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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第二話 『イチゴも人も』
21/206

第二話 001

○加奈の回想・東京都 田園調布 加奈のマンション・外観(七月・夜)

   ライトアップされた、デザイナーズマンション。


○加奈の回想・同・加奈の部屋

   加奈(中三)、ベッドに仰向けで写真を見つめている。

   パジャマ姿。脇には、手作りのお守り袋。

   折り目のついた写真には、建物の前で微笑む、スーツ姿の父。

   加奈、ため息。

   ――写真を折り畳み、お守り袋の中へ。


○加奈の回想・調布女学院中学・運動場(夕)

   夕焼けが広がる。

   ――ポタッポタッと、地面に汗が落ちる。

   加奈、膝を押さえ、息を切らす。

   ランニングシャツ、ランニングショーツ姿。

   首から下げたお守りは、シャツの中に入れている。

部員A「おっ、記録更新!!」

   と、ストップウォッチを見て。

加奈「……まだまだいける。私、もう一度走ってくる!!」

部員A「加奈っちがんばるねー?」

   と、タオルとスポーツドリンクを渡して。

加奈「ありがとう」

   タオルを首にかけ、スポーツドリンクを飲み干す。

加奈「次が三年生最後の大会だからね……」

   と、周りの陸上部員たちを見て。

   ――奥には『調布女学院中学運動場』の看板。

部員A「(ヒソヒソ)ここだけの話、私たちマネージャーから見ても、加奈っちだけが希望の星だから」

加奈「(赤面)ふえっ!? そ、そんな大げさな……でもありがとう」

   加奈、折り畳んだタオルと、スポーツドリンクを返す。

   ――シャツの上からお守りに手を当てて。

加奈「私、悔いだけは残したくないんだ。喜んで……もらいたいから」

部員A「よしわかった。じゃあ悪いけどみんな先に終わるね?」

加奈「うん、おつかれー」

   と、手をあげ走り出す。


○加奈の回想・歩道

加奈М「――嘘つき。悔いを残したくないなんて思っていない。本当はこのまま、ずっと走っていたいだけ」

   と、歩道を走りながら。

加奈М「走っていると、何も考えなくていいから――」

   ――ゆっくりと目を閉じる。

   加奈の回想終わり。

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