第9話:季節外れの… 〜前〜
僕と美里ちゃんの同居生活が始まってからおよそ1ヶ月が経った。
数日前から僕は、少しずつ家事を手伝い、
料理のほうも、若干ではあるけれど出来るようになった。
そう、若干ね、若干。
あれから僕は楓ちゃんと、美里ちゃんは隼と、
隼と楓ちゃんも仲良くなって、
基本的に4人で行動するようになった。
で、今日は月曜、つまり平日、学校に行く日だ。
なのに僕は家にいる。
それは何故かというと…、
僕…、
風邪を引きました〜♪
風邪引く季節じゃないのにね。
朝起きて何となくだるいな〜って思って、
体温計で図ってみたら、
38度8分あった。
それにせきも出てのども痛くて、
美里ちゃんに、
「これな〜んだ?」
て聞いたら、
「100%風邪だね」
て言われた。
そして、
「今日、学校には私1人で行くから、夕生くんは留守番しててね」
と言われたので1人で家にいるのだ。
時間とともにだるさは増し、
体は全く言うことを聞かない。
あ〜、早く美里ちゃん帰ってこないかな…。
風邪を引いた夕生くんを家において、
私は1人、学校に来たわけだが…、
「心配だな〜…」
正直、そう思っていた。
というか、口に出た。
それぐらい、心配なのだ。
夕生くんは、家事全般をほとんど行うことが出来ない。
最近は手伝いをし始めて、
少しましにはなったが、それでもまだまだだ。
それに今、夕生くんはおそらくほとんど動けないだろう。
早く看病してあげなければ…。
「帰ってあげたら?」
「わあ!」
突然声が聞こえ、私は驚きの声をあげていた。
「何もそんなに驚かなくてもいいのに…」
「ご、ごめん楓」
声の主は楓だった。
私が驚いたことがショックだったのか、落ち込んでいた。
それで慌てて謝る。
「…ま、いいけどさ。それよりも美里、早く帰ってあげなよ。
風邪なんでしょ、夕生」
「う、うん、まあ…」
「だったら看病してあげないと。きっと辛いと思うよ」
出来れば私もそうしてあげたい。
でも…、
「でも、学校が…」
そう、学校が問題なのだ。
この学校は妙に厳しいところがある。
よほどのことがない限り、早退なんて…、
「いい口述があるじゃない、美里には」
「へ?」
そう言った楓の顔は笑っていた。 |