挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー 作者:バイブルさん

5章 DT、本気みせます!

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

135/364

121話 作戦会議のようです

 雄一が飛び出していった為、一時中断した会議であったが、ロゼアが咳払いをして司会役をしていた団長に伝える。

「こちらはこちらでやらないのいけない事があるのではないか?」

 団長はロゼアに言われて我に返ったようで、失礼を詫びると話を再開する。

「戦力比は先程お伝えした数でおおよそ合っていると思われます。戦場はその川にある橋が主戦場になると予定です」

 団長は地図を指で差して伝えてくる。

「前衛を務めるのが歩兵、騎兵で構成したナイファ国の兵士で盾と成らせて貰います。その後方からエルフの魔法による攻撃をお願いしようと思っております」
「うむ、それで問題はないが、我らエルフでも魔法より弓などのほうが得意な者も多い、そちらにも弓兵がいるはずだ。それも魔法部隊と同じように?」

 地図を見つめながら、ロゼアは団長に問う。

 団長はロゼアが質問をしてくると分かってて構えていたのか、これから話そうとしてたところなのか不明だが、慌てずにナイファ側の上流にある少し拓けた場所を指差す。

「地図では分からないかと思いますが、ここは周辺より高い場所になります。ここに弓兵を配置しようかと思っております」
「なるほどねぇ、高さと上流という風の味方も着けるというメリットだらけなうえに相手は矢を届かせるのも一苦労と……やられた側は堪ったもんじゃないですね。後は魔法に対する対策ですか?」

 団長の説明にリホウが確認する意味も込めて言葉にすると団長は、「まさにネックはそこなんです」と苦虫を噛み締めた顔をしてくる。

 団長は、ロゼアとカシアに顔を向ける。

「魔法に長けたエルフの叡智に魔法を凌ぐ方法はありませんか?」
「無茶を言わないで欲しいよ。普通の魔法なら反らす事ぐらいならできなくもないけど、集団で使う魔法までなんとかする方法なんてないからね?」

 カシアはおどけた仕草で言うが目が「エルフは魔法なら自由自在と思うな」と訴えていた。

 隣に居るロゼアも黙って頷く。

「なら、散発的になる魔法なら対策がある、と思ってもいい?」

 それまで黙って聞いていたホーラがカシアに問いかける。

「それはそうだけど、統制が取れてない烏合の衆ならともかく軍がそんな馬鹿な事をしないと思うよ?」

 カシアの返事を聞いたホーラはテツを見ると頷かれる。

 その様子を見た団長が2人に問いかける。

「何か手があるのかい?」
「その前に質問させてください」

 テツは団長にそう言うと橋から離れた場所にある上流はひっついて見える場所と下流の小さな橋に見える場所を指差す。

「ここは何ですか?」
「ああ、それはね、まず、下流の橋はつり橋だよ。小さいモノで人の行き来も大変なほどね。上流のは、橋と言っても自然にできた橋で、集団は勿論、馬も渡れないほどの狭いところだよ」

 団長の説明を聞いていたリホウは、手を叩いて楽しそうにテツを見る。

「なるほど、テツ君、それはとても冒険者ぽくて良い手だと思うよ」

 リホウに褒められて照れ笑いをするテツ。

 リホウの賛同を受けて、自分の考えがおかしくないと分かり、ホッとするホーラ。

 他の面子は、さっぱり理解できなかったようで、皆を代表するように女王が問いかける。

「申し訳ありませんが、私達にも分かるように説明して貰えませんか?」
「失礼しました。つまり、アタイとテツが陣を互いに張り出してる間か、できれば、向こうが到着する前に対岸に渡っておいて撹乱に徹しようかという話です」

 そう言われて、この場に居る者達に理解の色が走る。

 つまり、魔法というのは集中力がいる。だが、そこを狙った如くの牽制目的の散発的な攻撃があるとすれば、集中できるような状況ではない。

 そうなるとどうしても発動が簡単な魔法が多くなるうえ、呼吸も合わせるのが難しくなる。

 結果、散発的な攻撃に成らざる得ない状況が生まれる。

 理解はしたが心配そうな女王がテツを見つめて言う。

「効果は確かにあるとは思いますが、さすがに2人というのは危険では? せめて、何人か連れていったほうが……」
「そのお気持ちは嬉しいのですが……」

 女王の言葉を少し困った顔をしたテツが言葉を濁す。

 それを見ていたリホウが肩を竦めると代弁する。

「これは少人数だからいいんです。勿論、テツ君達も危険は承知です。せめて、何人か、と思われる気持ちも分かりますが、この2人に着いて行ける者がいるかどうかの問題もあります」

 リホウは、中途半端な兵だと2人の足枷になるとオブラートを包みつつもバッサリと口にする。

 そう言われた女王であるが心配そうにテツ達を見つめる。勿論、リホウの言っている意味は勿論、理解したうえでの話である。

 カシアが、ホーラとテツをジロジロと見た後、にっこりと笑い、リホウの言葉を後押しする。

「うん、確かにこの2人が適任かもね。代役を務めるなら、出ていったお兄さんか……そうだね、それか、貴方かな?」

 カシアに指を差されたリホウは困った顔をして頭を掻く。

「俺はお兄さんと言ってくれないんですね」

 リホウは惚けた事を言うがカシアの言葉を否定してこない。

 それを見ていたロゼアが頷くと口を開く。

「ふむ、カシアがそう言うならそうなのだろう。ただ、任せきりも良くはないから対岸から嫌がらせ程度にしかならんだろうが、散発的に魔法を使わせて逃げさせる少数部隊も用意しよう」

 ロゼアはヒットアンドアウェーを狙った行動を取らせて、2人に意識を集中させすぎないようにする手を提案する。

 各自、納得したような顔をしているのを団長は見渡して確認するとシメるように話し出す。

「作戦の概要はこれで良いでしょうか? 良ければ、後の細かい事は陣を張ってからに致しましょう」

 そう言ってくる団長の言葉にリホウは待ったをかける。

「このつり橋のほうですが、見張っておいたほうがいいと思うんですよ。さすがにこちらのように2人とかで乗り込んではこないと思いますが、少数の部隊で乗り込んで同じように撹乱を狙う者が現れないと限りませんので、冒険者と傭兵で対応しようかと」

 リホウは、この荒くれ者達は軍の統制に合わせられないから邪魔になるかもしれないと言いつつも、ここを押さえておかないと不味い事になりそうな予感に襲われる。

「それに、できるならこちら側からもちょっかいをかける事もできるでしょうしね」

 リホウの言葉を吟味した団長は頷く。

「冒険者には冒険者の戦い方があると思いますので、お任せしますが、敵の接近した時は、必ず、連絡を最優先にしてください」

 リホウは団長の言葉に頷いてみせた。

 それを確認した団長は、各自を見渡し、意見がないのを確認した後、女王に向き直ると頭を下げる。

「では、軍議はこれまでにします。各自、編成準備を済ませたら強行軍にはなるかと思いますが指定の場所に向かってください」

 馬車で行けば半日とかからない道程だが、これだけの沢山の数と歩く者もいるとなるとどうしても時間がかかる。

 なので、道なりに歩く限り、危険な場所がない利点もあり、夜も徹して行軍する事を伝える。

 逆にパラメキ側はそう言う訳にはいかない道なので、こちらのほうが早く着くはずである。

 女王の言葉を受けた団長は、「解散します。準備を整え次第、出発してください」と言うと各自、部屋から出ていった。


 ホーラとテツは、廊下に出るとリホウの姿を捜して追いかける。

 駆け寄ってくる2人に気付いたリホウが首を傾げて足を止める。

「どうかしましたか?」
「まあね、リホウ、アンタ、さっき何を言おうとして止めたさ?」

 リホウは、韜晦するようにホーラの言葉を惚けるのをテツが「誤魔化さないでください!」と詰問する。

 2人を見つめるリホウは、頭をガシガシと掻くと「敵いませんねぇ」とぼやくと説明をしてくる。

「普通に考えたら、こちらの状況を調べる者ぐらいしかこないと思うんですがね? 何事にも例外ってのがいると骨身を沁みてますんでね」
「まさか、ユウのような奴がいるとでも言うつもりじゃないさ?」

 ホーラの言葉にリホウは、ないない、と手を振って苦笑する。

「さすがにアニキとタメ張れるような奴がいるとは思ってませんよ。ただ、少数で斬りこめるだけの猛者ならいるかもしれないと思っておいたほうがいいと思いましてね」

 リホウは、雄一に出会うまで自分より強い者はいるだろうとは思っていたが、挑むのがバカバカしいと思える存在など、ドラゴンなどを除けば、人類にいると思ってなかった。

 だが、それは雄一に出会った事でいる事を知ったリホウは、その可能性を否定する気はない。

「まあ、保険ですよ」

 そう言うとリホウは安心させる為に笑う。

 ホーラとテツは顔を見合わせるとリホウを見つめる。

「リホウさん、気をつけてくださいね?」
「なんか、その話を聞いたら、凄く危ない事のような気がするさ」
「そんなのお互い様ですよ」

 そう言って苦笑いを浮かべるリホウに2人も同じように笑う。

「じゃ、僕達は準備は済んでいるので、先に出ますね」

 そう言うテツに頷いてみせるリホウは「気をつけて」と伝えるとホーラが「お互い様さ」さっきのやり取りを真似て笑う。

 今度は先程のような苦笑ではなく、楽しげな笑みを浮かべる。

 2人は、踵を返して去っていくのをリホウは見つめる。

「本当にアニキみたいなのは1人で充分。鬼は2人いなくていいんで」

 疲れたようにぼやくリホウは、突然、背筋に悪寒が走り、背筋を伸ばして辺りを見渡す。

 何かを恐怖するように辺りを見渡すが何もない事を確認すると安堵の溜息を吐くとリホウは、冒険者と傭兵に準備を急がせる為に2人と反対方向を目指して歩きだした。
 感想や誤字がありましたら気楽に感想欄にお願いします。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ