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異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー 作者:バイブルさん

2章 DT、先生になる

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39話 テツの発現が確認されたようです。

 なんとか書けました。
 昨日帰ったのが日付が変わってる時間で、ベリーハードでしたが、昨日は凄い事が起こりました。
 活動記録でレジェンドと題して書いておきますので、お暇な方は覗いてみてください。まったくの私事ですが、良く言う現実は小説より奇なり、と体現する出来事がありました(笑)
 ホーラは、体重がないのかと思わせるように枝を揺らさず、木々を渡り歩き、辺りを警戒しながら進む。

 下では、テツが中腰の状態でいつもの緩んだ表情ではなく、引き締まった表情をして、ホーラを見失わないようにしつつ、辺りの地形の把握と気配を探りながら歩いていた。

 しばらく進むと、ホーラが掌をこちらに向けて、腕を横に広げるのを見たテツは、更に姿勢を低くしつつ、背中のツーハンデッドソードに手を添える。

 ホーラに注目しつつ、足を止めて、気配を感じようと意識をすると進行方向に何かがあるようだと気付くと、ホーラが指をチョイチョイと来いと知らせてくる。
 ゆっくりと姿勢を低くしたまま、近寄り、ホーラがいる木の下に到着すると木の幹に体を隠すようにして、ホーラが見つめる方向へと視線をやる。

 視線の先10m先には、お粗末な柵で作った砦ようなものがあり、その入り口には眠そうに欠伸をする少年が2人立っていた。

 テツを見下ろすホーラは、小声で話しかけてくる。

「アタイが、見張りをなんとかするさ。そして、アタイが移動を始めて、100数えたら、目の前の入り口からテツは攻める。いける?」
「中にはどれくらいいますか?」

 20人弱と答えるホーラに、笑みを見せるテツは、

「任せてください。ユウイチさんがやりそうな堂々とした歩みで、注目を惹きつけてみせます!」
「いや、あそこまで他人から見たら無謀に見えるような事を敢えてやる必要はないさ?」

 ホーラが求める事を理解はしているようだが、憧れる雄一を模倣したくてしょうがない馬鹿な弟を諫めるが、多分、無理だろうな、と諦めが籠る視線を向けて、フォローをする事になりそうだと、深い溜息を吐く。

「分かってるとは思うけど、無謀と勇気を履き違えたりするんじゃないさ? 危険を引き寄せる行動をするんだから、気を引き締めていくさ」

 鼻息を荒くする馬鹿な弟を睨みながら言うが、目をキラキラさせて頷いてくるテツに諦観しか感じさせてくれない。

「はい、無謀と勇気を履き違えません。ですがっ、取り返しの付く……」
「取り返しの付く無茶は買ってでもやれ、とユウに言われてるって言いたいんでしょ?」

 ホーラは、うんざりした顔をしながらテツのセリフを奪い、先に言ってやるが、テツは、ニコニコと顔を綻ばせて、頬に渦巻きの幻視が見えるような顔をしてホーラを見つめる。

「そのフォローをアタイがするって分かってる?」

 勘弁して、と泣きが入りそうな表情を向けるが、テツは後頭部に手を当てて、えへへっ、笑い誤魔化してくる。
 分かっていた事といえど、変えられない未来にホーラは涙を浮かべる。

「どうして、家の男共は、こうも手のかかるのばっかりなんだろう」
「家の男共って、僕とユウイチさんしかいないんですが……?」

 ホーラは白けた目を向けて、呪言を唱えるように言葉を洩らす。

「そうさね、心労が10人分ぐらい感じさせられるから、ついつい、2人しかいないってのを忘れてしまうさ?」

 鈍いテツですら、風向きが不味いと感じたようで、テツの相棒を抜いて構える。

「ホーラ姉さん、ここで喋ってばかりいたら、先制を打てなくなります。すぐに行動を始めましょう」
「誤魔化すのも下手なところまで似る必要はないと思うさ……」

 溜息を吐きながら、ベストから投げナイフを取り出すと始めるとテツに伝える。

「強化するのは、飛距離、付加するのは、加速」

 軽く放るようにして投げるホーラであったが、戦闘機のミサイルのように、一定の滞空時間を生むと弾け飛ぶように見張りに向けて、飛んでいく。

 飛んでいったナイフは狙い通りに、見張りの少年達の首元に吸い込まれるように刺さり、悲鳴も上げられずに血を吐き出しながら、その場で倒れる。

 ホーラは投げた直後、結果を見る前に違う枝に飛び移り、砦の入り口の反対側を目指して、枝を飛び移り去っていく。

 それを見送ったテツは辺りを警戒しながら、胸の内でカウントダウンを開始した。


 予定通り、100を数える前に砦の裏側に到着したホーラは中の様子を眺める。

 昼間であるというのに、大半の者は酒を飲み、管を巻いているようである。

 入口に近い者は、近接武器を携えているようだが、奥の者は、弓やボウガンを扱う者のようだ。一応、砦に攻めてくる者に対応する気でそういう配置にしているようだ。

「いくら、その辺りを考えた配置をしておいても、昼間から酒を飲んでいて機能するのはどの程度なんだろうね?」

 肩を竦めるホーラは、カウントダウンしていた数字が0になるのを確認すると、入口に視線をやる。

 視線の先には、馬鹿な弟が馬鹿をやりながら、歩いてくる姿を見つめて、頭を抱えた。

 視線の先のテツは、長楊枝のようなモノを口の端に咥え、相棒のツーハンデッドソードを肩に背負いながら、後ろに体を反らして山賊達?を睥睨してるつもりで、目を細めながら堂々と入り口から入ってくる。

「愚弟っ……ユウは、そんな珍妙な格好して行動した事ないさ……」

 雄一は、巴を抱えながら力みのない歩き方で、戦場を闊歩するような事はするが、長楊枝を咥えたり、あんな胸を反らして歩きながら、睨みつけて歩かない。

 これは、全て、テツの憧れフィルターが見せている誤情報がミックスされ、更に自分の中で格好いいという、そろそろ芽生える思春期特有の病気の発現の表れが顔を覗かせた結果である。

 天然系の愚弟は、遠目で顔の判別は付かないが、きっと、鼻を少し大きくさせ、ワクテカしている姿が容易に想像できた。
 今度、どんなものを持ち歩いているか一回抜き打ちで調べた方が良さそうだとホーラは思う。

 そんなテツの登場に、呆れか、驚きか分からないが放心するように見つめていた山賊達が騒ぎ、笑いだす。

「ぎゃはははっ、頭がおかしい奴が、1人で乗り込んで来たぞ! 誰か、歓待してやれよ?」

 酒に酔っ払った山賊がテツの近くにいる者に笑いながら伝えると、そいつは、ナイフを抜いて、テツに近づきながら、イヤラシイ笑みを浮かべながらやってくる。

「おめぇ、馬鹿だろう? 1人で来るのも信じられないほど馬鹿だが、何それ? その長楊枝と虚勢を張って歩くような頭が弱そうな行動は?」

 その山賊の言葉にテツは、俯き、プルプル震える姿を遠くから見ていたホーラは嘆息する。
 そして、呟く。

「あの馬鹿、切れたさ」

 ホーラのその言葉がトリガーになったかのように、咥えていた長楊枝を噛み折り、涙目の顔を前にいる山賊に叩きつけるように見つめる。

 肩に背負っていたツーハンデッドソードを力任せに横一線といった感じにナイフを目掛けて振り抜く。
 振り抜いたテツの剣がナイフに直撃する衝撃で、山賊をふっ飛ばし、ナイフは砕ける。

 小柄なテツがやらかした事に、馬鹿笑いをしていた山賊に冷水を被せる。

 静まりかえる場でテツは、高らかに叫ぶ。

「僕が憧れる人の真似が下手な事を馬鹿にする事は許せても! その人の行動を馬鹿にするのは絶対に許せないっ!!!」

 その叫びが届いたホーラは、半眼の視線をやりながら、それはない、と手を横に振りながら、

「ユウはそんな行動してないし、むしろ、ユウを馬鹿にしてるのは、馬鹿テツだから」

 困った弟の病気をどうしたらいいかと本気に悩み始めるホーラ。

 呆れるホーラと違い、目の前の存在が愉快な存在じゃないと気付いた山賊達は酔いが醒めたようで、舌打ちをすると、武器を構えると慌てて陣形を整えて、テツに向き合う。

「あの白髪エルフは、只の馬鹿じゃねぇ! 気合い入れろよ、野郎ども!!」

 前衛の後ろから矢をテツに向かって打ち放ち始める。

 怒りに染まるテツであるが、冷静に飛んでくる矢を見つめ、自分に届きそうな矢をツーハンデッドソードで直接薙ぎ払ったり、剣圧で起こる風圧で弾き返しながら、ゆっくりと目を細めながら歩き出す。

 その悠然とした歩みに、山賊達は慄いたように一歩後ろに下がる。

「ふっふふ、そう取り繕ってないアンタのほうが、ユウの行動ぽいさ。テツ、アンタは本当にユウに憧れてるんだねぇ」

 残念なところを真似たという意味であれば、さっきのも、あの3人を相手にする雄一と思えば、似てたかもしれないと失笑しながら、パチンコに球を装填して、狙いを付ける。

 闊歩する王者のような歩き方をするテツに二の足を踏む山賊達は息をするのを忘れたかのように見つめる。

 後方の者達の呻き声と倒れる音がし、振り返る先でどこから飛んできてるか分からないが、鉄球で昏倒する後衛の姿に目を剥き、浮足立ち具合が増す。

 テツは、ホーラが放った攻撃によるものだと、理解すると、自分を意識外にした馬鹿共を殲滅する為に、サリナの青春の忘れ物シリーズのツーハンデッドソードを下段に構えたまま、低姿勢で飛び出す。

 飛び出したテツに気付いた山賊達は、気付いた時点では既に遅く、テツは振り抜く為に剣を放つ動作に入った状態で目の前にいた。

 目の前にいた3人を同時に薙ぎ払う。

 慌てて、前方のテツに意識を向けると今度は背後のスナイパーのホーラによるパチンコ攻撃に晒され、どっち付かずの対応に追われる山賊に、勿論、勝ち目はなく、少しづつ狩られていった。


 山賊も5人まで数を減らすと、武器を捨てて、降伏してきたので、テツは、山賊達をその場にあった縄を使って縛っていく。

 姿を現せたホーラとテツを両方見つめる山賊は、

「こんなガキ2人に俺達は全滅させられたのかっ!」

 歯軋りする山賊を見つめる。

「見た目から、アンタが親玉だろうけど、そんな安っぽいプライドを感じる暇があるなら真っ当に生きる事を考えるんだったね」

 完敗した山賊の親玉は、悔しそうに顔を歪めるだけで、文句はそれ以上言い返してこないぐらいには、覚悟が決まっている山賊だったようである。

 すると、後方から拍手をする音にビクッとするホーラとテツが弾けるように振り返ると、肩にピンクの髪の少女と両手に顔がそっくりで髪の長さだけ違う少女を抱き抱えながら拍手をしてくる大男の存在にあんぐりと口を開けて見つめる。

「まあまあ、かな? 次に期待するという事で、今回は及第点として認めないと、レイアに怒られるから、今回は許してやるよ。次はもっと力任せにせず、的確にな? ホーラ、少し狙いが雑になってるぞ? 癖になったら大変だから意識するようにな?」

 辛口トークをする雄一の頬を殴りつけるレイアに涙目にしながら、言う雄一は、ホーラ達の所に行きたくて降ろせと煩いレイアを仕方がないとばかりに降ろす。

 駆けより、2人の下に向かったレイアは、憧れの視線を向けて、凄い、凄いと連呼する。

「ユウ、いつから見てたさ?」
「ん? ホーラがテツに100数えたらって言ってた辺りだったか?」

 そう言うと雄一はアリアとミュウに視線をやると、2人に頷かれる。

 ホーラとテツは、顔を見合わせ、乾いた笑いを浮かべる。

「ほとんど、最初から見られてたさ……」
「かなり警戒してるつもりだったのに、ユウイチさんだけならともかく、3人を連れているのに、気付けなかったなんて……」

 自信を失うような思いもするが、追う背中の大きさに嬉しさを感じる2人がそこにいた。

「まあ、お前達もまだまだってことだ。これからもビシビシ鍛えてやるからな?」
「ハイッ! これからもお願いしますっ!」

 テツと共に頷くホーラは、縛った山賊を見つめて、雄一に問いかける。

「それはともかく、こいつらはどうするさ?」
「そうだな……そのまま、転がしておけ」
「いいんですか? どこかに突き出さなくても?」

 雄一は面倒そうに手を振って言ってくる。

「このまま、転がしておいて生き残れば、こいつらは運があったでいいだろう。だがな?」

 雄一は、山賊の親玉の目を覗き込むようにして語りかける。

「無事生き残れて、また同じ事していたら、今度は俺がお前達を死んだ事も気付けないまま首を刎ねてやる。覚えておけ」

 雄一の威圧を至近距離で浴びた山賊の親玉は、口から泡を吐き、失禁する。

 いつもの雄一のダレた顔に戻して、みんなを見つめる。

「さあ、帰ろうか。あの馬鹿2人にしてるのも色々、心配だしな? それとな、テツ?」
「はい、なんですか? ユウイチさん?」

 近寄ってくるテツの顔に近づけて、ボソボソと語りかける。

「まああれだ? 俺も長楊枝はないと思うぞ?」

 雄一にそれを言われたテツは、顔を真っ赤にさせると、奇声を発しながら、木々の切れ目から見える馬車に目掛けて走っていく。

 そのテツにびっくりしたレイアが、テツ兄っ!?と慌てて言葉にすると追いかけていく姿を見つめる。

 近寄ってきたホーラが雄一に頷きながら言ってくる。

「アタイもアレはないと思うさ?」

 雄一とホーラはお互い、イヤラシイ笑みを浮かべると笑い合う。

 それに釣られるように、ガゥガゥと遠吠えを上げるような声を出すミュウに更に笑わされて、笑みが収まらないまま、2人はテツ達が待つ馬車へと歩き出した。
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