして、試合場の外へと全力疾走していく。

 それを見ていた雄一は呟く。

「やっぱりテツは持ってる男だな……」
「テツ君、最低ですね……」

 雄一の隣に帰ってきたティファーニアは半眼でテツを見つめる。

 試合場から完全に逃避したのを確認した審判役らしい女性が、テツに手を向けて叫ぶ。

「第1試合、勝者、テツ!!」

 観客は、どんでん返しが起きた事に興奮に包まれ、テツを称える声が響き渡る。

 固まり続けるテツは、気を失ってるのではないかと疑われるまま、血を流す。


 第1試合、結果報告。

 損傷、ポプリの衣服。

    テツの鼻からの青春の汗。

 勝者、テツ
 感想や誤字がありましたら、気楽に感想欄へお願いします。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ