第九話 001
○お花見女子高等学校・夏のクラス(休み時間~ホームルーム・9月上旬)
授業終了のチャイム。
生徒A「次ホームルームだっけ?」
と、夏の前の席から振り向いて。
夏「(教科書を机にしまいながら)え? ああ」
――夏の席は窓際奥。
生徒B「そろそろ学園祭の時期だからさー、今日あたり実行委員とか決めるんじゃない?」
と、上手の席から。
夏N「ほうとう杯で優勝してから、ウチへの悪い噂があっという間に無くなった――」
生徒A「うわー、めんどくさーい。私寝たフリしとこー」
生徒B「私もー」
夏「ははは……」
夏N「ほんと、今まで避けられていたのは何だったんだろうって思うくらい……」
――空を見上げる夏。
× × ×
担任「えー、今日は学園祭の実行委員を決めるからなー」
みんな「えーっ」
担任「先着二名だ、誰かやりたいやつはいないかー?」
みんな「……」
担任「いなければ推薦でもいいぞー?」
――ざわつくみんな。
生徒C「(手をあげて)はーい。羽村さんがいいと思いまーす」
――ざわつくみんな。
担任「だそうだ羽村? やってみるか?」
と、真ん中最前列に座る羽村を見て。
羽村「いいですよ」
表情一つ変えない羽村 咲良【はねむら さくら】。
――ざわつくみんな。
夏「何でみんなさっきからざわついてんだ?」
と、前の席で寝たフリの生徒Aをつついて。
生徒A「(振り向いて)え? 立花さん知らないの?」
「(小声で)羽村 咲良『彼女に関わったら退学になる』って噂」
夏「(羽村を見て)ふーん……」
生徒A「(小声で)絶対に関わっちゃダメだからね!?」
と、寝たフリに戻る。
担任「あと一人誰かいないかー?」
――ざわつくみんな。
夏「(手をあげて)ウチがやります!!」
生徒A「(振り向いて)ええっ!?」
担任「おっ、やってくれるか立花!? さすが『ほうとう杯』の英雄!!」
夏「いつの話をしてるんですか先生、それもう夏休み前のことですよ?」
担任「そっか、悪い悪い」
みんな「あはははは」
担任「放課後に実行委員会会議があるから、授業が終わったら二人とも視聴覚室に行くように」
夏・羽村「はい」
担任「えっと次の議題は……」
――校舎を写す。