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異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー 作者:バイブルさん

4章 DT、表舞台に立つ

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112話 終わりじゃない、始まりらしいです

 先週は派手に更新しちまったよ……ちょっち疲れたよ、とっつあん……

 勢いって怖いよね……

 登場人物の年齢を各章の人物紹介の名前の横に年齢を書き加えましたので、気になった時でも確認してみてください。
 泣き疲れて眠ってしまったミュウを抱っこした雄一は、リホウによって集められた囚われてた人達の前に姿を現す。

「すまない、だいぶ待たせてしまった。とりあえず、色々、思う事もあるだろうが、組織から解放されたと思ってくれていい」

 雄一が説明を始めるが、なんと反応したらいいか分からないような表情をされる。だが、雄一はいきなり解放と言われても、どう解釈したらいいか分からないのは当然と気にせず話し始める。

「すぐ、この場から故郷なりに自分で帰ると強く希望する者がいるなら止めはしないが、少し冷静になって欲しい。一旦、この王都のエイビスという商人に保護を求めて、身の振り方を落ち着いて考えてみるのはどうだろう」

 雄一は囚われてた人達を見渡し、淡々と語る。

 同族や知り合いが居る者はお互いに相談を始めるがそう言う相手いない者は不安そうに辺りを見渡す。

「そこで考えた結果、帰るという判断をするなら、希望するなら家の冒険者から護衛に着けて送る事を約束しよう。王都で生活するというなら、できるだけはサポートをする。すぐに判断できなく、生活をする術がないというなら俺と一緒にダンガに着いてくれば、子供達の世話を手伝う事を条件に生活も保障しよう」

 雄一がそう説明を一旦区切るとエルフの男性が手を上げてくるので頷く事で質問を許可する。

「本当にそこまでやってくれるのであれば、有難いとしか言えないのだが、アンタにどんなメリットがあるというんだ?」
「メリットか……ないな」

 あっさりとないと答える雄一の言葉に囚われた人達からどよめきが起きる。

 雄一は抱っこしてるミュウがずれ落ちそうになってるのを直す。

「強いて言うなら、これは俺の贖罪だろうか。証拠はないが、囚われている者がいるという事は分かっていた。その証拠集めに手こずり、この場に居る者には辛い思いをさせた。勿論、この件が片が付いたら、ここから連れて行かれた者達も捜す予定だ」

 泣き疲れて、引きつけを起こしながら眠るミュウの背中を優しく撫でながら雄一は辛そうに語る。

 雄一の言葉とその悲しみに耐える瞳に飲まれた人々は黙り込む。

 話の腰を折ったと思った雄一は「すまない」と謝ると続ける。

「それでどうする? このまま帰っても問題はないぞ。お前達を捕まえていた組織は日の出と共に消滅するからな。既にその組織の本部以外は壊滅してるはずだ」
「そんな馬鹿なっ! この組織はこの国最大の組織だぞ? そんな短期間で……」

 先程のエルフがそう言ってくるが、雄一は何でもないような顔をして提案する。

「まあ、あっさり信用するのは難しいだろうな、その確認をする意味でも保護を勧めるが? 先程も言ったが何も信用できないというなら、この場から立ち去っても止めはしない」

 そう言うとお互いを牽制し合うように目を交わし合うが、ウサギ耳の少女が前に出て手を上げてくる。

「私には戻る場所がないぴょ。どうしていいか分からないから、お世話になりたいと思うぴょ」

 雄一はウサギ耳の子の言葉に頷くと、他の者も競うように保護を訴えてくる。

 勿論、全員を保護する事に問題はなく、雄一はリホウを呼ぶとエイビスの所に連れていくように伝える。

「では、俺に着いて来てください」

 リホウの先導の下、囚われてた人達は着いていくが、ウサギ耳の少女が雄一の前で立ち止まり、声をかけてくる。

「貴方はちゃんと助けたと思うぴょ。だから、そんなに悲しまないでもいいと思うぴょ」
「聞こえてたのか?」

 雄一が怒鳴った声などは聞こえてただろうが、ミュウの親子の会話を聞こえてないと言えるセリフではない。

 ウサギ耳の少女は、自前の耳を撫でながら、「耳だけはいいぴょ」と苦笑いしてくる。

「そのビーンズドックの子の親も勿論、その子も貴方に感謝してるはずだぴょ」

 長い耳をピクピクさせて、拳を握って力説してくる少女の頭を雄一は撫でる。

「有難うな、その言葉があるだけでも俺は救われる」

 頬笑みながら撫でる雄一の手を擽ったそうにするが柔らかい笑みを浮かべるウサギ耳の少女だったが、出てこない事を不思議に思ったリホウが中に入ってくる。

「みんな待ってるから、そろそろ良いですか?」
「はいっ、すいません~今行くぴょ」

 慌てて、リホウの下へ走る少女に笑みを浮かべて手を振ると振り返った少女が雄一に元気に手を振って言う。

「また会いましょうだびょ」

 ウサギ耳の少女を見送った雄一はミュウの親の名残の土に片手で祈ると踵を返して、マッチョの集い亭を目指した。



 マッチョの集い亭に着くと、日の出までまだ時間があるが、みんな起きて食堂で座っていた。
 おそらく、雄一がリホウに大至急と言ったので、寝てる子達の気を使う余裕もなくミュウを連れてきたのだろう。
 アリア、レイア、スゥがミュウを心配して駆け寄るが、ミュウの様子を見てなんて声をかけたらいいか分からず困った顔を雄一に向ける。

 そんななか、ミランダが子供達を優しく掻き分け雄一の前に出ると手を差し出す。

「預かるわ、まだやるべき事があるのでしょ?」
「ああ、助かる」

 雄一は、自分の服にしがみ付くように硬く握るミュウの手を優しく解いていくとミランダにコワレモノを扱うように預ける。

 預かったミランダがミュウを部屋に運ぼうとするとアリア、レイア、スゥが追いかけようとするので、雄一はスゥを呼び止める。

「スゥ、ミュウが心配だとは思うが、この後の事が済んだら城に戻る。一緒についてきてくれ」

 後ろ髪が引かれるようであるが、「ママに会いたいの」と言うと頷いてくる。

 ゼクスとステテコを見つめると2人とも頷いてくる。

 雄一はスゥを肩に載せると、リホウ、ゼクス、ステテコを引き連れて噴水広場へと向かった。


 噴水広場に着くとテツ達を始め、冒険者、兵隊のような規律が行き届いてそうな集団が待ち構えており、おかしな空間を形成していた。

「ホーラ、報告を頼む」
「あいよ、殲滅対象の本部以外は壊滅。重軽症者30名程、死者なし」

 ホーラの報告を受けて、頷くと怪我人の場所を問うとエイビスが用意した兵の隊長らしき人に案内される。

 連れていかれた先では、必死に処置する医療班の姿があった。特に今は、腕がちぎれかけてる男の処置に追われているようで、そこに雄一は近づいていく。

「今、処置で忙しいのでこちらに来ないでください」
「遊びに来た訳じゃない。布を俺に渡して下がれ」

 そういう雄一の迫力に圧された医療班の男が雄一に布を渡すと引き下がる。

 腕のちぎれかけている男の前に膝を着くと布を丸めたモノを口にねじ込む。

「痛みが伴うが耐えろ」

 そう言うと、ちぎれかけの腕を力づくでくっ付けるようにして回復魔法を行使する。
 押さえつけられる痛みと感覚が戻る痛みに男は涙を流して、布を噛み締める。
 ちぎれていた腕は逆再生するようにしてくっついていくが、大きな傷跡だけ残る。

「良し、これで神経も繋がったはずだ。時間があれば傷痕も消せるが消して欲しければダンガに今度、足を運べ。勿論、無料で治してやる」

 雄一は返事も聞かずに医療班の男に振り返る。

「傷の深い奴は誰だ?」

 医療班の男は、恭しく「こちらです」と雄一を案内していき、雄一も片っ端から治療していった。

 治療を終えた雄一は医療班の男に血は回復してないから戦線に出さないようにと指示すると再び、テツ達のところに戻ってくると雄一は指示を始める。

「日の出と共にフリーガンの本部を襲撃をかける。家の冒険者、そして、エイビスから派遣された兵は1匹も逃がさないように建物を囲え。フリーガンの構成員はボス以外は生かす必要はない、切って捨てていい。出てきた者で囚われた、巻き込まれた者もいるかもしれない。中には偽装するような者もいるかもしれないので疑わしい者は捕縛するように」

 雄一は、捕縛した相手は本当に違う場合があるので、事がはっきりするまで丁寧に紳士的に振る舞うように徹底する。相手が罵倒してきても耐えるように指示を出す。

 雄一が質問を受け付けると言うが、誰も確認をしてこないので配置に着くように指示を出す。
 それに一緒に着いていこうとしたテツ達を呼び止める。

「テツ達3人は、ゼクス、スゥ、ジイさんの護衛だ。傷一つ付けるなよ」
「はいっ、分かりました!」

 テツが元気良く返事をして、ホーラとポプリが頷いてくる。

 それを確認した雄一が振り返り、ゼクスと目線を合わせる。

「ゼクス。これが終わりじゃない、ここからが始まりなんだ。宰相が滅茶苦茶にした国を立て直し、お前が女王を助けて王家の信頼回復をしていかないといけない。大変なのはこれからだ」

 ゼクスの肩に手を置いて語る雄一を見つめたゼクスが力強く頷く。

「はい、きっとやり遂げてみせます」

 静かに決意を滲ますゼクスであったが、ふと不安そうな表情をする。

「ユウイチ父さん、もし、どうしたらいいか分からなくなったら頼ってもいいですか?」

 カッコイイ事を言った後で、少し聞きにくそうに聞いてくるゼクスに雄一は口の端を上げて答える。

「頑張る息子が頼ってきて何もしようとしない親父がいるなら紹介してくれ。俺がぶん殴ってやるから」

 そう言うとフリーガンの本部に目指して歩く雄一の背に嬉しそうなゼクスの「はいっ!」という言葉を受けてリホウを連れだっていった。


 フリーガンの本部に着いた雄一は暁の空を見つめ、日の出を待つ。そして、日の出が始まるとリホウに「いくぞ」と告げて歩き始めた。

 門の前には門番らしきガラの悪い男共がいて何やら言っているが聞く耳を持たずに斬り捨てると目の前の扉も開こうともせずに巴で一刀両断してしまう。
 10cmはありそうな鉄の扉であったが雄一にかかればバターを切るようなものであった。

 中に入ると魔法の集中打という歓迎を受けるが雄一の腕の一振りで起こった水の膜で弾かれて被害が飛び火する。とばっちりを受けた組織の者の阿鼻叫喚が聞こえるがそうなると分かって弾いた雄一の表情に変化はない。

 すると、雄一よりも大柄な男がバトルアックスを構えて現れる。

 それを見ても雄一の歩みは変わらず、男の下へやってくると腕だけで振った左拳を巨漢の胸に叩きつけると壁まで吹っ飛ばされて、壁のオブジェと化す。

 それを見た組織の者達が恐慌状態になるのも相手にせずにリホウに言う。

「お前は、囚われている人がいるかの確認とボスが居れば捕縛だ」
「へい」

 そう言うとリホウは雄一と別行動を取る為に奥に向かう。向かう駄賃とばかりに進路上にいる者を斬り捨てていく。

 それを見送った雄一は、再び歩くように組織の者の中心へと向かう。雄一の王者の蹂躙はまだ始まったばかりであった。



 それから2時間程過ぎた頃、雄一はスゥを肩に載せ、テツ達に護衛されるゼクスとステテコ、それとリホウはフリーガンのボスを縛る紐を持ちながら城の城門の前に立っていた。

「さあ、最初の幕を閉じに行くか」

 城門に近づく雄一達に、警告の声を上げる門番の声を無視して歩き始めた。
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