第五話 001
○河口湖駅・全景(GW・5時頃)
――木造の駅舎。建物の奥には富士山。
改札手前にロータリー、下手に観光案内所。
案内所の手前には『モ1形電車』が展示されている。
――人のまばらな駅前。
夏・恵介・音葉(松葉杖×2)・加奈・北川(松葉杖×1)・真中が案内所前で待機。
全員お花見女子空手道部のジャージ姿。足下には大きな鞄。
残りの部員たち「おはようございまーす」
と、大きな鞄を肩に掛け、次々に集まってくる。
恵介「よーし全員そろったなー?」
みんな「はい!!」
夏「早く電車に乗ろうぜー?」
と、構内へ行こうとする。
恵介「何言ってんだ夏? 合宿場所は河口湖の方だぞ?」
みんな「ええーっ!?」
夏「じゃあ何でわざわざ駅に集合したんだよ!?」
――プッとクラクションを鳴らし、案内所下手の道路にマイクロバスが一台停車する。
バスには『内川荘』の文字。
恵介「おっ、来たな」
友佳「おはようございまーす!!」
と、バスから降りる内川 友佳【うちかわ ともか】(女23)。
恵介「みんながお世話になる内川荘の内川 友佳さんだ」
みんな「よろしくお願いします!!」
友佳「(微笑んで)はい、よろしくお願いします」
夏「よかったー、歩いて行くのかと思ったよ。早くバスに乗ろうぜー?」
と、バスに乗り込もうとして。
恵介「何言ってんだ夏? バスに乗るのは北川と冬月だけだ。残りのみんなは歩きなー」
残りのみんな「えええーっ!!」
――プッとクラクションを鳴らし、北川と(笑顔で手を振る)音葉を乗せたバスが走り去っていく。
みんな「あー……」
と、羨ましそうに見つめる夏たち。
恵介「大丈夫だ、わざわざ遠回りして行くから、大体1時間くらいで内川荘に着く」
みんな「1時間ー!?」