第6話:僕らの席順
僕は今、学校に向かって歩いている。
隣には、変身した美里ちゃんがいる。
変身しても、やっぱり美里ちゃんは可愛い、と僕は思う。
何となく幸せに浸っていたら、
「ねえ、夕生くん」
と、美里ちゃんが声をかけてきた。
「ん、何?」
僕はその呼びかけに反応する。
彼女はそれを確認すると、
「夕生くんって、何組なの?」
と聞いてきた。
滝之上高校では、事前にクラスの報告があるのだ。
僕は確か…、
「2組…」
だったと思う。
それを聞いた美里ちゃんの顔が変わった。
驚きと、喜びの混ざったような顔に。
「えっ、夕生くんも2組? 私も2組なの〜!」
彼女は満面の笑みだ。
そしてそのまま、
「席が近いといいね〜♪」
と言ってきた。
いやいや美里ちゃん、出席番号って知ってる?
出席番号っていうのはね、苗字をあいうえお順で見て決めるものなんだよ。
僕は「い」、美里ちゃんは「か」だから、どう考えても近いよね?
「やった〜♪」
しかしまさか…、
氏名 出席番号
五十嵐夕生 2
川西 美里 8
席順
廊下側
7 ・ 1
「8」・「2」
9 ・ 3
10 ・ 4
11 ・ 5
12 ・ 6
席が隣になるとは…。
「やったね、夕生くん〜♪」
美里ちゃんが笑顔で言ってくる。
僕はもう、
「あはは、そうだね…」
と、苦笑いするしかなかったのでした。
入学式という、長ったらしい式も終わり、学生は皆、下校となった。
僕が下校の支度をしていると、
「お〜い、夕生」
と、声をかけられた。
「おお、隼」
僕も、その声をかけてきた彼に言う。
彼の名前は、寿 隼。
僕の幼馴染みで、何故だか偶然、同じ高校に受験していたらしい。
言葉遣いが何故か僕の時だけ悪いのだが、根はいい奴なのだ。
隼は学校の近くの寮に住んでいるようだ。
「なあ夕生。今日、一緒に帰ろうぜ」
隼が口を開く。
彼は3組で僕らのクラスではない。
だから、今になって言いにきたのだろう。
でも今日は色々と予定がある。
そう、色々と。
「ごめん、今日は色々とあるんだ」
そう言って僕は彼に謝った。
彼も納得したようで、
「そっか。まあ、昨日、越してきたばかりだからな。
色々とあるよな。おっけ、じゃあ、また明日な」
そう言ってきた。
全く、彼の理解力には感謝する。
僕も、
「うん、また明日」
と、返した。 |